2023年10月20日

しんざきが最近読んでいるお勧め連載漫画三選

最近、面白い漫画がめっちゃ増えてますよね。

連載形式についても、「webと本誌の並行連載で、最新話については大体webで読める」というスタイルがほぼ確立されたように思いまして、正直今漫画読まないのもったいなさ過ぎなんじゃねえかと思う程なので、ちょっと最近しんざきがお気に入りの作品について軽く紹介させていただければと思います。



ここ最近だと一番好きな将棋漫画です。「300年間将棋を指し続けている吸血鬼」である月山元(つきやまはじめ)が、とある事情で竜王戦にチャレンジすることになった、という筋書き。
この作品、何が凄いって、特に「展開の緩急」「シリアスとギャグのバランシング」みたいなものが素晴らしいと思っていまして、非常に真面目な展開の中に突如、物凄い存在感でギャグがぶっこまれてくるんですよ。
例えば記事作成時点の最新話の40話、こちら「将棋界一の巨漢に似合わぬ豆腐メンタル」という非常にいい味出してる滝川八段と元の対戦なんですが、非常に緊迫感がある対戦の中で

「早指しでプレッシャーをかける作戦か……!?」「でもそういうの滝川には」
「ものすごく効いてしまう!!」

があまりにも面白すぎる。滝川さん、登場時点では「アマチュアを見下す頑迷なプロ」かと思わせておいて、実は物凄いビビリ屋で元の見た目だけでビビリ散らかしてしまうとか、もうキャラの作り方と見せ方自体が大変にうまいとしか言いようがないと考えるわけです。この後の「あっカレーたべます カレー好きです!」も大変良い。

作品の設定自体の話でも、元が「300年も指し続けているので棋力は凄い」「しかし、(自分に比べれば)僅かな時間で高みにたどり着くプロ棋士を尊敬している」「吸血鬼なので日中の行動にも問題がある」という、「強いけどアマチュア、かつ案外ミーハー」という元のキャラクターにとても説得力がある。元が「強いけどミーハー」なキャラであるからこそ、対戦相手のプロの描写も輝くし、決して相手に対するリスペクトを忘れないという好感にも結び付いていると思うのですよね。

ポンコツ吸血鬼ハンターのアンナさんとか、自称元の親友の隆ノ介お兄ちゃんとか、棋士以外のサブキャラ群もいい味を出しまくっています。将棋があまり分からない、という人にもほぼ問題なくお勧め出来る一作です。



こちらも最近お気に入りの一作。「真面目な青年教師である主人公の猫門(ねこかど)が、ある事情でメイドカフェ(正確にはコンセプトカフェ)を訪れ、そこで鶴子という少女と出会う」「鶴子は実は猫門の学校の生徒で、猫門は鶴子に弱みを握られたと勘違いしてしまう」という筋立て。

基本的には「すれ違い」というわりと古典的なテーマのラブコメなのですが、「優しくて真面目だけど非コミュ」という鶴子の描写が非常に丁寧で自然と好感が持て、すれ違い自体の味わいがとても良質。しかも最近は鶴子の先輩である「おとちゃん」がこれまたいい味を出してくれていまして、「一見鶴子をいびる悪役ポジションかと思いきや、実は良い先輩」という王道に突っ込んできてくれて大変可愛いと思う次第です。

とにかく「王道を外さない」という点で、期待した読み味が期待通りになぞられる、これまたお勧めの一作。



こちらは既にご存知の方も多いであろう有名作ではあるのですが、「最近面白さがハイパーブーストされてきたから離れてた人は読んでください!!」と強く考える次第です。

77話までのいわば「前編」では、「ビジネス論も絡む良質な魔法少女お仕事漫画」だったのですが、そこからの急展開で桜木カナが新たに魔法少女会社を興すことになり、カナの主人公展開が大加速。

しかも直近で出てきた「怪しい個人投資家」の蔵入さんが、最新話で「当初シビアで詰め詰めのキャラかと思いきや、突如尋常ではない面倒見の良さを発揮」という、新キャラとは思えない勢いでの作品への馴染みっぷりを見せつけておりまして、これはもう読まないともったいないとしか言いようがありません。「眼帯キザ……」ってさり気に傷ついてそうな様子とか、全員の礼服を選んであげてるところとか、当初からいい味出してたんですが「一見悪役だけど実は仕事が出来てフォローも出来る人」感で読者を釘付けにしています。好き過ぎる。

正直蔵入さんの登場でマジルミエが原稿連載作のトップ争いにのし上がってきたんじゃないか感すらありますので、追ってない方はぜひお読み
いただければと考える次第なのです。


全然関係ないけど、昔ジャンプルーキーに「DAMAISM」っていうけん玉フリーバトルの漫画が一話だけ載って、すげー面白いし漫画力高いと思ったんだけどその一話以降7年程音沙汰がないので、今でも続きを待ち続けていることを表明して結句としたいと思います。よろしくお願いします。

