2008年07月04日

正しい「敵」の作り方。

なんつーか。ここしばらく仕事をしていて、うちの会社には「敵を作らない」とか「味方を作る」ことに長けている人はそれなりに多いけど、「敵の作り方」が下手な人はそれ以上に多いなあ、と思った。


以下、主にお仕事のお話。


下っ端ではなくなってしまった影響で、会議に出る機会が最近は妙に多い。うちの部署の人々は皆寡黙な技術者肌で、多少なりとくっちゃべる体質なのは私だけだ。必然、社内・社外問わず、お外の人々と折衝する機会は増えた。角付き合わせる機会も、当然増えた。

で。会議なんかでは毎回思うんだけど、うちの会社には「上手に対立する」ということが苦手な人がなんだか多いなあ、と思ったのだ。

味方を作ることは勿論大事だけれど、毎度毎度利益を共有出来る人達だけで会議をする訳じゃあない。立場的にどうしても対立せざるを得ない場合、というのは何度だって起きる筈だ。

対立する相手を「敵」と呼ぶとしたら、「敵」が出来ることは悪いことばっかりではない。実は案外メリットも多いし、上手い具合に「敵」を作ることが出来れば色々と有益な場合もあるのである。


ということで、その辺、最近思った「敵を作る時のコツ」的なことをちょっとメモってみる。


・周囲に対立軸を明示すること。

メールでも会議でもおんなじだと思う。周りの人々に、「どのポイントで」二者が対立しているのかをきちんと理解させる。自分の立場をはっきりさせるのは当然だが、重要なのは場合によっては相手の立場も確認してあげなくてはいけない、ということだ。


部署と部署が対立することは割とあるし、それが元になって会議がこじれることも結構ある。ただ、こじれにこじれて会議が長引きまくりー、ということの原因の4割くらいは、当事者同士が言葉を濁して対立軸がはっきりしないことにある。 この原因は、多くの場合、「断言」することによって敵を作ることを恐れている為、だ。

当人同士がわかっていてもダメなのだ。会議は常にプレイヤーとジャッジの二者に分かれる。ジャッジの立場にある周囲の人々に、勝敗ラインがどこにあるのかを明示しなくては、試合はグダグダになるばかりである。

ということは、例えば相手が「口を濁す人」だった場合、「相手の立場を代弁してあげる」必要が出てくる場合もある、ということになる。

これは次の項目にも影響する。


・その対立軸に周囲を巻き込むこと。

勿論場合にもよるけど。

「対立軸」が明確になった場合、次にするべきは「その対立軸に周囲も参加してもらうこと」である。

絶対評価と相対評価を比べると、アットー的に後者の方が分かりやすい。何かのテーマが単独で存在しているよりも、「○か×か」という対比構造のテーマがあった方が話は早いのである。(参照:何故Webで揉め事が盛り上がるかというと)

例えば企画会議において、なにかいいアイディアが出たとしても、周囲がその「良さ」を理解出来なければ話は進まない。しかし、誰かがそのアイディアに関する「悪さ」を指摘してくれれば、状況は絶対評価から相対評価に変わる。悪い部分が分かれば良い部分も分かる。そこから周囲に「各々の評価」を迫るのである。

周囲にポイントを明示して、思考や議論に加わってもらうだけでも無駄ではない。とはいえ、勿論、自分の意見に賛同してもらえればもっと良い。つまり、敵(対立者)を作ると同時に味方も作る。意見のレイヤーが鮮明になれば話はサクサク進むし、その後有益な人間関係を形成することも出来る。

「敵」が増えたとしても、各々の意見が表明されることは無駄にはならない。結局のところ、思考の種というのはあればあっただけ役に立つのである。周囲の人に考えてもらう種として「対立」を作ることは、色んな場面で重要だと、少なくとも私は思う。


・言うべきことは全部言うこと。

当たり前のことだとは思うんだけど。

上にも出てきたけれど、何か結論を出さなくてはいけない場面で口を濁されるのは大変困る。こちらの痛いところなんだか相手の痛いところなんだか知らないが、「空気悪くなるから」なんて理由で論点を曖昧にするのは愚の骨頂だ。その程度のことで悪くなる空気なんぞ真っ黒になっちまえ、と思う訳である。

そういう訳なので、感情的にならない範囲での批判はガリガリとするべきだし、揚げ足取りにはならない範囲での弱点はざくざく突くべきだと思う。話は速い方がいいし、会議は短い方がいい。論点が早めに出揃った方が時間の節約にもなる。

と、私は思っているのだが、会議で私に対する論難を控える人々は一体何に遠慮しているのだろう。もっといじめてくれてもいいですよ!いいですよ!全然へこみませんよマジで!別にマゾじゃないけど!

・譲れるラインは早めに明示すること。

お金が絡まない場合には、という注意つき。ケースバイケースだけど、少なくとも身内の「敵」相手なら、ゴールラインはさっさと出してしまった方がいい場合が多いと思う。

私の場合、構図が「システム担当対利用部門」という形になることが多い。最終的に、決められた納期までに決められたデザインのシステムを開発することに文句はないのだ。ただ、困るのは仕様を曖昧にされること、仕様をころころ変えられること、妥当な理由なく無茶な納期を設定されること、なのである。まあ、どんなSIでもそーだろうけど。

だから「困る点」をさっさと潰す。相手が作って欲しい要件はきちんと汲み取るし、最終的に「作る」ことにも全然文句はない。その上で、相手が曖昧にしてると思った部分はざくざくと突く。誤魔化している部分は容赦なく掘り返す。これで大分話が早くなっている、気がする。

まあ、利用部門に嫌われているかどうかは知らないが、役員連中に文句を言われてないからいいんだろう。多分。喧嘩になったらまあそれはそれでいいや、という気分でもある。



とまあ、普通の会社では当たり前のことばっかりなのかも知れないが、少なくとも私の会社ではあんまり当たり前のことになっていないので何となく書いておく。他にも色々ある気がするので、また何か思いついたら追加するかも。


posted by しんざき at 20:17 | Comment(2) | TrackBack(1) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
勉強になります! 先輩(`_´)ゞ

すいません。通りがかりですが参考になりました。少し失礼かもしれませんがお礼のつもりです。
Posted by 後輩 at 2012年11月24日 23:12
敵を作る 味方を作る で プログ検索中です
島国 日本で この先の日本を 考えると
資源とか 大変だなぁと思います。
この国の中で 争い事の時間は 醜いですね。
よきライバル関係 助けたい人 助けたくない人
はるか遠くにいるライバル 正しく がんばったら また 会えるかナァ
人生研究会(名前検討中
Posted by 村石太マン at 2013年03月20日 11:17
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