いよいよもって自縄自縛というべきですな。
要約すると、福岡一家四人殺人事件の犯人が現在中国で裁かれているが、「日本の世論にに気を使い過ぎ」という声があがるのを恐れて死刑判決が出ない、という様な話だ。
まあ共同通信も最近結構いい加減な憶測を流したりしているので、この「中国筋」とやらの指摘が正しいのかどうか知らんが、それでも他の中国国内判例と見比べてみればこれは異例だ。
日本人を殺したら英雄、みたいな空気が既にある程度出来ちゃっているのだろう。その空気を作ってしまったのは中国政府な訳だが。
この事件、政治的に考えてみると死刑を免ずるメリットというのは何一つない。三権分立が完全に破綻していることも国際的にバれる恐れがあるし、政冷経熱とかいう言葉でごまかしている日本の対中感情にもますます水をぶっかける恐れがある。相手に使われる恐れこそあるが、自分がカードとして使える可能性など無いに等しい話だ。これが逆に、日本国内で中国人が殺されたという話なら盛大に騒ぐ(うねり様より)んだろうが。
つまり、これだけのマイナス要因があっても尚判決が下せない程に、国内での反日空気を煽り過ぎてしまった。北京五輪を前に、「法治国家」「近代国家」というイメージを必死にアピールしようとしている現状ではかなりの失点だろう。氷山の一角と言ってしまえばそれまでだが、この話、長引いたら結構大事に発展するのかも知れない。
2004年12月20日

この記事へのトラックバック
福岡一家殺害事件の公判
Excerpt: ニュースのタイトルから 灭门惨案震惊日本 三中国留学生嫌犯昨辽宁受审 日本を震え上がらせた一家殺害事件 中国留学生容疑者3人が昨日遼寧省..
Weblog: うねり
Tracked: 2004-12-21 00:20
まあ、この手の書き手をぼかした署名は大概記者の一存ですよね。ただ気になるのは、ここでこういう「意見」を付け加えることで、本当に中国の味方をしていることになるのかどうか影響が良く分からん、ということですが。
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りですね。確かに、一概には決め付けられない問題だと思います。
ただ、「〜筋」という言葉はもともと結構うさんくさいものでして、本当に政府高官の発言だとしても、それをある程度ぼかして好きな様に味付けをすることが出来る、という機能を有していることも事実かと思います。事実といいますか、少なくともマスコミ側から見ればそう使うことが出来る、ということです。なんでか。発言が「〜筋」からのものだったら、言った本人から「オレはこう言ったのに内容が違うじゃねえか」という追求を受けないからです。名前を出さないってことは、同時に情報の信頼性を下げることですので。
まあ、「〜筋」という言葉が出たら用心した方がいいかなあ、という程度に思って頂けると嬉しいです。