2009年07月30日

「必死に書く人」は、記事の通風孔を塞ぎ過ぎてしまう

のではないか、とちょっと思った。

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茂木センセーがおかしくなっちゃったのは、必死で書いた本がぜんぜん売れないのに、テキトーに書いた本やテキトーな対談本が馬鹿売れしてしまったからだと思う。
「バカ売れ」までいくとどうなのか分からないが。

必死に書いた本が全く売れないのに、テキトーに書いた本が何故かそこそこ売れてしまう、という事象は、実は全然珍しいことではない。よくある。

また、ブログに置き換えてみると、必死に書いた記事が全く顧みられないのに、テキトーに書いた記事にブクマがつきまくる、というのも、おそらくそれ程珍しいことではない。

多分、理由は単純だ。これは、「必死に書く」が「穴を塞ぐ」と結びついた時に発生する現象だと思う。


よく言われることだが、いいスピーチの要件の一つに「内容を深める質問が出ること」というものがある。「あれ、ここはどうなんだろう」という、ポジティブな形での疑問を聴衆に抱かせることが、スピーチの誘引力を高める。聴衆を引き込む。

同じことはブログにも言える。人を引き付けやすい記事は、ジャンルにもよるけど、必ずしも「完全無欠で隙のない記事」ではない。「どこかしらで読む人に疑問を抱かせる記事」だ。なんらかの突込みを誘発することが、記事を売るためのテクニックの一つであるともいえる。


ひとことで言うと、「多少穴があった方が読者に受ける」。この際、「上手い穴の作り方が出来ること」が、人をたくさん呼べる記事を書くテクニックの一つである、ともいえるだろう。よくいうところの釣り上手、専門用語でいうところの誘い受けである。

世の中には、「必死で書く」ことによって、自分の文章に空いた穴を次から次へと塞いでしまう人がいる。多分たくさんいる。

そういった人が書いた記事は、当然「隙がない」ものになるし、「面白い」ものになることもあるが、「たくさん人を呼べる」記事にはならないことが往々にしてある。あまりに気密性がいい家は風通しも悪い。適度に風通しのいい家を建てたいものだなあ、と思う。

「上手い穴」の開け方を身につけたいものだが、難しいなあ。


あ、ちなみに私の記事が基本穴だらけなのは、テクニックでもなんでもない、単なる素ですので。突っ込みはご自由に。
posted by しんざき at 17:05 | Comment(3) | TrackBack(1) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
ブログに限っていうならば、必死に書いた文章ってレスも同等レベルを求められるので返信しづらい。
重い文章には重く返さなきゃいけない空気がある気がします。

重い内容でもそこそこレスが返るのは、身近な話題の場合ですね。政治・外交記事よりペット問題やアイドルの失言とか(笑)

ツッコミ待ちの(=多少穴のある)日記によくレスが返るのには同意ですw

釣り目的を思わしき(=過剰なまでに穴だらけの)記事もよく見ますし、実際レスやら引用やら付いてますから…きっとみんな突っ込みたいんでしょうね〜。
Posted by @nh at 2009年07月30日 19:43
> 世の中には、「必死で書く」ことによって、自分の文章に空いた穴を次から次へと塞いでしまう人がいる。多分たくさんいる。

そのとおりですねー。

自分もそうなっちゃうのですが、特に理系(茂木センセーもそうですよね?)はそうなりがちなのかなぁと思います。
「間違いの余地の無い理論が良い」という教育を長年受けてきたので。

他人に自分の意思を正しく伝えようとしすぎて、とっつきづらい文章になっちゃうんですよね。
誤解を必要以上に恐れている、とも言えるのかなぁ。

上手い誘い受け文章が書けるようになりたいものです。

# 「多少穴があった方が読者に受ける」のと「高ポリゴンモデルよりも2Dドット絵に心躍らされる」のは根っこは同じなのかな、と思いました。
Posted by kesera at 2009年08月04日 13:44
>@nhさん
>重い文章には重く返さなきゃいけない空気がある気がします。

それはありそうですね。あんまり軽いコメントできない、みたいな。
ブックマークサービスはその辺ある程度敷居を下げてるとは思いますが。

>ツッコミ待ちの(=多少穴のある)日記によくレスが返るのには同意ですw

ボケにはツッコミより技術がいるそうです。難しい。

>keseraさん
>「間違いの余地の無い理論が良い」という教育を長年受けてきたので。

それは決してウソではないと思うんですが。記事はよしあしで読まれるとは限らない、ってことでもあるんですかね。

>「多少穴があった方が読者に受ける」のと「高ポリゴンモデルよりも2Dドット絵に心躍らされる」のは根っこは同じなのかな、と思いました。

ブログにおける妄想力を誘発してる感じでしょうか。
Posted by しんざき at 2009年08月06日 22:21
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