2009年07月10日

余りに典型的な「がんばり過ぎて潰れちゃった人」を眼前で見た。

隣の部署だけど。


どうすれば良かったんだろうなあ。というか、私にはどうにか出来たんだろうか。


元気の良い挨拶をする人だった。歓迎会の飲み会の席ではあちこちに酒を注いで回っていた。年は、正直よく知らないが、多分私と同じかちょい下くらいか。20代だと思う。

隣の部署の部長さんに、「役員から振られた仕事、期間に対して決してNOといわない」「それをそのまんま部下にブン投げする」という傾向があるのは前から分かっていた。余計なことだろうなあと思いつつ、割と面と向かってその辺を指摘したこともあったが、返ってくるのは苦笑だけだった。自覚がない訳がないし、その人にはその人の事情があるのかも知れない。だからいいって話でもないが。

ある程度その辺の事情を把握している隣の部署の部下の人々は、適度に「無理です」を返して自分の裁量内で仕事をバランシングしていた。残業時間が社内トップな部署であることに変わりはなかったが、それでもなんだかんだで、大体の人は無難に仕事を回していた筈だ。無理な仕事を無理というのも重要な仕事の内なのだ。本来なら上司の仕事だと思うけど。


ただ、多分、彼にはその辺が分かっていなかったのだ。


中途で入社して、「即戦力」という言葉を多分真に受け過ぎて、入社直後から抱えきれない仕事を抱えて、やがてイージーミスを連発する様になった彼は、どんどん口数を減らし始め、机の前から離れることがなくなり、ある日突然会社に来なくなった。電話にも出なくなった。正直なところ、最悪の事態になっていないか心配だったが、そのまま2、3日経った。

三日程して、部署の部長さんは彼の直属の上司に様子を見に行かせたが、生存確認は出来たがドアを開けてもらえなかった。ただ、ドア越しにぽつり、ぽつりと言葉は返していたらしい。翌週、人事の人が出向いて退職願いを受け取ってきた。

今は通院しているということで、最悪の事態にならなかったことは不幸中の幸いだったと思うが、それでも一人の人が寂しいことになってしまったことには変わりない。


勿論、他に色々と道はある筈だったのだ。会社だって部長さんだって、別に意図的に無理な負荷をかけている訳ではない。基本的にはゆるい人が多い職場だ。一言周りに相談すれば色んな人が助けてくれただろうと思うのだが、多分彼にはそれが出来なかったんだろうと思う。

何度か話をしたことはある。仕事、大変じゃないですか、と聞いたことも、一応ある。いやー大丈夫っすよーと、あんまり大丈夫そうじゃない顔色で彼は答えた。たくさんの重りを抱えこんで、だんだん海面下に没していく人の顔色だったのかも知れない。

私には実感出来ない。無理な仕事を無理ということに、私は抵抗を持たない。無茶な期限に対してふざけんなということに、私は抵抗を持たない。ただ、それに抵抗をもつ人が世の中に結構いるのだろうということも、頭では分かっている。


私は自問する。私には何か出来たんだろうか。何をするべきだったんだろうか。
posted by しんざき at 19:46 | Comment(14) | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「やれることを全てやらなくても良いんだよ」というのを誰かが優しく言ってあげれば良かったのかも知れませんね。

この問題は相当に難しいです。

今、私が思うには、コミュニケーションを密にするのが、こういう問題の解決方法の1つじゃないかな、と言うことです。なかなか他人の事まで気を回しにくい世の中ではあるんですけれども。
Posted by orangewind at 2009年07月11日 10:42
何かが出来たとしても救いになったかどうかは別の話かと思います。救えたと悔いるなら驕り、しょうがないで済ませば冷血と考えられてしまう。生きる(生きている)ことが最重要であるならば、最重要を維持できている現在の状況こそ彼にとって救いとなっているのではないでしょうか。
Posted by クロマル at 2009年07月11日 18:34
人に頼る事が出来ない人だったんでしょうね〜
迷惑をかけたくない、出来ない人と思われたくない、期待してくれた人を裏切る、とか
こういう人は口で言っても無理です、余計に周りの人を気にします
(できない部分は人に頼ってもいいよ〜とか)
対処としては、無理やり頼らせる、です
やってる作業をチェックして、「あ、ここ難しいでしょ」とか言って、「○○君〜ちょっといいかな?」と、他の人を呼んで一緒に解決させるとかです
自分の仕事は自分だけで、という殻を壊してチームワークを知る事が重要かも
Posted by at 2009年07月15日 11:11
>orangewindさん
>「やれることを全てやらなくても良いんだよ」というのを誰かが優しく言ってあげれば良かったのかも知れませんね。

