2004年12月02日

中国経済に関してまとまらない雑評。

意外に限界が近いのかも。

中国が最近、色んなことに焦っている理由っていうのは案外この辺りにあるのかも知れん。
中国の発展が著しいとかメディアはかなり煽っているけど、果たしてどうなのか。

> 重慶市では役人の特権に反発する住民一万人以上が地方政府庁舎を取り囲んだほか、
>安徽省では年金に不満を持つ数千人が幹線道路を封鎖。
>広東省では橋の通行料徴収をめぐって数万人が暴動

こういう歪みがバシバシ表面化している状況で、国家としての経済が本当にこのまま発展していくのかどうか、正直言ってかなり疑問だ。

中国経済の目下最大の懸念と言われているのは経済過熱によるバブルの発生である。現在の中国経済にバブルが起こっているかという議題は、ネットを探してもあちこちで分析されている。
バブルとは、経済的に言うと「投機的要因による投資が投資を呼び、投機対象の値段が連鎖的に上がること」を意味する。
それが発生するのは、思いっきり単純に要約すれば、金融資産が不動産に集中する場合である。もう少し細かく言えば、住宅実需の増加と金融緩和(つまりは市場に金が潤沢にある状態)、それと土地を対象にした財テク志向が重なった場合に土地型バブルが発生する。

まあバブルが起きているにしても中国のごくごく一部での話なのだが、現在はほぼ「バブル近似値」という状態と言っていいのではないかと思える。

ただ、中国経済の最大の弱点はどちらかというと「報道」である気がする。

中国事件の報道のあり様に関しては、「極東ブログ」様が興味深い感想を残してくれている。

>文章を追っているととんでもない事件のようにも思えるが、率直にいって、それほど実感はない。
>この手の中国報道のありかたによるような気もする。
>代わりにウクライナ状勢は緊迫感を持って日本でも伝えられている。

ちょっと言葉を濁されている様だが、これどうなのだろう。報道の方向性が明らかに偏っているって話に思えたが。
この間の潜水艦事件の報道に関して、こんな話もある。

うねり
>でもこの人の「われわれは日本側の努力に期待しています」ってなんですか?日本の内政に干渉したり、
>会談を断ったのはあんたたちじゃん。あなたたちがもっとがんばりなさい。


全く同感であるが、今回引用させて頂いたのは報道に関してだった。引用がそれた。
いまさら言うまでもないが、中国のあまねく国内向けの報道は軒並み政府の意思を受ける。なにせ社会体制が違うのだから当然といえば当然だが、経済は報道の影響をもろに受けるだけに、市場の様々な情勢が一度政府の方向付けを受けてから周囲に流布しているというこの状況は、深く考えなくても物凄く危険だ。

最初にバブルの話が出てきたが、中国政府はバブル対策をちゃんととっている。去年の6月の不動産融資規制策や、国土資源省の土地開発許可監視強化などなど、流石に日本の経済動向を注視していただけあって無策ではない。効果が出ているのかどうか知らんが。

一方、中国政府は財政支出をがしがしと喧伝している。報道もそれに拍車をかけ、好景気、無問題のアピールに必死だ。この辺見てもそれがわかる。前述の通り、中国報道の99%は政府の方向付けが入るから、当然これも外部への経済的アピールであると考えることが出来る。

つまり、「経済対策としてバブルを抑制しているのに、その反対側で報道が逆にそれを煽る」という物凄い自家撞着状況が成立している、と見ることも出来る訳だ。一方、地方では次から次へと暴動だ。

国内の膿を出そうにも出し様がないこんな報道態勢を続けてる限りゆがみの是正なんぞされ様もなく、まあ結局のところ中国経済がどの辺で政治的に行き詰まるか注視しているところなのだが、それにしても一部メディアの頭悪い中国賛美はどうにかならんのか。
posted by しんざき at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(1) | 無謀的世評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

上海の不動産 バブルの危険?
Excerpt:  タイトルからどうぞ   海外热钱狂扫上海楼市 高档楼盘面临“崩盘”?  (海外からの資金が上海の不動産に 高級物件..
Weblog: うねり
Tracked: 2004-12-03 02:12