ちょっと前の記事だけど、メモ的に。
エロゲーから「ゲーム性」が消えていった理由
エロゲーからゲーム性が消えていったという話は、アドベンチャーゲームからゲーム性が消えていった歴史とほぼリンクしていると思う。
昔のアドベンチャーゲームは、様々な方法でゲーム性を水増ししていた。凄く大雑把に図式化すると、大体以下の様な感じになる。
・文字列探しがゲームの中心だった時代(デゼニランド、PC版サラトマ等)
↓
・コマンド選択による総当りがゲームの中心だった時代(FC時代前半〜中盤までの殆どのAVG)
↓
・見下ろし型フィールド、3Dダンジョン、ミニゲームなど、その他の様々なジャンルからゲーム性をつまみ食いしていた時代(FC時代中盤以降、ジーザスやさんまの名探偵や神宮寺やプロ野球殺人事件等々)
↓
・サウンドノベルの出現(ゲーム性がほぼ消失)
で、理由もおそらく、リンク先でおっしゃっている理由とある程度被る。
・かつてのゲームはシナリオ上のテキスト量が十分でなかった為、ゲーム性でプレイ時間を稼ぐ必要があった。
・「テキストだけを楽しむ」という遊びが定着していなかった、売れると思われなかった、そもそもゲームとして成立すると思われなかった。
この辺が大きいんじゃないだろうか。弟切草なんかも、発売当時は結構イロモノ扱いじゃなかったかな。
他、「テキスト単体で勝負出来るだけのテキストを書けるスタッフがいなかった」とか、「ACTやRPGなど、他ゲームのノウハウを持ったスタッフが多かった」とか、「商品性・開発規模の話やなにやかやで、そもそも企画が通らなかった」という様な、製作側の理由も多分あったのではないかと思う。勝手な想像だけど。
その一方、エロゲーに関していえば、「ゲーム性のご褒美としてのエロCG」という構造は、私はゲームとしては極めて優れたモデルだったと考えている。特に脱衣麻雀というジャンルについては、後の格ゲーの対戦台に匹敵する、神がかり的な収益モデルだったと思う。初めにやった人は天才じゃないだろうか。
で。今のAVGの現状については、「ゲーム性を入れることのデメリット」以上に、「サウンドノベル・ビジュアルノベル」という形式のノウハウが完全に確立された」ということが大きいんでしょうね。多分。テキスト作成の工数はともかくとして、ゲームを作るだけならスクリプト直書きでいける世界らしいし。
取り敢えず、アドベンチャーゲームについてはまた折を見て万里ででも。
参照:レトロゲーム万里を往く その52 「ジーザス」とAVGの履歴書
2008年12月26日

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