最近、面白い漫画がめっちゃ増えてますよね。
連載形式についても、「webと本誌の並行連載で、最新話については大体webで読める」というスタイルがほぼ確立されたように思いまして、正直今漫画読まないのもったいなさ過ぎなんじゃねえかと思う程なので、ちょっと最近しんざきがお気に入りの作品について軽く紹介させていただければと思います。
ここ最近だと一番好きな将棋漫画です。「300年間将棋を指し続けている吸血鬼」である月山元(つきやまはじめ)が、とある事情で竜王戦にチャレンジすることになった、という筋書き。
この作品、何が凄いって、特に「展開の緩急」「シリアスとギャグのバランシング」みたいなものが素晴らしいと思っていまして、非常に真面目な展開の中に突如、物凄い存在感でギャグがぶっこまれてくるんですよ。
例えば記事作成時点の最新話の40話、こちら「将棋界一の巨漢に似合わぬ豆腐メンタル」という非常にいい味出してる滝川八段と元の対戦なんですが、非常に緊迫感がある対戦の中で
「早指しでプレッシャーをかける作戦か……!?」「でもそういうの滝川には」
「ものすごく効いてしまう!!」
があまりにも面白すぎる。滝川さん、登場時点では「アマチュアを見下す頑迷なプロ」かと思わせておいて、実は物凄いビビリ屋で元の見た目だけでビビリ散らかしてしまうとか、もうキャラの作り方と見せ方自体が大変にうまいとしか言いようがないと考えるわけです。この後の「あっカレーたべます カレー好きです!」も大変良い。
作品の設定自体の話でも、元が「300年も指し続けているので棋力は凄い」「しかし、(自分に比べれば)僅かな時間で高みにたどり着くプロ棋士を尊敬している」「吸血鬼なので日中の行動にも問題がある」という、「強いけどアマチュア、かつ案外ミーハー」という元のキャラクターにとても説得力がある。元が「強いけどミーハー」なキャラであるからこそ、対戦相手のプロの描写も輝くし、決して相手に対するリスペクトを忘れないという好感にも結び付いていると思うのですよね。
ポンコツ吸血鬼ハンターのアンナさんとか、自称元の親友の隆ノ介お兄ちゃんとか、棋士以外のサブキャラ群もいい味を出しまくっています。将棋があまり分からない、という人にもほぼ問題なくお勧め出来る一作です。
こちらも最近お気に入りの一作。「真面目な青年教師である主人公の猫門(ねこかど)が、ある事情でメイドカフェ(正確にはコンセプトカフェ)を訪れ、そこで鶴子という少女と出会う」「鶴子は実は猫門の学校の生徒で、猫門は鶴子に弱みを握られたと勘違いしてしまう」という筋立て。
基本的には「すれ違い」というわりと古典的なテーマのラブコメなのですが、「優しくて真面目だけど非コミュ」という鶴子の描写が非常に丁寧で自然と好感が持て、すれ違い自体の味わいがとても良質。しかも最近は鶴子の先輩である「おとちゃん」がこれまたいい味を出してくれていまして、「一見鶴子をいびる悪役ポジションかと思いきや、実は良い先輩」という王道に突っ込んできてくれて大変可愛いと思う次第です。
とにかく「王道を外さない」という点で、期待した読み味が期待通りになぞられる、これまたお勧めの一作。
こちらは既にご存知の方も多いであろう有名作ではあるのですが、「最近面白さがハイパーブーストされてきたから離れてた人は読んでください!!」と強く考える次第です。
77話までのいわば「前編」では、「ビジネス論も絡む良質な魔法少女お仕事漫画」だったのですが、そこからの急展開で桜木カナが新たに魔法少女会社を興すことになり、カナの主人公展開が大加速。
しかも直近で出てきた「怪しい個人投資家」の蔵入さんが、最新話で「当初シビアで詰め詰めのキャラかと思いきや、突如尋常ではない面倒見の良さを発揮」という、新キャラとは思えない勢いでの作品への馴染みっぷりを見せつけておりまして、これはもう読まないともったいないとしか言いようがありません。「眼帯キザ……」ってさり気に傷ついてそうな様子とか、全員の礼服を選んであげてるところとか、当初からいい味出してたんですが「一見悪役だけど実は仕事が出来てフォローも出来る人」感で読者を釘付けにしています。好き過ぎる。
正直蔵入さんの登場でマジルミエが原稿連載作のトップ争いにのし上がってきたんじゃないか感すらありますので、追ってない方はぜひお読み
いただければと考える次第なのです。
全然関係ないけど、昔ジャンプルーキーに「DAMAISM」っていうけん玉フリーバトルの漫画が一話だけ載って、すげー面白いし漫画力高いと思ったんだけどその一話以降7年程音沙汰がないので、今でも続きを待ち続けていることを表明して結句としたいと思います。よろしくお願いします。
今日書きたいことはそれくらいです。