2019年08月11日

アンパンマンで暴力的に?とかいう記事を読んで思ったこと


先に思ったことを全部箇条書きにして書いてみますと、

・「子どもが漫画やアニメやゲームから悪影響を受けることがあるか」と言われれば、それは当然「なんらかの影響を受けることはあり得る」という答えになります
・というか、漫画やアニメやゲームに限らずあらゆるコンテンツは受け手に何らかの影響を及ぼす可能性がありますし、受け手に何の影響も及ぼさないようなコンテンツには存在価値がありません
・しかし、その「受ける影響」というものは程度問題であって、心配するような「悪影響」を受けるかどうかというのはそのコンテンツの描かれ方、及び受け手の感性によります
・かつ、子どもの感性や行動というものは別に受け取ったコンテンツのみから形成されるわけではなく、親の言動や周囲の環境、その他山ほどの影響から総合して形成されます
・というか、「子どもの感性や行動が、コンテンツのみから決定されるようなことがないよう適切な規範を伝える」為に「躾」とか「教育」というものがあります
・上記とは別の問題として、「子どもに悪影響を及ぼす可能性があるコンテンツ」というのは別に漫画やアニメに限らず、テレビだろうがニュースだろうが小説だろうがバラエティ番組だろうが、その他あらゆるコンテンツがそれに該当します
・上記とは更に別の問題として、暴力を想起させるような描写が即子どもを暴力的な行動に走らせるとは限りませんし、本当に暴力的な表現を子どもからシャットダウンしたいなら他にいくらでも優先度の高いものがあると思います
・上記とは更に更に別の問題として、子どもは幾らでも自分が見たいコンテンツを見る方法を編み出すので、親が制御しようとしても大体無駄です
・だから親は子どもの規範作りに真摯に向き合った方がいいですよね

大体こんな感じになります。よろしくお願いします。

ということで、書きたいことは全て先に書き切ってしまいましたので、後はざっくばらんに行きましょう。

webにおいて、「あるコンテンツが子どもに悪影響を及ぼすのではないか論」というのは大体燃えます。それは、この議論自体が、様々な要素をぐちゃっと詰め込んだ話になっているために、一つ一つの話のピントが非常にボケ安く突っ込まれやすいこと、更に、一つ一つの議論に対して別方面からのカウンターを入れやすいことに由来しています。

燃えやすい話というのはコンテンツベンダーにとって貴重ですので、まあPV稼ぎに定期的に投下されるネタでもあるのでしょう。まあ私自身、こんな記事を書いている時点で十分それに釣られてしまっている訳ですが、自分のことを棚に上げておくのは得意なので一旦棚に上げておきます。

切り分けちゃうぞおじさんとしては、上記の「あるコンテンツが子どもに悪影響を及ぼすのではないか論」には、代表的なものだけとっても下記のようなテーマが詰め込まれている場合が多いことを指摘しておきたいと思います。

・漫画やアニメやゲームが子どもに悪影響を及ぼす可能性があるか/ないか
・子どもに悪影響を及ぼす可能性があるコンテンツは漫画やアニメだけなのか
・子どもの感性や行動を決定するのは漫画やアニメによる影響だけなのか
・どの程度の暴力表現が、子どもを暴力的な行動に走らせるのか
・それらのコンテンツを子どもから遠ざけておくべきかどうか

いやー、これら、一つだけとったとしても相当ややこしい議論をしなくてはいけなそうなのに、ぐちゃっとひと塊にして語ろうとしてれば、そりゃまあ蝋燭を浮かべた油風呂に入るようなもんだろうなーとは思うんですよ。

実際のところ、「漫画やアニメが、暴力的な行動を引き起こす可能性」については、否定的な結論も、肯定的な結論も出ています。興味がある人は、メディア効果論あたりから追っかけてみてください。色んな論文が見つかる筈です。


大筋、「コンテンツが全く受け手に影響を及ぼさない」ということは流石に「そりゃねーだろ」という話だと思うんですよね。受け手の心に何らかの爪痕を残してこそのコンテンツなのであって、受け手の心に何も残さないコンテンツって何のためにあるの?とも思います。

