2004年11月19日

レトロゲーム万里を往く その3 〜迷宮組曲〜

私は今怒っている。ゲキドしているのだ。英語で言えばangryと言っても間違いではない。何故世間の人間はタイトル画面から先に進まないのだ。そんなに雷が嫌いか。ミロン君がハンマーで壁を叩き割っている姿など見たくないというのか。それとも高橋名人に洗脳され切っているのか。

と、いうのも他ではない。とあるゲームのレビューサイト、複数のレビュアーがゲームに対する感想を書き連ねる某サイトで、迷宮組曲の項目を見かけたのだ。しかし、そこに並ぶ感想は、何故かタイトル画面の連射測定の話にばかり言及している。あまつさえ、「連射測定のことしか覚えていない」などとのたまわっている輩までおるではないか。ええい、そこに直れ。たたっ斬ってくれる。

迷宮組曲は、1986年11月、ハドソンより発売されたアクションゲームであり、個人的には数あるハドソンゲームの中でも一、ニを争う名作ではないかと考えている。
主人公の「ミロン」が、しゃぼん玉を唯一無二の武器として、王女を助ける為楽器を集めながらガーランド城の中を突き進む。
詳しいゲームの内容に関しては、私がくだくだと説明するよりも、先人のページを紹介する方が早い。リンクフリーのお言葉に甘えてしまおう。

All about 迷宮組曲
http://www.zephyr.dti.ne.jp/~tindalos/millon/

このページが白眉であろう。前回「ソロモンの鍵」で紹介した両サイト様といい、何故レトロゲームの攻略ページというのは総じて凄まじい密度なのか。感嘆するばかりである。

で、私が考える迷宮組曲が名作である所以。それは、レスポンスの良さに由来する中毒性と、わかり易い「成長」方法である。

レスポンスというのは、要は操作感覚の快適さである。これは特にアクションゲームにおいては命といってもいい重要な要素であるのだが、迷宮組曲のレスポンスは実にすばらしい。ミロンがジャンプする感覚、ブロックをバブルで壊す感覚、敵を倒す感覚、アイテムを取る感覚、どれをとってもやっていて気持ちがいい。練りこまれたステージ構成とすばらしい音楽も手伝って、プレイヤーは遊んでいる間に迷宮組曲の世界に引き込まれていくという構図だ。

そしてミロンは、アイテムを取るごとに出来ることが増えていく。例えばジャンプシューズをとればスプリングで高くジャンプすることが出来る様になるし、薬をとれば一定の場所で小さくなることが出来る。ノコギリをとれば一部の個所で扉が叩き切れる様になると言う具合なのだが、この「出来ることが増えていく」という成長過程の作りこみも素晴らしかった。以前いけなかったところにいける、以前出来なかったことが出来る、というカタルシスの演出が実に上手い。

この様に、様々な魅力をもっている迷宮組曲なのだが、発売された当時はあまり売れ行きがよろしくなかった。それどころか、知名度すらそれ程でもなかった。
これはひとえにハドソン・およびその他ゲーム雑誌のパブリッシング、そして当時の時代背景に問題があるのだが、これに関してはまたネタが幾つもあり、あまりに項が長くなってしまいそうなので、次項に譲りたいと考えている。

ということで、今回は「続く」ということで一つお願いしたい。

posted by しんざき at 01:09 | Comment(4) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
出ましたね、名作「迷宮組曲」

楽器を集めて、BGMを変えるというのアイデアは画期的でした。

しかし、当時一日のゲームプレイ時間に制限があったので、クリアするのが大変で。
がっつりプレイしたのは、入手後数年経過してからだったような。
Posted by いす at 2004年11月19日 14:14
いつもコメントありがとうございます。
この頃のゲームには、ホント名作アクションが多かったですね。

一日一時間というのも因縁深き高橋名人ですか。うぬう。
Posted by しんざき at 2004年11月20日 00:38
そうですねー、けどこれ1時間でクリアはかなり困難な気がします^^;

井戸からの脱出方法とエクスカリバーを取って虹バブルになったときの印象、ボーナスステージの音楽が特に印象に残ってます
Posted by なぽ at 2004年12月02日 21:11
>なぽさん
普通の人には一時間はムリでしょうが、ネットでタイムアタック動画ってのが出回ってまして、確かそれだと10分切ってましたよ。必須アイテムは6個くらいしかないことを利用するそうです。
世の中には化けモンが多いです。
ボーナスステージの音楽は名曲ですね。
Posted by しんざき at 2004年12月02日 23:29
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