2017年12月01日

OTCGにおけるカードの弱体化について私の理解を書いてみます

いわゆるカードのナーフ(弱体化)の必要性について考えてみます。大した話ではないです。


例えばHearthstoneとかShadowverse、直近だとドラゴンクエストライバルズのような、

・カードを集めてデッキを作る
・デッキを作ってオンラインで対戦する

という形式のカードゲームがあります。オンライントレーディングカードゲーム(以下OTCG)と呼ばれることが多いです。トレーディング要素ないのに何でトレーディングカードゲームなん?と言われても私は知りません。カード分解して違うカード作ることもトレードと考えるからでしょうか。

大本のM:TGの頃からの一種の伝統ですが、OTCGではしばしば対戦のバランスが崩れて環境がエラいことになり、カードの強さの調整が入る、ということがあります。色々ありましたよね。MoMaの冬とかメグリムジャーとかヨーグモスの意志とか。あったあった。

今回は、その「バランスが崩れる」「だから調整する」ということについて、私の理解をなんとなく書いてみます。


〇OTCGの「望ましいバランス」とは一体どんな状態なのか

まず前提として、望ましいバランスというのは、「なるべく多くの人が「面白い」と感じるバランス」ということになると思います。全員を満足させるゲームは存在しませんが、満足している人が満足していない人よりもかなり多い、という状況は多分作れるでしょう。

もう一つ前提として、多くの人は「勝とうとする」「負けっぱなしだと面白いと感じない」という前提もあります。デッキ構築にせよカード選択にせよ、殆どの人は「勝ち」を意識して吟味するもので、本当に純粋に「好きなクラス、好きなカードだけを使う」という人はかなりの少数派である、ということですね。

その上で、つきつめると、OTCGでは下記のような状態が「望ましいバランス」の要件になることが多いような気がしています。


・勝敗の結果について、「運ではなく実力によるものだ」と納得、ないし錯覚しやすい
・極端に強いクラス・極端に強いデッキタイプというものが存在せず、環境に多くのタイプのデッキが存在している


つまり、「勝敗が極端に運要素に偏っておらず」「色んなデッキを目撃することが出来る」状態が、いわゆる「いいバランス」だ、という話です。多分一般的な話ですよね?

これが崩れるのはどんな時かというと。たとえば、

・極端に強いカード・ないし強いカードのメタカードが存在し、どのデッキもそれを意識した構築になる、ないしデッキタイプが限定されてしまう
・少数のクラスに強いカードが偏在しており、その少数以外のクラスのデッキを滅多に見かけない
・コントロールが極端に強い、あるいはアグロが極端に強いなど、デッキの傾向が制限されてしまっている
・先手/後手など、実力に関係なく運によって決定される要素が勝敗を大きく左右してしまう(先手/後手の勝敗バランスが悪い)
・極端に先出し有利なカードがあり、「先に特定のカードを引いた方が勝ち」というような状態になってしまう

上記のような時、「このOTCGはバランスが良くない」と多くの人が感じる状況になる、と思います。

上記は飽くまで「バランス」の話なので、これだけが面白さの要件になる、ということではありません。UIの快適さとか、カードを使っている時の爽快感とか、これ以外の要素も色々あるでしょう。

昔は、「強いカードがレアリティの高いカードに集中していない(つまり、課金が勝敗の上での必須要素になっていない)」ということもよく言われていましたが、最近ではそこまで見ないような気がします。「Pay to win」とか最近あまり聞かない言葉ですけど、どうなんでしょうね?まだ現役なんでしょうか?

ぶっちゃけた話、運営も利益が上がらないゲームは継続しようがないわけで、ある程度客に課金をしてもらうよう誘導するのはそりゃ仕方ないでしょーとは思わないでもないです。あまりに露骨だと色々批判されるのかも知れませんが。


〇では、運営はどんな状態を目指せばいいのか

上記「いいバランス」を目指すという話からすると、

・極端に強いカードが存在せず、様々なカードやデッキタイプを採用する、ないし活躍させる余地がある
・強いカードが少ないクラスに集中しておらず、様々なクラスで勝ちを狙うことが出来る
・先手/後手の有利不利をなるべく平準化するシステムを導入する

