2018年10月29日

あなたが今すぐにswitch onlineで「ソロモンの鍵」を遊び始めるべき理由

皆さん、「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」遊んでますか?


オンラインサービスのついでにファミコンの大名作がswitchで遊び放題とか、端的に言って凄まじいお得度のサービスですよね。

私、「switchにも早いとこバーチャルコンソール導入しろください」とずっと思っていたので、今回割としれっとこんなサービスが導入された際には、正直驚愕して言葉を失ってしまいました。

勿論、ラインナップに様々な意見がつくのは当然であろうというところではあるんですが、ローンチ、および続発のタイトルに関しては、「全く外さないド本命」のゲームタイトルばかりが選ばれているといってまあ間違いないでしょう。

確かに、ゼルダだのスーマリ3だのバルーンファイトだのアイスクライマーだのダウンタウン熱血物語だのグラディウスだのといったタイトル群を見ていると、戦力的にはまさに「呂布と関羽と張遼と孫策が徒党を組んで大軍勢で攻めてきました」といレベルの圧倒的バリュー。今後もどんどんタイトルが追加されていくのは規定路線な訳で、現状利用しないのが勿体ないレベルに既に達しているのではないかと思うわけですが。

もし今の時点で、「この中からどれか一つ、絶対に遊ばないといけないゲームタイトルを挙げよ」と言われれば、少なくとも私の答えは決まっています。

それは「ソロモンの鍵」だ、と。


ソロモンの鍵。1986年7月30日、テクモよりファミコン版が発売。アーケードとファミコン版がほぼ同時にリリースされたタイトルでもあり、この年の2月に「テーカン」から「テクモ」に社名を変えたばかりのテクモが、「マイティボンジャック」に続いて送り出した一作です。

以前も一度書いたことがあるのですが、私はこのゲームを、「バブルボブル」と並んで「究極の固定画面型アクションゲーム」として考えています。また、「アクションパズル、というジャンルの一つの到達点」でもある、と思っています。

まずは、固定画面型アクションゲームについて考えてみたいと思います。


〇固定画面型アクション今昔

固定画面型アクションゲームというのは、今の言葉で解説すると「画面がスクロールしないアクションゲーム」です。といっても、勿論「スクロール」という機能の方が後から出てきたわけであって、「PONG!」でビデオゲームが黎明を迎えてからしばらくの間、ゲームといえば殆どが固定画面型でした。

多くのジャンルがそうであるのと同様、固定画面型アクションゲームも、様々なジャンル的枝分かれを経験しながら発展していきました。

例えば、「ヘッドオン」に始まり、「パックマン」で爆発的ヒットを記録して、ジャンルとして確立されたドットイートゲームの流れ。

PONG!を始祖に持ち、「ブレイクアウト」を始めとした数々の子孫を擁する、ブロックくずしゲームの流れ。

「ドンキーコング」をルーツ(SpacePanicという先達がいるとはいえ)として、「マリオブラザーズ」や「フェアリーランドストーリー」などを始めとする数々のスタンダードを送り出した、ジャンプアクションゲームの流れ。

そんな中、アクションゲームに「パズル要素」というものを重要なツールとして導入し始めた流れがあった、ということは言っていいと思うんです。

私が考える限り、「アクションパズル」の一つの萌芽は、1979年に出現した「平安京エイリアン」に見ることが出来ると思っています。四方八方から侵攻してくるエイリアン、それに対して穴を掘って迎え撃つ検非違使。どこにいくつの穴を掘るか。敵のルートをどう想定するか。あれは、間違いなく一つの「パズル要素」の導入でした。ロードランナーの直接的なルーツの一つ、と言ってもいいと思います。

一方、より純粋なパズルゲームに近い形のタイトルとしては、1982年の「倉庫番」の存在も挙げておきたいところです。静的な画面で、ブロックを動かして所定の場所に納める。これはアクションゲームというよりははっきりとパズルゲームですが、後々の作品に与えた影響については指摘するまでもないところです。ちなみに、セガの名作「ペンゴ」が発売されたのも1982年です。

そして、おそらくはっきりと「アクションパズル」というジャンルが確立されたのが、恐らく1983年。「ロードランナー」と「FLAPPY」の二大名作が姿を現したタイミングのことだったのではないか、と考えるわけです。

アクションパズルには、「アクション要素とパズル要素のバランス」というものがあります。アクションゲームとしての側面とパズルゲームとしての側面、どちらが強いか。例えば倉庫番ははっきりと「パズル寄り」のゲームですし、平安京エイリアンははっきりと「アクション寄り」のゲームです。

ロードランナーとFLAPPYの二作は、いずれも「アクションとパズル要素のバランス」が物凄く優れていました。敵との戦い、敵と追いかけっこして、時には地形やブロックを利用して倒して、というのはどう見てもアクションゲームです。一方、パズル要素、うーーんと悩んでステージをクリアしなくてはいけない側面もちゃんとあって、しかもそれがとんでもなく良質なのです。ゲーム史上、ここまで完璧な「バランス」をとったアクションパズルは、それまで存在しなかったと言っても言い過ぎではないでしょう。


