2018年10月19日

古いコンテンツを楽しむ為の資質というものがある

なんか最近、「古い漫画を今読んで楽しいと思えるかどうか」みたいな話が一部で盛り上がってました。

あるコンテンツを楽しめるかどうか、あるコンテンツを摂取して面白いと思えるかどうかというのは、完全無欠に「人それぞれ」であって、いいも悪いもありません。「面白い」「面白くない」は誰にも否定されてはならない、大げさに言えば聖域です。ドラゴンボールが面白くなかろうが、ブラックジャックが面白くなかろうが、それ自体は批判されるべきではありません。これは前提です。

何故か世の中には、「自分が好きなコンテンツを「面白くない」と言われると、自分が喧嘩を売られたと感じる人」が結構いまして、それは困ったもんだなあと思います。

まあ勿論、「あるコンテンツを楽しんでいる人たちの集まりに入ってきて、わざわざ「これ面白くねーよ!!」と水をぶっかけにいく」みたいなテロ行為も世の中にはありまして、こういうのについてどう反応するかはケースバイケースだと思うんですが。あれ何でしょうね、わざわざそのゲームの愛好者のスレ探し出して、そのゲーム全然面白くなかったって話し始める人。ちょっとテロリズム精神が強すぎると思うんですが。

ただ、いい悪いの話ではなく「向き・不向き」くらいのレベルの話で言えば、「こういう人は古い漫画を面白く読める頻度が高いかも」という、言ってみれば「古い漫画楽しみスキル」みたいなものは存在するかも知れないなあ、と思います。

例えば「絵柄に対する許容範囲が広い人」とか。「歴史的な背景を勘案することが出来る人」とか。古い漫画の絵柄が、現在の絵柄トレンドと合致しないことは当然ですし、「なんかこのストーリー見たことあるな」じゃなくて「ここがルーツだったんだ!」と思える人の方が古いコンテンツを楽しめるのも当然です。

「この時代にこれやっちゃうのかよ!!」みたいなところに感動出来ると凄く楽しいですよね。AKIRAとかマジすごい。あれ80年代とか信じられない。

とはいえ、私は漫画好きではありますが、漫画読みというよりはレトロゲーマーだと自認しておりますので、この記事では「レトロゲームを楽しめるかどうかの資質」に関してちょっと考えてみようと思います。

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先に定義なんですが、ここでいう「レトロゲーム」というのは、仮に「1980年代〜1990年代初頭くらいまでのコンシューマー・アーケードゲーム」とさせて頂ければと思います。まあレトロゲームにも色々ある訳で、基本的にざっくりした話です。

「昔の名作、と言われるゲームを遊んでみたけど面白くなかった」という感想に接することは割と頻繁にあります。特に最近は、古いゲームがリバイバル移植されたり、switchオンラインで昔のファミコンタイトルが移植されたりして、接触機会自体もそこそこ多いのでしょう。

勿論タイトルやジャンルによって色々なんですが、敢えてその辺を四捨五入して、例えばamazonストア辺りを巡回して「面白くなかった」という感想の要素を抽出すると。

意外に「面白くない理由」というものはバラエティ豊富ではなく、大体以下のようなものを観測する頻度が非常に高いです。

・ゲームを進めるに当たって説明不足、何をすればいいか分からない
・難易度が高すぎる、不親切、クリアできるように作られていない
・グラフィック、ないし音質がしょぼい
・展開・ゲーム速度が遅くてイライラする
・ストーリー性が薄い、ないしストーリー性がない

この辺の話はむべなるかなというか。勿論グラフィックとか音とか、そもそもハードウェア性能に依存する要素についてはどうしようもないんですが。

一つ確実に言えることは、少なくとも1980年代くらいまでのゲームって、「クリア」や「エンディング」に対するスタンスが今と根本的に違うんですよ。

つまり、そもそも「クリア」というのはおまけ要素、ループゲームが殆どだった時代に表れた「一区切り、という機能」だったのであって、「プレイヤーをクリアまで導く」「クリアまでがワンセット」という思想が多分なかった。どっちかというと「クリア出来た人は凄い!」という感じ、タイトルによっては「クリア出来るもんならしてみろ!」というニュアンスすらあって、例えばクリアした画面を撮ってメーカーに送ると記念品が、みたいなキャンペーンまで頻繁に存在したんです。ヴォルガードIIとかフラッピーとか。懐かしいですよね。

