2004年12月17日
レトロゲーム万里を往く その10 〜意図不明タイトル群の夕べ〜
「塊魂」の続編は、「みんな大好き塊魂」であるらしい。
何だか久々に意図不明系のタイトルを見た様な感があり、妙に感慨深いものがある。シュールを貫いている訳ではなく、なんとなくまともなゲームとしてもとってもらえそうな、この微妙なライン。ちょっと奇をてらってみましたよ、という様な一抹の吹っ切れなさ。「ニュールーマニア ポロリ青春」を見た時以来の、どこか懐かしい感覚だ。
この手のなんだか良くわからないタイトルは、なんといってもファミコンが嚆矢であろう。ぱっと思いつくだけでも、
・「バイオミラクルぼくってウパ」(コナミ・赤子系)
・「アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃」(テクモ・AC版は硬派だったのに系)
・「おそ松くん バック・トゥ・ザ・ミーの出っ歯の巻」(バンダイ・既にパロディとしての体裁を成していない系)
・「愛先生のO・SHI・E・TEわたしの星」(アイレム・中途半端なローマ字で微妙に失敗している系)
などといった錚々たるメンバーが名を連ねている。ファミコンの世界にはある一時期、タイトルで意表をつくことによってプレイヤーの獲得を図ろうという潮流があった時期があり、特にソフト数が多いメーカーの作品にはとてつもないタイトルのゲームが時折見られる。
こういった中でも最たるシュールタイトルは、1989年ソフエルの
・「帰ってきた!軍人将棋なんやそれ?」(一人ぼけつっこみ系)
ではないかと個人的には思うのだがどうだろうか。地方から東京に出てきたばかりの芸人の様な初々しいつっこみもさることながら、どこからどう帰ってきたのか良く分からない点、タイトルで意表をつき過ぎてゲーム本編の存在を忘れさせる本末転倒ぶりなど、様々な意味で評価出来る。
ところで、ファミコンに限らず、大体のゲームハードには「発売中止」のタイトルというものがある。理由は様々で、ぶち上げてみたはいいものの企画倒れに終わった例、作ってみたはいいが売れそうになかった例、製作途中で会社が潰れてしまった例、メインプログラマーが開発途中で失踪した例などなど、笑えるものから笑えないものまで様々な例がある。
そんな中に一本、こんなタイトルのソフトがある。
「ゲオポリティク島における国家興亡論」
これだ。
もう一度、出来たら声に出して読んで見て欲しい。
「探偵神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件」
失礼、間違えた。
「ゲオポリティク島における国家興亡論」
これ。素晴らしい。このセンス。私の琴線にクリーンヒットである。
このゲーム、アイレムから発売される予定で、どうも政治系の戦略シミュレーションであったらしい。タイトルだけで人を集めようという意図が見え見えであったのだが、ひと時ファミリーコンピューターマガジンの「発売日未定」の欄の一隅にその座を占めていたかと思うと、いつの間にやらいなくなっていた。発売されていたら間違いなく「早口言葉では言いにくいFCソフトランキング」のトップ10圏内に位置していたことは確実であろうだけに、残念であることこの上ない。是非、PS2なりNDSなりでアイレムにリメイクしてもらいたいものである。買うかどうかは分からんが。
それはそうと、みんな大好き塊魂であるが、前作のシステムは結構完成されていた感があるので、続編ではどんなアレンジが加わるか不安でもあり、楽しみでもある。期待して待とう。
関連ページ・・・は、えーと、あるのか。こちらのページをご参照頂きたい。
http://www.grn.mmtr.or.jp/~tomi/db.nosale.html

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からのくだり、腹を抱えて笑ってしまいました。
コメントありがとうございます。
お褒めの言葉、恐縮です。ファミコンタイトルにはたまーにどすげえ名前が混じってます。