ということになると思います。言うだけならタダですよね。

勿論、「極端に強い」という言葉にも明確な基準があるわけでもなく。勿論使用率やら勝率やらは正確なデータが取れるとしても、必ずしも「〇〇%以上なら修正が必要」とか一概に言えるものでもないわけです。

二点、問題点として、

・デッキタイプやクラス使用率が偏る要因は、必ずしもバランスだけではない
・強いカードがなければいいという話ではなく、「ある程度強いカード」はOTCGの面白さの為に必要である

ということは言えると思います。

極端に強いカードが出るといけないから、ということで強いカードをかたっぱしから潰していては、ゲームから爽快感がどんどん失われていきます。地味なカードばっかで面白くねえ、という奴ですよね。なんだかんだで、強いカードを上手く場に着地させた時の爽快感というものは、OTCGにおいて重要なものです。「ある程度尖ったカードが多い方が面白い」という人も多いです。それに、その強いカードを軸にしていたデッキが使用されなくなってしまえば、却ってデッキの多様性が失われてしまうということになる可能性もあります。

また、現在はWebやSNSで簡単に情報が流通する時代でして、強いデッキの構成、強いクラスの情報なんかも簡単に出回ります。「他にも強いデッキはあるのに、有名な人が〇〇というクラスのデッキレシピを公開したからいきなりそのクラスに使用率が偏る」みたいなケースも、ことによるとあるかも知れません。研究が進んでいるクラスとそうでないクラスで大きく勝率が異なる、なんてことも珍しくありません。

まあなんか、単純に使用率や勝率が偏ってれば修正すればいいのかというとそういう訳でもなく、同じく単純に強いカードを弱体化してればゲームのエッジってのはどんどん失われていくもので、ゲーム自体が面白くなくなっちゃって元も子もない、みたいなことも起こり得ると考えると、OTCGのバランス調整ってのはつくづく高難度ゲーだなーと思うわけです。色々考えて調整しても、それがユーザー全員を満足させられるかなんていうと到底無理なわけで、「つまんねーー!!」と叫ぶ声が大きな人は決していなくなることがありません。大変ですよね。


〇「弱体化」によってバランスをとるのは、多分「必要悪」だということ

とはいえ、そういうことを考えあわせた上でも、「極端に強いカード」がうっかり世に出てしまうことを止めることはできませんし、そのカードが環境を席捲していたとしたら、やはりなんらか対応はしなくてはいけないと思うわけです。

上でも書いた通り、「カードを弱体化する」というのは、イコール「そのゲームのエッジをそぎ落とす」ということでもあります。ゲームの面白さを減殺することもある諸刃の剣であり、しかもそれでバランスがとれるという保証はなく、ユーザーによってまた別の強カードが発見されてそっちに人が集まって終わり、なんてことになる可能性もあります。リスクは高いのに効果は保証されていない。厳しいですよね。

ただ、実際のところカードごとに「適正な強さ」というものは本来ある筈で、適正な水準を大幅に上回っているカードであれば、やっぱそのままほっとくというわけにもいかないと思うんですよ。

カード間のバランスを調整する際には、単純にそのカードを弱体化するだけではなく、「そのカードに対するメタカードを出す」「他のカードも強くすることで一強状態をなくす」といったものも考えられますが、当然ながらそれぞれにメリット・デメリットがあります。結局そのメタカードが必須になってしまったら意味がないとか、エッジが効きすぎて余計バランスが世紀末になるとか、そういう場合ですよね。

そこから考えると、やはりバランス調整の際の最も安全な札は、「必要最低限のカード弱体化」であるということにならざるを得ないのかなあ、と思うんです。特に、リアルカードゲームと違ってエラッタが出しやすいというのは、OTCGの大きな強みの一つですしね。

リスクは大きいしリターンも不確定だし、非常に大変な仕事だとは思うのですが、ゲームを面白く維持する為の必要悪として、開発運営の皆さんには慎重にカードのナーフというものを検討していただきたいと思う次第なのです。勿論、そもそもナーフを必要とするような状況にならなければそれが一番いいんですけどね。


〇そういえばドラクエライバルズでカード能力の調整が入るらしいですね



どのカードが調整されるのかなーー。


ということで、今日書きたいことはそれくらいです。







posted by しんざき at 13:13 | Comment(3) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする