カルチャキスは1960年、アルゼンチンから留学生として渡仏していたエクトル・ミランダによって結成されたグループである。カルチャキスとはアルゼンチン、サルタ市に程近い山脈の名前で、ケチュア語では「山の父」という意味になるらしい。20世紀中頃というのは南米全体が荒れに荒れた時期であるのだが、アルゼンチンもその例にもれず、1943年、1955年とクーデターが勃発している。その辺りの事情はこちらのページに詳しい。その影響で、ミランダも事実上の亡命中の身であったらしい。フランスで結成されたカルチャキスは、故郷となる南米を主題にした音楽を演奏しながら、主にヨーロッパで活躍することになった。
で、今回のCDの話。私はカルチャキスファンを自認してはいるのだが、その楽曲を追い切れているかというと到底無理である。特にLPに関しては、入手するのも難しければ聴くのも大変難しい。ともあれ、私が聴いた数少ないカルチャキスの中では、このCDは最も気に入っている一枚である。
「CHANTENT L'AME'RIQUE LATINE」
http://www.alapage.com/mx/?tp=F&type=3&DIQ_NUMERO=33443&donnee_appel=GOOGL
フランス語の文字が出ねえ。先に断っておくが、カルチャキスに限らず、フォルクローレグループが他のグループの曲をカバーすることは珍しくない。カルチャキスのオリジナルでない曲も紹介してしまうかも知れないが、私が好きなバージョンということで、ご承知・ご指摘頂けると幸いである。
前置きが長くなった。そのものずばり「南米の歌」というタイトルを持ったこのCDであるが、はっきり言って全曲いい。声を大にして言ってしまおう。カルチャキスの魅力というのは、抑えた曲調とその独特の「間」だと個人的に思っているのだが、渋い歌声と透明な響きを持つケーナを武器に、そういった魅力が存分にあふれている一枚である。
管理人お気に入りの曲を何曲か挙げるとすれば、
・Rostro de Cobre・・・サンポーニャのドブレとケーナ二本の共演。序盤から中盤に至るまでの間の取り方が染みる。
・Tierra Aymara ・・・静溢としたケーナのメロディから始まり、リズムの変動を経て荘厳な歌に至る。カルチャキスの真骨頂。
・Salida al Mar ・・・管理人の周囲では、カルチャキスの中で最も有名だった曲。哀しげな歌もさることながら、出だしのモセーニョが全てを語っていると感じるのは私だけか。
紹介したページで、各曲の試聴をすることが可能である。RealOnePlayerをインストールしている人は一聴をお勧めする。いずれ劣らぬ名曲揃いである。ただ、RealPlayerというのはPCに様々な余計なプロセスを仕込むので、その点に関しては注意が必要だ。
ちなみにカルチャキスのページはこちら。個人的には、未輸入のCDを早いこと入れて欲しいと望むところ切である。
【フォルクローレ・ケーナ・演奏関連の最新記事】
モセーニョはケナーチョを下回る低音のケーナの代用として我々の間で使ってるだけじゃないの?
オリジナル聞いたこと無いんだけど,彼らもモヒモヒ言わせてるの?
音的にはオク下ケナーチョの様な気もしたが、会社の休憩時間に音源がある訳もなく、何となく普段のイメージで書きました。あまり考えてません。
その内直すかも知れんが取り敢えず気にしないでおいてもらえると。
家にあるカルチャキスMDの”静寂の後に”って曲も好きです。
まあ,個人的好みとしてはオク下ケーナよりもモセーニョで吹いてもらえるほうが趣があって好きです.
我々の1学年下のタルカ会長の彼女がモヒモヒいわせながら拭いている姿がまぶたの裏から離れません.(笑&涙)
夫婦向きかどうかは知らないが、カルチャキスのケーナはもりは非常にきれいなのですよ。
楽器構成表とか作ったら役に立つかなあ。面倒だけど。
>すずきさん
いや、別に誤解はしてないし指摘やコメントは大歓迎ですのよ。
彼女はいい感じにモヒってましたね。今もか。