2018年12月14日

ゲームサントラ語り・「ダライアス外伝」オリジナルサントラについて

なんといいますか、あの頃ScitronのCDって、もの凄い特別感があったんですよ。


実は先日、都内某所で@twit_shirokumaことシロクマ先生、謎のSTG男子こと@tarako-9pさんとお会いする機会があったんですよ。

その時、サイトロンレーベルのCDについて色々話しまして、勿論あの頃のサイトロンCDを今でも聴いていらっしゃる方、たくさんいるとは思うんですが、こういうのもwebに書き残しておいてもいいんじゃないかなーという話になったんです。

ということで、ちょっとサイトロンレーベルのCD、分けても私にとって最も特別なタイトルである、「ダライアス外伝」のCDについて書かせて頂きたいと思います。

***

皆さん、ゲームBGMって聴く人ですか?昔に比べると、今めっちゃ広まりましたよね、ゲームBGM文化。人気ゲームは大体BGMがCDになったりネット販売されたりしますし、そうでなくてもsteamで音源だけ売られてたりとかする。spotifyみたいにゲームBGMが気軽に楽しめるサービスも今、たくさんあります。

昔話で申し訳ないんですが、90年代くらいまではゲームBGMって今程広範な文化じゃなくって、サントラ出ない、音楽聴きようがない、っていうゲームタイトルも全然珍しくなかったんですよ。結構たくさんのメーカーがゲームBGMに力を入れ始めて、「この曲めっちゃいい」というBGMもたくさん増えて、けどCD化はされてない、とかよくありました。当然のことながら、youtubeもニコ動も存在しない時代です。

特にゲーセンって、基本色んなゲームの音で五月蠅いじゃないですか。BGMなんてゆっくり聴けたもんじゃなかったんですよ、昔。ただ、漏れ聴こえてくるBGMをちらちら聴いてる限りだと、もうものすっごいかっこいい。なんだよこの曲超かっこいいよ!!ゆっくり聴かせろよ!!ってなってたわけです。昔は、ゲーセンに録音機器持ち込んでBGM録音しようとしてた人なんかもいましたよね。BOSS7を録音しにくる人が続出したダライアスの話とか有名ですけど。

私にとって、それは例えばネビュラスレイの1面BGMであり、ニューマンアスレチックスのキャラ選択BGMであり、レイフォースの1面BGMであり、ガンフロンティアの「砂漠の山嵐」であり、ナイトストライカーのURBAN TRAILであり、そして例えばダライアス外伝のイソギンチャクでした。

ゲーセンの騒音をやすやすと突き破って聴こえてくる、まるで冗談のようにかっこいいメロディ。それをいつでも聴くことが出来るサントラ。そんなサントラを出してくれるScitronというレーベルは、おおげさでもなんでもなく、私にとってはずっと変わることなく「神レーベル」だったんです。

ダライアス外伝。1994年、TAITOが発売した横スクロールSTG。今更いちいち言うまでもなく、名作中の名作のお魚狩りSTGであって、私が間違いなく「人生で一番はまったゲーム」と断言出来るタイトルでもあります。私の高校生活は間違いなくダライアス外伝と共にありましたし、ダライアス外伝というゲームがなければ、今、私が見ている風景も恐らく全く違うものだったでしょう。ダラ外というゲームに出会えたのは、私の人生の中でもトップクラスに素晴らしい奇跡だったと思います。

ダラ外については、以前、下記のような記事でも書きました。単に私が全力で「ダラ外おもしれえ!!!」と言っているだけの記事ですが、興味があったら読んでみてください。

今回はゲームの話ではないんです。サントラとBGMの話なんです。

これももう、ご存知の方については今更の話だと思うんですが、ダラ外のBGMって死ぬほどかっこいいんです。もうめっっっちゃかっこいいんです。ただ曲として死ぬほどかっこいいだけじゃなく、ゲーム展開と曲が完璧にリンクしていて、ゲームをしながら耳に入ってくるBGMがこれがもうまた頭おかしいレベルでかっこいいんです。「なんで!!この場面で!!!その音が!!!!鳴らせるの!!!!!!」と何度叫んだことでしょうか。

