シューティングゲームでミスをして捨てゲーをした時、「あれ?なんでわざと死ぬの?」と聞かれたことがあります。
私はシューティングゲームが好きで、昔からよくシューティングゲームを遊びます。ファミコン版のゼビウスに始まり、グラディウスやら中華大仙やらイメージファイトやらオーダインやらR-TYPEやらダライアス外伝やらレイストームやらゲーム天国やら19XXやらプロギアの嵐やら、まあ結構色んなSTGを遊んできました。一応「シューター」と名乗ってもそんなに怒られない程度にはSTG好きだと思います。
で、シューターの間には、「ワンコインクリア」とか「ノーミスクリア」というのが、特段やり込みというレベルの話でもない、ごく当然の目標として存在しています。要は、「コンティニューしない」「一度も自機を撃破されない」という条件でクリアすることが、まずはそのゲームを遊ぶ上で目指す最初の一歩、という程度の意識でターゲットになっているんですね。あつ森で言うと「最初の家のローンを返す」くらいの意識に近いと思います。
ところが、シューターでない方から見ると、この「ワンコインクリア」「ノーミスクリア」というものが既に結構「やり込み」というか、一種の求道に見えるみたいなんですね。コンティニューすればクリア出来るのになんでしないの、という言葉は、たびたび非シューターの方から投げかけられる言葉です。多くのシューターが抱えている「コンティニューしない」という強迫観念のような常識が、普通の人には割と異様に見えるようなのです。
この辺の意識の違いについては、以前こんなまとめも造りました。気が向いたら読んでみてください。
これはお互い様と言えばお互い様の話で、例えば私は「RTA」という遊びを「ごく一部の極まった人がやる遊び」だと認識していたんですが、これもどうも視野が狭かったらしくって、割とライトな人でも結構気軽にRTAを遊んでいるらしいんですね。界隈にいないと見えないものがあるなあ、と。
まあ要は、「その世界にいない人にとっては、その世界の常識が全くの常識外れに思える」という、それだけの話なんですが。
で、ですね。最近私、ウマ娘というゲームを遊んでいます。ウマ娘は競走馬を擬人化した育成シミュレーション形式のソシャゲでして、大変面白いわけなんですが、実を言うと私、ソシャゲをまともに遊ぶのこれが初めてだったりします。令和三年にもなってソシャゲ初体験。
いや、今までもソシャゲを遊ぶ機会自体はあったんですけど、なんかあんまり身が入らなかったりいまいちnot for meだったりしまして、殆ど続かなかったんですよ。ウマ娘については2週間くらい毎日遊んでいまして、既に10キャラくらいはURA決勝クリアしているんで、そこそこハマっていると言っていいと思います。
で。全くのソシャゲ素人が初めてソシャゲを遊んだわけで、ソシャゲについての知見など私には何もないんですが、「このスピード感ものすげえな……」と圧倒された点が何点かありまして。これがどうも、今まで遊んできたゲームとはちょっとレイヤーが違うような気がして、いってみれば「非シューターがシューターを見た時」の気分を自分で味わっているような気がしているんです。
「完全未知との遭遇」という機会は人生において割と貴重でして、自分自身がその世界にどっぷりハマるともう味わえなくなるものでもあります。その為、ちょっと今感じていることを書き残しておきたい、と思った次第なんです。
当然、「単に素人が新しい世界に入ってびっくりしているだけ」なので、ソシャゲに慣れた人にとって有益な情報は何もないと思います。ご承知の上でお読みください。
〇「リセマラ」という求道
まずこれびっくりしたんですけど、「最初のガチャを何度もやり直す」というだけならまだ話は分かるんですが、「後から有用なキャラが判明したので、その時点のデータを消してリセマラをやり直す」「更に有用なキャラが変わったので、更にもう一度リセマラをやり直す」って割と普通のことなんですかね…?