今日書きたいことはそれくらいです。
posted by しんざき at 17:52 | Comment(1) | TrackBack(0) | 書籍・漫画関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月19日

メジロラモーヌのシナリオがウマ娘らしいひたむきな熱さとおもしれー女感を両立した素晴らしい出来だった(ネタバレあり

日頃の行いがあまりにもいいのでメジロラモーヌさんを引きました(60連でファル子とシャカールと正月ウララすり抜け)

ラモーヌ2.png

で、取り急ぎはラモーヌシナリオが見てみたかったのでクラマで育成してみたところ、ストーリーが非常に熱く、ウマ娘らしくひたむきで、けどラモーヌの色は出まくっていて、しかも「おもしれー女」感もちゃんと出ているという、割と奇跡的なバランスじゃないかと思ったのでちょっとネタバレありで紹介します。引く予定のある方はご注意ください。

まずラモーヌのキャラクターについてなんですが、

・おおむね今までのサポカイベントなどで出てきた通り、「レース以外のことにあまり興味がなく、トレーナーにもそっけない態度をとるクールなお嬢様(ただし人妻感満載)」
・ただ、育成シナリオを読んでいると、「言い回しがちょっとわかりにくいだけで、実は非常に純粋だし言ってること自体はシンプル」という側面もよくわかる

という感じに仕上がっておりまして、史実のラモーヌの挙動も踏まえた出来になっていると思います。

とにかくラモーヌ、「レースに対する愛」があらゆる行動の指針になっていて、トレーナーに対してもそれを求めるし、そこから外れることについてはあまり興味を示さない。そういう点ではプレイヤーが置いてけぼり感を味わう部分も当初はあるんですが、会話している内に、「あ、この子実は思考スタイルすげーシンプルだ」ということが分かってきまして、徐々に愛着が湧いてくるパターンになっております。

特にシナリオ上非常に重要な役割を負うのが、史実でもラモーヌの三年前、二年前にそれぞれクラシック三冠を制覇しているミスターシービーとシンボリルドルフ。今回のシナリオ上、途中でルドルフがレースからの引退を表明するんですが、この時のラモーヌが「一見分かりにくいけど実は拗ねているだけ」というのがとてもよくわかる挙動をしておりまして、しかもシナリオ中トレーナーがそこに言及する展開もあり、大変可愛いと思うわけです。

しかし、その上で非常にウマ娘らしく熱い展開なのが、ラモーヌが演出したルドルフのレース復帰、そしてシービー・ルドルフ・ラモーヌの三冠ウマ娘たちによるジャパンカップでの直接対決。しかもそれを見ているのがデアリングタクト……!!

ラモーヌ9.png

そう、2020年の第40回ジャパンカップ、そこで発生した歴史上はじめての「三頭の三冠馬の対決」。「世紀の対決」と称されたあのジャパンカップで、相対した三頭は牝馬三冠アーモンドアイ、同じく牝馬三冠のデアリングタクト、そして無敗のクラシック三冠コントレイル。

その第40回ジャパンカップが、もしもルドルフ・シービー・ラモーヌによって実現していたら……!という凄まじいifシナリオ、それをデアリングタクトが見ているという構図ですよ。遥か未来の予兆とでもいうべきifシナリオが、リバティアイランドが三冠達成した直後に描かれるという、ちょっともうこれあまりにも熱すぎませんか?

自分がどこまでもひたむきにレースを愛するが故に、トレーナーや対戦相手にも愛を求める。そういうラモーヌのスタンスがこの上なく素直に描かれた、これまた素晴らしいシナリオだと思うわけなんですよ。

ただ、それはそれとして、ラモーヌさんは非常におもしれー女でもあります。というか、キャラクターやシナリオには全くギャグやおふざけ要素はないんですが、ものすごーーく唐突に強烈なビジュアルを叩きこんでくる。

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この、なんか立ったままうどんっぽいものを啜っているラモーヌさんとか、

ラモーヌ4.png

なんか謎にサングラスしてるラモーヌさんとか、本当に全然ふざけた場面ではないんですが、だからこそ「なんで????」となるくらい面白いわけです。なんですかこの人面白すぎませんか。この人絶対ゴルシとも違和感なく意思疎通できる。

ということで、全体としてまとめると「ラモーヌさんのシナリオが熱さと面白さを兼ね備えた非常にいい感じのシナリオだった」という話になるわけです。

性能としても相当強力なキャラであることは疑いなく、マイルでも中距離でもいける性能なので、ジュエルがたまっている方は是非突っ込んでみてはいかがでしょうか、と。そんな風に考える次第です。