皆さん、Spotifyやってますか?Spotifyって、カプコンの曲とかSNKの曲とかゲームBGMもめっちゃ色々聴けるんで、ゲームBGM好きでSpotifyやってない人は今すぐ光速で会員登録するべきだと私思うんですけど、ZUNTATAの曲もSpotifyで山ほど聴けます。もうホント凄いですこれ。今ではもう手に入らない音源とかもガンガン聴けたりして、ZUNTATA好き、ゲームBGM好きの天国です。

で、ダラ外のBGMも、Spotifyでほぼほぼ聴けます。正確に言うとVISIONNERSのアレンジバージョンだけ入ってないんですけど。聴いたことない人はちょっと試しに聴いてみてください。

もう、もうですよ、なんていうんでしょう、例えば1面BGMの「VISIONNERS」とか、「STGの1面で!!こんな曲が流れるのかよ!!!!」とか当時思った私の感動を、皆さん理解して頂けるでしょうか。

ダラ外のBGMって、全体的に静かな立ち上がりの曲が多いんですよ。例えば雷電IIとかR-TYPEとかネビュラスレイみたいに、開始直後から「おおっ!!かっこいい!」って感じとはちょっと違うんです。

例えば1面〜2面のBGMであるVISIONNERSにしても、立ち上がりはごく静かです。まるで口笛のような軽いメロディに女性の吐息のような音が重なって、やがて鳴り始まるベース音。少しずつプレイヤーの耳に入ってくる音が増えていき、1分頃からまさかの女性ボーカルのような音が始まる。これ、ゲームの展開も「立ち上がりはゆっくり、徐々に敵の攻撃も激しくなり始め、ボスの辺りで最高潮に達する」ってBGMの展開と完全にリンクしてるんですよね。個人的になんですが、「STGの面展開とBGMの完全なシンクロ」というのを、私が初めて意識したのもTAITO
STG、特に「ガンフロンティア」と「ダライアス外伝」だったと思います。

VISIONNERSは、ダラ外でも唯一「面をまたがる曲」でして、通常ならボスを倒した後にクリアBGMになるのに、それがスキップされてそのままSTAGE2の展開に繋がります。これ、1ボスのゴールデンオーガをどれくらいの時間で倒したかによって変わってくるんですが、順当にいけば2面(BかC)で敵ががーっと展開してくるところと曲が盛り上がるところが重なって、これがまた死ぬほどかっこいいんですよ。

私がVISIONNERSって曲に持っている印象って、「対話」なんです。ゲームと話している。ゲームが語り掛けてきている。ゲームの中に、何か「伝えたいもの」が入っている。それこそ何千回聴いたかわからない(序盤での捨てゲーも含めて)曲ですが、聴く度に何かしら新しい発見がある、どこまでいっても「話題」が尽きない曲でもあるんです。

例えば「投影」。イカやカザミダイやベレムナイトなど、複数のボスで使われている曲でして、実は私、最終面の「SELF」を除くとこの曲が一番好きなんですが。

これもまた、重いんですよ。すごい重い。曲自体に重量感があるといいますか、出だしの「ぼぉぉん…」って感じの音のイメージがそのまま切り替わらずに、曲調が変わった後ですら継続するというか、途中の盛り上がりも含めてこの曲もめっちゃかっこいいんですが。これ、私にとっては「タイタニックランスの曲」でして、一時期復活砲台稼ぎを随分煎じ詰めていたこともあって、一番馴染みのある曲の一角でもあります。

例えば「E・E・G」と「AXON」。これ、多分意図的に、イントロのメロディが同じになってるんですよね。聴き慣れるとイントロで区別出来まして、音数が多い方がAXONなんですが。やっぱり、ゾーンPボス、通称「空シャコ」で流れる「E・E・G」の激しいメロディは、敵の激しい攻撃と相まって耳に残りまくります。まあ、ゆっくり聴いている余裕はないわけですが。

ダラ外全曲をとっても恐らく1,2を争う人気曲であろう、「FAKE」。これがまたかっこいいんですよね。悔しいくらいかっこいい。開始1秒から始まるリズミカルなメロディとパーカス、「繋がり過ぎ」とでも言うような、一部の隙もないテクノミュージック、そして時折裏に流れる女性コーラス。これが流れているという、それだけでエレクトリックファンやピラニアがイケメンボスになってしまう。正直ずるい。ずる過ぎる。


