2009年08月26日

毎日新聞の補助金要求が一貫しまくっていて凄絶な件

素で感嘆したので思わず釣られる。

メディア政策:新政権に望む 「表現・報道の自由」規制、デジタル社会、そして…
 民主主義社会ではジャーナリズムが不可欠だ。日本では社会文化政策として新聞ジャーナリズムの公的な支援論議はほとんどされてこなかったが、いまこそ始める時ではないか。再販制度や特殊指定制度は、新聞事業を維持するために、その意義が一層強まった。

 欧米の政策を参考にした税制上の優遇や、教育文化政策の一環として、ジャーナリズムの社会的な重要性を学ぶためのカリキュラムを強化したり、義務教育が修了する15歳を機に新聞の1年間無料配布を検討してもいい。年500億円で足りよう。

いや、なんというか。確かに突っ込みどころはあり過ぎて一瞬途方に暮れてしまうのだが、これ、一民間企業として考えれば極めて利に叶っている。ある意味毎日新聞を見直した。企業エゴ的な意味でだが。

毎日新聞が立ち位置的に反自民、親民主であることは今更言うまでもない。社説を一読すれば誰でもわかるし、毎日新聞自体も自分で言っている。

社説:’09衆院選 あと6日 1票がより重くなった
それでも、なだれを打つように民主党に支持が集まっている。そこが大きなポイントだ。これまで私たちが指摘してきたように、今の日本の閉塞(へいそく)状況を打ち破るため、「一度、政権を交代させてみたら」というチェンジ志向が有権者の間に拡大しているとみないわけにはいかない。
民主主義社会にジャーナリズムが必要不可欠である、ということは正しい。飽くまで建て前上、それは「公権力に対する自浄作用として」必要不可欠である訳である。なので、建て前上、公権力からジャーナリズムへのお金の流れが生じることは望ましくない。何故なら報道機関は、公的権力とは離れたものである必要がある故に、民間企業でなくてはならず、民間企業である以上スポンサーには気を使わなくてはいけないからである。

貸し借りの概念は厳密である。貸すことによっても、借りることによっても、お互いがお互いに対して影響力を持つことになる。その為、原理的な意味でのジャーナリズムは、公的権力と距離をおくべきである。

しかし、冒頭記事中何度も「新政権」という言葉を使っている通り、民主党支持の立ち位置から考える限り、この縛りは毎日新聞にとって有形無実と化す。自分達が支持している政体と貸し借りが出来たとしても、企業としての報道機関としては痛くも痒くもないのだから。むしろ企業としての方向性に沿うというか、強力な提携先が出来て喜ぶべき状況だ。構図としては、ここまで支持してきたことに対する見返りを求めている形になる。投資をしたのだからそれに見合った利益を求める、というのは資本主義社会における民間企業として完全に正しい。今までの報道姿勢と合わせて、全く素晴らしい一貫ぶりである。

こういう、思いついても普通やれない企業戦略というものを平然と採用してしまう辺り、毎日新聞は実は孔明でも雇用しているのではないか。

ちなみに、再販制度や特殊指定制度もよその民間業界に比べれば考えられない優遇っぷりだと思うんだが、その辺についてはさらっと流すんだな。
 米国ではより深刻で、1紙しか残らない地域も増えているようだ。インターネットは、オピニオンを飛躍的に発展させたが、その基礎となる「事実」は、自分の仕事や趣味の情報にとどまるというパーソナルメディアとしての限界がある。一方、新聞ジャーナリズムは、公器として権力の監視や社会正義の追求をはじめ公共的な情報をいち早く豊富に安価で提供してきた。恒常的で組織的な取材、調査・分析力。そして、特定の利害に左右されない道義性の高さを肩代わりできる媒体は、当面ほかに見当たらない。
この辺できっちりと、影響力的な意味でのライバルであるWebを切って捨てている辺り、芸術的な一貫ぶりとしかいい様がない。「特定の利害に左右されない」と言っているその同じ口で新政権に対する補助金の要求とは、極めて高度な言語的テクニックである。美しい。一つの文章にこれだけ豊富な突っ込みどころを用意する技量は並大抵のものではない。

あらゆる報道機関は、「影響力」を獲得しようとして努力している。様々な分野に対する影響力こそが報道機関の力の源泉であり、これに関しての例外はない。

そういう意味では、新政権への貸し借りによる影響力の確保を狙い、Webに影響力を食われつつある現状を牽制し、補助金によって「若者」に対する影響力の増大を狙う、民間企業として考えれば一石三鳥の方針と考える他ない。「社説」ではなく飽くまで識者の意見として掲載することで、風向きが悪いときの切捨て準備も万全。ここまで完璧な形の企業エゴの表出が近年あったであろうか。

ちなみに、原寿雄氏の論説が素晴らし過ぎてかすみ気味ではあるが、服部氏や音氏の論説もクオリティ的には見逃せない。
今年に入り、週刊誌の報道に対し高額賠償判決が相次いだが、公人は反論の機会がある。一律に保護する必要があるのか疑問だ。公人側に対し、週刊誌の悪意の証明を求めるなど名誉棄損を認める基準を見直したらどうか。
基本的にはメディア規制やメディアの風当たりへの反論というスタンスをとっている一方、同じ方面でのWeb関連の話については全スルーというすがすがしさ。こちらもかなり高品質な我田引水といっていいだろう。重ね重ね、素晴らしい戦力を集めたものである。
 04年夏に発覚した受信料着服問題に端を発し、受信料支払い拒否が広がった。その背景には、05年に表面化したNHK特集番組改変問題を含めて、政権与党との距離が近いのではないかというNHK不信があったと思う。予算や決算の承認、経営委員長の選任方法を含めた見直しは欠かせない。
毎日新聞の部数低下についてはどの様な要因を考察されているのか気になる。機会を改めて是非著述して頂きたいものだ。


と、あまりのクオリティに釣られすぎてちょっと長くなってしまった。取り敢えずこの辺で。
posted by しんざき at 13:05 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
し、しんざき城主が皮肉を言ってる( ̄□ ̄;
Posted by NOBIE at 2009年08月27日 19:19
気のせいです(・ω・)
Posted by しんざき at 2009年08月27日 20:27
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