今日書きたいことはそれくらいです。





posted by しんざき at 23:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | レトロでもないゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月11日

kindle for pcが使いにくい高校校歌

kindle for pcが使いにくい
kindle for pcが使いにくい

並び替えが「最近の読書 購入」「タイトル」「著者」でしか出来ない

kindle.png

更に、上下に矢印があって、一見するといかにも逆順・昇順でソートが出来そうなUIなのに、実は逆順ソートは出来ず昇順ソートしか出来ない
あいうえお順で後ろの方で、かつ最近読んでなかったタイトルの本を探す時、ひたすら無心になって下にスクロールし続けなくてはいけない
(らんまとか読む時マジで不便しかない)
(ワッハマンは著者でソートすればまだまし)
四桁冊電子書籍持ってる人間がまともに使えるUIではない
しかしある程度以上の大画面で電子書籍を読みたいタイミングは山ほどある

フィルター機能は「ステータス(ダウンロード済かどうか)」と「定期購読商品かどうか」でしかフィルタリングできないので一切何の役にも立たない
検索は当然著者かタイトルの部分一致のみなのでジャンルで検索などという気の利いたことは出来ない
当然スペルを一文字でも間違えたら検索に引っかからない

せめてアンドロイドのアプリみたいに同一シリーズの本をグループ表示できるようにしてくれ(それだけでだいぶマシになる)

ああkindle for pcが使いにくい高校
posted by しんざき at 09:24 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月06日

ナツノカナタのクリア後感想、及びゲームの誤解を招きそうな部分について

先日、Steamで「ナツノカナタ」をプレイしました。プレイ時間は6時間くらい、まだ100%遊びきってはいないんですが、一旦エンディングを見たので感想を書いてみます。途中まではネタバレありません。


一言で言うと、「ゾンビパンデミックの世界で放浪している少女と通話しながら世界の謎を紐解いていくゲーム」でして、PVの雰囲気とキャラクターのビジュアルがお好きだったら遊ぶ価値は十二分あると思うんですが、若干誤解を招きやすいゲームでもあるかも知れません。

・探索要素・謎解き要素は正直あんまりない
→シナリオパート・探索準備パート・探索パートの、大きく三つのパートからゲームが構成されている
→探索パートは、行先や見つけたオブジェクトについて、どこに行くか、何を調べるか、テキストでナツノに指示することで進む
→この行先・オブジェクト、基本的には「決められた範囲内でランダム決定」という形式で選択・表示されており、「どこに行くべきか?」「どこが怪しいか?」といったことを推理するような要素はない
→ではプレイヤーがするべきことは何かというと、ナツノや仲間キャラの負傷具合とお腹具合の管理
→探索中にはちょこちょこゾンビが出現して、ナツノたちは勝手に武器を使ってそれに反撃するのだが、その弾薬についてはプレイヤーが管理する必要がある
→また、諸々の事情で「一度に複数個所を回れれば回れる程スムーズにゲームが進む」という仕組みがあるのだが、ナツノたちには空腹の問題もあるので、食事や料理についても事前に準備して物資を管理しないといけない

・シビアな生き残り要素やサバイバル要素があるわけでもない
→ゾンビに襲われるといった要素はあるとはいえ、ちゃんと武器を持ってればテキスト一、二行で自動撃退
→ボス的な相手もいることはいるものの、どうせ戦闘自体は自動消化なのでそこまで盛り上がったりはせず、十分弾薬を用意しておけばサクっと終わる
→食料や武器は探索をしている間に勝手にナツノが見つけてくる
→ナツノや周辺キャラの服装や雰囲気はわりとゆるふわ
→拠点にもどれば空腹や負傷については自動回復で、「詰まる」という状態は基本的にない
→クラフト要素についても、最終的には武器と食料の要素に殆どが帰結するので、それ程バリエーションが多いわけではない

こんな具合です。平たく言うと「雰囲気ゲー」という言葉に該当する内容なのだと思います。

ときには二人でパーティを組んで探索をする場面もあって、左右に分かれたキャラクターに並行で指示を出したりも出来る、というのは結構新しいプレイ感である一方、いわゆる思考要素や謎解き要素を求める人にとっては、「遊びどころがどこなのかよくわからない」と感じてしまう可能性もあります。

ナツノカナタ.png

ただ、これは「そもそもそこを楽しむゲームではない」ということであって、別に「このゲームに遊びどころがない」という意味ではありません。むしろ「ゾンビパンデミック」とか「探索」「サバイバル」という要素の方がおまけで、「末世的な「夏休み」の世界の中、ナツノを始めとした様々なキャラクターとのエピソードを楽しみながら、世界の在り方について緩く掘り下げていく」方がこのゲームのメインディッシュなのだ、と表現するのが妥当でしょう。

BGMとキャラクターのビジュアル、ゲーム全体の雰囲気については非常に私好みでして、特にアカネさんがかわいいと思います。

ナツノカナタ2.png



以下はネタバレが含まれるクリア後の感想になります。未プレイの方には推奨しません。クリア後気になった人だけお読みください。
一応折りたたみます。





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posted by しんざき at 18:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | レトロでもないゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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