人に言われて納得できる人だったのか、というのはちょっと考えるところですが。
私は不真面目なので、真面目な人の考えは読みにくいです。
コミュニケーションを密にするのは重要ですよね。どんな場合でも。

>クロマルさん
>生きる(生きている)ことが最重要であるならば、最重要を維持できている現在の状況こそ彼にとって救いとなっているのではないでしょうか。

最悪の事態を避けられたことだけはホント、不幸中の幸いだと思っています。

>名無しさん
>こういう人は口で言っても無理です、余計に周りの人を気にします

うーん、多分そうなんでしょうね。

>自分の仕事は自分だけで、という殻を壊してチームワークを知る事が重要かも

隣の部署は正直そこまで密なチームワークを築けている様に見えない。今度リーダーさんと飲みにでもいってみます。
Posted by しんざき at 2009年07月15日 11:34
自分を省みて同じ道を取らない程度でよろしいかと思います。

Posted by 成 at 2009年07月16日 07:24
子供から全ての権利を奪って、なぁなぁで生ぬるく生きさせる今の日本の学校の責任。
子供の頃にいやな思いをしなかったら、大人になって心の整理の仕方がわからなく、しかも学校と違って誰にも相談できないんだから、危機的な状況で潰れるのは当たり前。
何度も言う。今の日本の教育は間違ってる。
Posted by @ at 2009年07月17日 00:33
私は実際潰された側の人間なんで、人に頼れない。ってのはよく分かる。

切羽詰ると、両親・親友・恋人などの自分に関わる重要な関係の人に対してすら何も話さなくなるから。他に言えないから顔の見えないネット上で憂さ晴らして愚痴こぼして・・・なんてやるとネット上からも叩かれまくって行き場を失ったり。

実際にストレス解消のはけ口を探すのは大切、ってのはすごく実感した。

もう一つ言うと、現場知らないので何ともいえないが、上司(この場合は部長)が意図的にその人を潰そうとして多量の仕事押し付けることも結構ある。中途って特に周りになじむのが難しいから、その人が何も言えないだろうって言うのを見越して。そういう事案が頻発してるようなら、上司及び会社の体質に相当問題あるのでは。


あとコメント欄
>子供の頃にいやな思いをしなかったら云々
この点については子供の頃に嫌な思いをしたかどうかは無関係です。というより、その人が嫌な思いをしているかどうかは本人にしか分からないのでは・・・。
他はおおむね同意しますが。
Posted by at 2009年07月17日 14:10
考えるだけ無駄だよ。
結果的に何も出来てないんだから。
Posted by at 2009年07月23日 16:33
これって会社側も退職願いなんか受け取っちゃダメだろーが。
症状が良くなってから部署の変更を薦めたり、仕事量を調整してあげるなりしなくちゃ。
それらを実施した上でもう一度退職の意志の確認をするべきなんだぜ?

ソースは精神科に勤務歴のあるオレ。
医者じゃなくて看護師だけどな。
Posted by   at 2009年07月24日 12:08
私も期待に応えたい、そんな性格。それで毎回頑張り過ぎて気がつく時にはボロボロ。
もっと自分でも甘えたり相談したり出来れば楽なんだろうけど、それが出来ない性格。
そんな人がいるのをわかってほしい。
一言キツくない?って聞いてほしい。
Posted by たら at 2010年04月11日 01:20
atとかいうバカは医療関係に勤めるなよw
一生懸命頑張ってる人間を
バカにするなんて、お前のほうが生ぬるい環境で育ってきたんでないの?
俺はお前みたいなクソッタレが仕事できても
クソも評価しねえよ。
てかてめぇみたいな患者の苦しみとかも共感
できなさそうなクズは看護師やめろよ
Posted by おい at 2013年08月09日 22:52
そうもコメント欄の仕様がわかってないようですね
あなただって「おい at」になってるんですよ?
Posted by at 2013年08月10日 15:03
4年も前のコメントで喧嘩せんでも
Posted by at 2013年08月10日 16:40
かなり昔の記事ですがいろいろ重なる部分があってコメントしました。

感想ですが本当にどうにかしたい気持ちがあったら隣の部署の部長さんなども入れてもっと『君だけが頑張らなくていいんだよ』等を諭すべきと感じました。


どうすれば頑張りすぎないように出来るんですかね。。。



Posted by りょうた at 2013年11月05日 02:09
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