頑張ってSSRたづなを引いてた人が、そこそこ進めていたっぽいのに、後からSSRスーパークリークやファインモーションを狙って再度リセマラ、というのを結構目撃したんですよ。
私、リセマラっていう時点で既にかなり求道だと思ったんですけど、これ自体はまあWizardryの昔からボーナスポイントリセットってやられてたことなんで全然分かるんです。ただ、ちょっとでも進めたらもう、そのゲームデータ全部消すっていう判断は怖くてできないなあと…このリセマラがどれくらい手軽に出来るかもゲームによって違っていて、既にインフラとして「リセマラ」のしやすさが組み込まれているというのが、ソシャゲの世界発達し過ぎている…!と戦慄したわけなんです。
〇フレンド数の制限と、それによって生じる「キャラ整備の必要性」
これはウマ娘特有の話なのか、それともソシャゲ一般のことなのか分からないんですが、ウマ娘って結構「フレンドに出来る人数」が限られていて、しかもその拡張にもリソースが必要なんですよ。で、育成の上ではフレンドから借りるサポートや継承が重要になるみたいで、「この人こんなに強いサポート持ってるんだ…」とか、「折角フォローしてもらってるんだから、いいサポート提供しなきゃ…」みたいな意識が、ごく自然に醸成されるようなインフラになってるんですね。
これ、今まで私が遊んできたゲームではあまり記憶にない感覚でして、「なんの手間もなく他人を助けられる」からこそ、「自分の環境をより整えたくなる」ことへの強烈な誘引力として動作しているなあ、と。このインフラめちゃよく出来てるな、と感心したんです。私でも「レベルも上がってないようなサポートを提示しておくの申し訳ない…」って思いますもん。
さらに、
〇ガンガンSNSで自分の状況を共有するからこそ、「リソースをつぎ込んでいる人」が可視化されて環境が加速される
という要素もものすげえなあと。
もちろん、速解きってどんなゲームでもあるものですし、スタートダッシュ勢がものすごい勢いで攻略しているところはよく見てきましたけれど、なんというかウマ娘って、「それが普通」と感じさせる力がものすごいんですよ。なんでしょうこれ、外の世界では「凄いやり込み」に該当しそうなことを、「皆やってること」のように認識させる力、って言えばいいんですかね?
まだサービスインしてひと月も経っていないのに、もう新しいキャラクターのガチャが投入されて、しかもそれをゲットして鍛えている人の情報とかガンガン回ってくる。因子ガチャとか継承についての情報が出回って、しかもそれをやっている人の話がどんどん回ってくるので、なんか普通にやるべきことのように思える。確かに、チームレースとか始めると、「全然勝てないなー、これ因子厳選とかもうちょっとやらないとダメなのかな」って感じちゃうんですよね。可愛いウマ娘が残念がる姿、あんまり見たくないじゃないですか、やっぱ。
情報共有、自慢したくなる要素の設計がすごーくよく出来ているから、情報が凄い勢いで出回る。で、それを見た人が「これは普通のことだ」と考えて、更に周囲も巻き込んで攻略を加速させていく。いや、普通のことだと考えるというか、実際にウマ娘を遊ぶ人の中ではそれが普通なのかも知れないですよね。ただ、ド素人から見ると「なんだこのスピード感は…!?」って感じるんですよ、やっぱり。なんか、「目につく人全員やり込み勢」みたいな感覚なんです。
「他の世界では「一部のやり込み勢の行為」に見えていたことが、この世界では「普通の行為」にしか見えない」。これは恐らく、ソシャゲの一つの共通要素、目指すべきインフラ設計なのかも知れないなあ、と考えた次第なのです。
〇それはそうとウマ娘楽しい
新しい世界に入る時は、自分が異端者であることを忘れずに、敬意をもって接するべきだと考えています。なので、繰り返しになりますが、上記は単に「私がびっくりしているだけ」の話でして、良いも悪いもありません。こう見えた、というだけの話です。
ただ、すぐにこのスピード感についていくのはちょっとしんどいな、とも正直感じてはいまして、そういう意味では無理にこのスピード感に合わせず、のんびり自分で試行錯誤しながら進めたいなあ、とは考えている次第です。フォローしてくださっている方々には大変申し訳ないんですが、まだ当面はレベル30のウオッカかレベル35のサイレンススズカくらいしか出せなそうです…。
色々サポートを試しつつストーリー見てくの楽しい。
取り敢えず、現時点では「ナイスネイチャのストーリー余りにもエモ過ぎるな…」と、「ゴルシのストーリーでのトレーナー軽く悟り開いてるな…」などといった点について感じ入っているところですので、またその辺についても書いていきたいと思います。よろしくお願いします。
今日書きたいことはそれくらいです。