要は、「クリア出来るように作られていない」ということがマイナス評価になっちゃう人にはちょっと苦しいかな、ってゲーム、多いと思うんですよ。ただしロマンシアだけは許さない、絶対にだ。

それに伴って、「説明不足」という要素も確かにあるかも知れません。説明書を読むことは勿論前提として、その上でも「ゲーム内でのチュートリアル」なんて殆ど存在しなかった。「そうびしないといみがないぜ」というのはアレ、結構親切な台詞なんですよ。私、アレ系でいうと「ジャングルウォーズ」の「こらこらパンツをはきなさい」っていう台詞が白眉だと思ってるんですが。

また、昔のゲーム、特にアクションゲームは「コンテンツ」というより「遊び」を下敷きに作られているということもあり、「操作感を楽しむゲーム」というものが多かったことも、一つ言える要素だと思います。マッピーとかパックランドとか、トランポリンで跳ねたり、ジャンプ台でジャンプしてるだけで面白かった。そういう、言ってみれば「手触り」みたいなものは、楽しめる人と楽しめない人で多分はっきりと二極化します。

ゲーム速度については正直「タイトル次第」です。速いゲームは速いし遅いゲームは遅いです。基本、RPGについては「移動速度」がネックになることが多いんですかね?アクションゲームやSTGではあんまりこの不満出ない気がします。

ただ、例えばスーパーモンキー大冒険とか、闘将ラーメンマンを遊んだ人が「このゲーム遅すぎるんやけど」というなら私自身全力で首肯します。ぶんぶん頷きます。

あと、昔は「スキップ機能」というものがあまり一般的でなかった、ということは言えるかも知れないですよね。デモシーン丸々すっ飛ばす、みたいのはまあありましたが、メッセージの早送り機能なんてほぼ見なかったですよね?あれいつ頃からでしょう、サウンドノベルとか、サウンドノベル派生のエロゲーとかですかね?

ストーリーというものについても、容量の制限があるのは当然として、そもそもストーリーって「おまけ要素」に近かったですからね。ゲーム上ではあまり表現されずに、想像や妄想で補完するタイトルが多かった。それはそれで楽しかったわけですが。

この辺つらつらと考えてみますと、「こういう人はレトロゲームを楽しめることが多いと思います」という要素、言ってみればレトロゲーム楽しみスキルは、大体以下のような内容に収束するのではないかと考えます。

・操作感、手触りを楽しむことが好きかどうか
・手探りでハードルを越えていくことに達成感を感じるかどうか
・自分のプレイを試行回数で最適化していくことが好きかどうか
・妄想力が高いか、ストーリーを脳内補完するのが好きかどうか
・「クリア」「エンディング」に関する比重が低いかどうか

勿論、「タイトル次第」な部分は極めて大きい訳であって、タイトルによってはこんなん一つも当てはまらなくても十分楽しめる、というケースが大アリなんですが。その上で、「上の要素に幾つか当てはまる人は、むしろレトロゲームをやらないと勿体ない」という言い方は出来ると思う訳なんです。


最初の方で書きましたが、近年、レトロゲームに触れる機会というものはむしろ増えているし、プラットフォームも充実してきているわけで。名作かそうでないか関係なく、「昔のゲーム」というものは一つのコンテンツとして十分扱えると思うんです。

今だからこそファミコン。ちょっとでも「向いてるかも」と思った人には、是非レトロゲームを触ってみて欲しいなーと。私も今後とも、全力でお勧めしていこうと考える次第です。

今日書きたいことはそれくらいです。

posted by しんざき at 07:00 | Comment(2) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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