そして、全てを収束させる、ラストステージBGMである「SELF」。

これ本当に、当時ゲーセンで聴くことが出来て度肝を抜かれなかった人がいるのかっていうレベルの物凄い展開だったんですけれど、ラストステージって、当初無音なんですよ。無音。BGM流れない。ただ、激しい敵の攻撃と自機の発射音、そのSEだけが、まるでリズム外れのパーカッションのように流れ続ける。

敵の攻撃を凌いで凌いで、一息つくかどうかというところで、ゆっくりと流れるピアノのような、静かな、あまりにも静かな「SELF」のメロディ。荘厳とすら思える曲のサビで、威容を見せるそれぞれのラストボス。激しい攻撃とは裏腹に、ゆっくりとデクレシェンドしていく「SELF」の展開。

私自身は、ジャングルステージこと「Yゾーン」でのこの展開が脳裏に焼き付いているんですが、背景の美しさもさることながら、「鳥が飛び立った辺りから虹が立ち、そのあとおもむろに出現するオーディアストライデント」という、このシーンを思い出すだけでも未だに鳥肌が立ちます。

もうこの展開が鮮烈過ぎて、この最終ステージのBGMの作り方だけでもSTG史に残ると主張してはばからない訳なんですよ。凄い。ほんとーーに凄い、ダラ外のBGM、そして小倉さん。この、ラストステージでの荘厳さというのは、その後姿を変えてレイストームにも導入されたものだと私は考えています。

とまあ、とにかく幾ら言葉を費やしてもダラ外BGMの魅力というのは全く語り尽せないわけでして、上で書き切れなかった他の曲も含め、サントラ持ってない方は是非Spotifyでがつんと聴いて頂きたいんですが、ここでもう一つ、私は「ダライアス外伝サントラのライナーノーツ」の話をしたいと思うんです。

これは正直に言ってしまいたいんですが、私は当時、ダラ外サントラのライナーノーツを読んだ時、「??????」と思いました。買った人の8割方は同じ感想だと思います。

何故ならそこには、曲のことなど殆ど書いておらず、ただひたすら「ユング心理学に登場する心理学用語と、その解説・解釈」について書き連ねられているのですから。

ダラ外CD.png

これ、ライナーノーツのごく一部なんですが、ノリ的には(ストーリーが記載してある2ページを除き)ほぼ全編こんな感じです。「まずは意識である」という書き出し、一時期凄い有名だったような印象があるんですが、今となっては知らない人も多いでしょう。当時、例えばコンポーザーへのインタビューとか、曲の解説とか、音楽的スタンスとか、そういうことがごく順当に書かれているライナーノーツに慣れ切っていた我々は、唐突に始まったユング心理学論の前に抗する術を知りませんでした。

いや、勿論これ、別にダラ外と無関係の話じゃないんですよ。一番最後のページでちょっとした種明かしがされていまして、「ダライアス外伝」というゲームとユング心理学との間の関連がちゃんと明かされるんですが、「まさかゲームのオリジナルサントラでこうくるとは…」というのは正直な感想でして、これ以降のScitronのZUNTATA CDに関してちょっとした身構えをする原因となっていました。未来完了とか、レイストのサントラなんかも相当エキセントリックなことになってましたよね。いや、これはこれで大好きなんですけど、私。

ライナーノーツばっかりはSpotifyでも再現されないところでして、こういうのを書き残しておくことも必要だろうと思い、ちょっと引用させて頂いた次第です。皆さま、ダラ外CDの凄さの片りんが伝わりましたでしょうか。

まあ何はともあれ、私が言いたいことは

・ダライアス外伝のBGMは全曲超絶かっこいい名曲しか存在しないのでまだ聴いていない人は一刻も早くSpotifyに会員登録してダラ外聴いて下さい後悔はさせません

という一点のみであり、他に言いたいことは特にない、ということを最後に申し添えておきます。よろしくお願いします。

今日書きたいことはそれくらいです。




posted by しんざき at 06:39 | Comment(3) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加