無論、その「影響」というのが即「暴力的な行動」に結び付くかどうかというのはものすごく飛躍した話であって、その間には多分20段階くらい考えないといけないことがあります。

勿論実際のところ、暴力的なコンテンツというものは漫画やアニメやゲームに限定されるものでは全くなく、メディア全般関係ある話な訳でして、アンパンマンの心配をするくらいなら芸能人がいじめとしか思えないような行動をするもろもろのバラエティ番組の方を先に心配しろよあっちの方がよっぽど暴力的だろ、とは思わないではないです。これは恐らく色んな人が考えるところではないでしょうか。

とはいえ、これは飽くまで程度問題、全体として見ての可能性の問題ですので、実際の影響度合いは家庭によって、子どもによって変わってくるでしょう。親が、子どもの摂取するコンテンツについて心配をする、というのは分からないでもないです。

ただ、私自身の意見を言えば、

・教育や躾は、子どもが摂取したコンテンツに関わらず、子どもの行動にちゃんとした規範を作ってあげる為にあるものだと思います
・子どものコンテンツ摂取を制限しようとしても大体無駄です

という二点については、割と一般的に言ってしまっていいのではないかなーとは思っています。

まず、「アンパンマンを見て暴力的な行動に走るのでは?」という心配については、「いやアンパンマンに関わらず、暴力的な行動してたら叱らないといけないよね」とは思います。

子どもが暴力的な行動をするトリガーなんてものはそれ程星の数程あるのであって、「暴力的なコンテンツを一切遮断すれば、何があっても人を叩かない心優しい子どもに育つのか?」というのはちょっと眉に唾を付けて考えるべきではないかなーと感じます。隣の子におもちゃをとられてつかみかかってしまうとか、押されて叩き返してしまうとか、そんなんどんな子にだってあるでしょう。それが高じれば、人に暴力的な行動をとってしまうことだって、暴力的な感情を抱いてしまうことだってそりゃ発生するだろうと思います。

それに対して、「いや、それは良くないことなんだよ」とか、「それは暴力ってものなんだよ」とちゃんと教えてあげることこそが「教育」なんじゃないですかね、と。それこそ「人をぶっちゃダメなんだよ」というヤツでして、そんなんコンテンツ以前の話だよねと。

つまり、「コンテンツ摂取によって暴力的な行動をとるように」という話を聞くと、「それは教育の担当範囲じゃないのん?」と思ってしまうことがどうしても避けられないんですよ。いや、これはまあ、メディア効果論絡みでそれこそ色々あるんですけどね。

更にそれに加えて、実際のところ、子どものコンテンツサーチ能力ってのは大体の大人が想像するよりも二段くらいは高いよなあ、とも私は思うのです。隠そうとしても大体無駄じゃね?という。

ヤツら、「面白そう」と感じたものについてはものすごく貪欲ですからね。雑誌の回し読みだろうが、友達の家でのipadだろうが、そんなん幾らでも「親の目の届かないコンテンツ摂取ルート」なんてものはあるわけでして。だからこそ、「自分の目の届かないところで変なものを読んでいてもいいように、ちゃんと規範を作ってあげる」ことこそ、親が一番に考えるべきことなんじゃないかなーと、少なくとも私は思うんですけどね。

大体、あの手の「この漫画は子どもに暴力的な影響を与えるのでは…」とか言ってる人、子どもの頃何読んで育ったのかなーってのは割と不思議なんですけどね。世界名作劇場だけ読んで育ったりしたんでしょうか?いやアレも、作品によっては結構エグい描写が混じってたりしますけど…。

まあ、私自身について言えば、「子どもがよそで変なもん読んだり観てても大丈夫なように、ちゃんと「していいこと・悪いこと」の規範は作ってあげられるよう頑張ろう」と思っていますし、それ以外の感想は特にありません。よろしくお願いします。

言いたいことは大体最初に書いてしまったので、今日書きたいことはそれくらいです。




posted by しんざき at 20:15 | Comment(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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