ところで、ここまで出てきたタイトルの一つの共通点として、いずれも「ブロックや地形を削る・ないし動かす」というものをゲームの中核に据えている、ということが言えると思います。

ロードランナーは、地形を掘って穴を開け、それを突破口としてパズルを解いていきます。FLAPPYは、ブロックを動かして、時には潰して、パズルを解いていきます。これについては、ペンゴも、バベルの塔も、エッガーランドも、数々のアクションパズルに共通する要素です。

それに対して、「ソロモンの鍵」はどうだったか。

ソロモンの鍵は、ただアクションパズルとして完成度が超絶高いだけでなく、一つの革新的な要素をもっていました。

ソロモンの鍵は、恐らくアクションパズルゲーム史上初の、「創る」ないし「作る」パズルゲームだったのです。


〇何故なら、そこに換石の術があったから。

ソロモンの鍵は、固定画面型アクションゲームです。プレイヤーは、主人公の「ダーナ」を操って、ベルを取ると現れる妖精を助けながら、鍵をとって出口を目指します。

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これがダーナ君です。で、ステージがこんな感じです。

solomon_no_kagi_(j)0001.png

これだけ見ると、ソロモンの鍵は一般的な固定画面型アクションゲームと異なることがありません。ですが、ソロモンの鍵には、「換石の術」という、唯一無二、アクションパズルとしての最強の武器があります。

ダーナは、「ブロックを消す・削る」だけではなく、「ブロックを新たに作る」ことが出来るのです。

ダーナは、Aボタンを押すと杖を振ります。目の前に消せるブロックがあれば消します。何もなければ新しくブロックを作ります。使い放題です。

作ったブロックは、勿論足場に出来ます。

敵を閉じ込める、あるいは敵がこちらに来るのを防ぐことにも使えます。

地形を変更して敵のルートを誘導する手段にも、誘導した敵を落っことして倒す為の攻撃手段にも、当然ステージを突破していく為の移動手段にも、隠れているアイテムを探す為の宝探し用途にすら使えるのです。

物凄い可用性。たった一つのシステムが、ここまで縦横無尽、ゲームの全面に渡ってあらゆる機能を担った例は、固定型アクションゲーム全体を見渡しても稀有といっていいでしょう。言ってみれば、「普通の固定画面型アクションゲーム」が、換石の術というシステムたった一つで、「アクションパズルにおける金字塔」に化けたのです。

これまでのアクションパズルは、基本的には「動かす」「消す」ことしか出来なかった。

けれど、ソロモンの鍵は、「換石の術」というシステム一つで、そこに「作る」というとてつもない広さを持ったフィールドを追加してのけた。そこにあった「遊び」の広さはまさに天井知らずで、ただパズルゲームを解いていくだけでなく、何ならステージを全く違う形に変えることも、ブロック一つで簡単にすることだって出来るわけです。

アクションパズルにおけるソロモンの鍵の存在感の物凄さをご理解いただけるでしょうか。

「一つのギミックがゲーム全体を形作る」という点では、例えばバブルボブルのバブルや、あるいはR-TYPEのフォースにも通じるところがあります。まずは、アクションパズルというジャンルに触れるなら、一度は「ソロモンの鍵」をプレイしておいて決して損はない、とまでは言い切っていいように思います。


〇とはいえゲーム自体は相当難しいです

といっても、ソロモンの鍵は当時でも「高難度ゲーム」として認識されておりまして、全ステージ50面、自力で全て解けた人というのは決して多数派ではありませんでした。単純なパズル的要素もさることながら、中には宝探し要素、ノーヒントでの謎解き要素なんかもありまして、真のエンディングにたどり着くには並々ならぬ試行錯誤が必要でした。

当時、「誰にでもクリアできるように」という思想は全く一般的でなく、むしろ「ゲームをクリア出来る人はすごい」という扱いであったことが前提とはいえ、今の視点からすると相当なムズゲーバランスであることは正直なところでしょう。

ただ、例え全編クリアが出来なくても十分に「ソロモンの鍵」が面白いポイントとして、

・純粋にアクションゲームとして遊びやすい
・ブロックを作ったり消したり色々工夫しているだけで十分面白い
・敵配置が考え抜かれていて、考えれば考える程サクサク進めるようになる
・音楽がめっちゃ癖になる

という点は強調しておいてよいところだと思います。特に音楽。一見単調なようで、何故かスルメのように味が出てくるマジカルBGM。ボーナスステージのBGMの爽やかさは特筆すべきところだと考えます。


まあ何はともあれ、折角オンラインで配信されているわけですし、まだ未プレイの方は騙されたと思って是非起動してみて頂きたいわけです。ダーナくんが操る「換石の術」が、たった一つでどれだけゲームを奥深くしているか。味わって頂ければ幸いなことこの上ありません。ちなみに、同じテクモでいうと、「マイティボンジャック」もかなりの勢いでお勧め出来ます。まあ、最強のお勧めテクモゲーは「キャプテン翼2」なんですけど。


長くなりましたが、今日書きたいことはそれくらいです。













posted by しんざき at 22:38 | Comment(3) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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