2009年04月22日

レトロゲーム万里を往く その86 キャラゲーのダメ率は本当に高いのか。

ちょっと気になるコメントを見かけたので。

れとろげーむまに様:ファミコンキャラゲーを振り返って
るいんずめもりぃ様
キャラゲーって基本的にクソゲーが多いっていうのが私の認識だったりするのですが。
まあスパロボやりまくってる私が言うことでもないですけど。
出来のいいキャラゲーができる確率が低いような気がしますよ。

ち、違うんだっ。別にキャラゲー自体がダメな訳じゃない、キャラゲーを囲むもろもろの事情が故に、結果的に「あまり出来の良くないキャラゲー」ばかりが印象に残ってしまった歴史があるだけなんだっ。

キャラゲーとは何かというと、要するに「オリジナルではない既存のキャラ」が出てくるゲームである。大抵の場合漫画やアニメや小説などの原作があり、原作のストーリーをなぞったり全く関係ないことをしていたりする。ドラゴンボールやキャプテン翼などもキャラゲーの一種だし、芸能人が出てくるゲームもキャラゲーといえるかも知れない。

で、「キャラゲーのダメ率が高い」というのはよく言われることではあるのだが。事実なのかというと、必ずしもそうでもない気がする(統計的な話をする気はないが)。「キャプテン翼」や「カプセル戦記」「さんまの名探偵」などの例を挙げるまでもなく、キャラゲーというジャンルには名作・佳作も数多く存在するし、ドラゴンズレアやスーパーモンキーなどの例を挙げるまでもなく、キャラゲー以外のジャンルにもちょっとアレなゲームは数多く存在する。

ただし、「キャラゲー以外のジャンルに存在するちょっとアレなゲーム」はそもそも知られていないのだ。遊ぶ側の記憶領域に残っていないのだ。本当にアレなゲーム(ゲームの出来だけの話ではない)は人口に膾炙する程売れていない。ファジカルファイターとか、遊んだことある人どれだけいますか?


キャラゲー以外のダメゲーがキャラゲー程は印象に残らないが故に、「キャラゲーにおけるダメゲー」が取りざたされてしまう。それが錯覚を呼ぶ。つまり、「ダメなキャラゲーが、ダメな一般ゲー以上に遊ぶ側の印象・記憶に残りやすい」という事情がある


○遊ぶ側の印象に残りやすい事情
・原作ファンである場合が多い為、遊ぶ側が原作のイメージとの差異に敏感
・また、原作とのイメージの差異が色々な側面でネタにされやすい
・タイアップが前提とされている為、広告宣伝が広範になりやすい
・その為、普段それ程ゲームを遊ばないユーザーにもある程度売れ・あるいは認知され、ゲームの出来が知られやすい


多分この辺が大きいんじゃないかと。つまり、「それなりに広く知られる」「しかも割と売れる」「印象が強烈」の三連殺が、キャラゲーの記憶を定着させているのではないかと思う訳である。コンボイが、神龍の謎が、たけしの挑戦状が未だにネタにされる、一つの理由はこれだ。実際のところ、「本当に出来がアレなゲーム」ってそんなに数はないと思うんだけど。

「割と売れる」ということについては、「キャラゲーであることのドーピング効果」とでも言うべき要素がかなりあると思う。忍者ハットリ君が150万本、ゲゲゲの鬼太郎が125万本という数字を示せば、その効果の程が分かろうというものだ。


一方。上記とは矛盾する部分があるが、「ダメなキャラゲーは徹底的にダメになる」事情というのも、もしかしたらあるのかも知れない。こちらは主に開発する側に存在する問題だ。

○ダメな時徹底的にダメになる事情
・原作ものの場合「旬を逃さない」ことが重要になる場合が多い為、開発期間がシビアになりがちである(気がする)。
・原作とのギャップを整合させる為、ゲーム性・ゲームバランスなどに無理がくる場合がある。
・一方、原作のネームバリューによってある程度「売れてしまう」為、会社が危機感を持ってリソースを振り向けない場合がある(気がする)。
・上記事情の関係から、「ダメゲーになっちゃったけど版権とか時期とか諸々の事情から引くに引けなくなって発売されちゃった」キャラゲー、というのが割とありそうな気がする。


私の知識は基本的にファミコン・SFC時代に偏っている為、最近のキャラゲーのことは良く知らんが、まあ多分そんなに事情は変わらんだろう。ファミコン時代、特に某B社から発売されていたタイトル群が、巨大な売り上げに比して若干出来があれれーという感じだった理由が、多分上の様な話だ。

3つ目は単なる邪推だが、1つ目と組み合わせて考えてみると、「粗製」のキャラゲーの中にはこういう思考で薄いリソースしか振り向けられなかったタイトルがありそうに思う。

ちなみに、2つ目の「ゲームバランス・設定」に関してはキャラゲーそれぞれでアプローチが違う。結果的に、「原作とのギャップを整合」させる手間を殆ど放棄したスーパーロボット対戦が隆盛しているという事実には、ある意味感慨深いものがある。

手前味噌ながら参照リンク。
レトロゲーム万里を往く その5 〜キャプテン翼〜
レトロゲーム万里を往く その22 〜芸能界ゲームよ永遠に〜
レトロゲーム万里を往く その38 〜ファミコンジャンプ 英雄列伝〜


まあ、結論として。

・「キャラゲーにはダメゲー含有率が高い」というテーゼは、必ずしも事実とはいえない気がする。
・本当にダメな一般ゲームはそもそも知られていない場合が多い。
・キャラゲーって売り上げドーピング効果が凄いですよねー。
・原作とのシナジー効果で印象残り過ぎ。結果的に「記憶に残るダメゲー」は結構あるけど、名作キャラゲーもたくさんあるよ!あるよ!
・ところで「バンダイ」の名前が今はもうない、という事実に時代を感じまくるんですが。



取り敢えずそんな感じで。
posted by しんざき at 18:29 | Comment(4) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
>「キャプテン翼」や「カプセル戦記」「さんまの名探偵」などの例を挙げるまでもなく、
(聞き入れられないことを承知で)異議あり!
「キャプテン翼」はダメゲーに分類するべきものであると思います。
(愛すべき「ダメゲー」ではありますが)
Posted by NOBIE at 2009年04月23日 00:01
ファジカルファイターってアレなゲームなんですかね…
ファジー機能はアレでしたが、RPGっぽい世界観とか、買い物とか好きでした
Posted by くどう at 2009年04月23日 07:01
>NOBIEさん
>「キャプテン翼」はダメゲーに分類するべきものであると思います。

むう、そうですか?開き直った漫画的表現をスポーツゲームに導入したという点で、ヘタをするとテクモでもトップクラスの革命的良作だと私は評価しているんですが。

>くどうさん
アレな点はゲームのメインテーマであるファジー部分だけだったとは思います。
Posted by しんざき at 2009年04月26日 21:35
多分、キャプテン翼は「翼くんだから、サッカーゲームだよね」と期待するとチョンボさせられる、という意味でのダメゲーだと思う。
GB版が好きでした。
Posted by かまやん at 2009年04月28日 15:16
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