2004年12月27日

ホテルで夕食を食ったことについて。

ということで、先日は「ほてるででぃなー」という恐るべき行為に及んできた訳であるのだが。

突如英国風舞踏会におっぽり出されたターザンの様な気分が味わえてなかなか爽快であった。万事私は文明世界の文明的な行為にあまり習熟していない人間であり、むしろドレスコードだかユニコードだか、何語か分からぬ様な代物は蛇蝎の如く敵視しているのだが、周囲の人々を威嚇しようとしたら妻に怒られそうなのでやめておいた。私としても、うちの奥様がホテルマンに「大変申し訳ありませんが、当ホテルはペットのお持込はご遠慮頂いておりまして・・・」などとやんわりと怒られてしまうのは忍びない。
大体において、フォークとナイフという食器はそもそも食事をするのに適した形をしていないのではないかと私は思うのだがどうだろうか。ナイフは曲がりなりにも「刃物」というカテゴリーに類するからまだしも認めないではないが、なんだフォークのリアス式海岸の如きあの隙間は。その形状を睥睨するに、ナイフとフォークというペアは徹頭徹尾「塊」を食卓に乗せる時に使用さるべき食器であって、更に限定してしまえば肉を食する時に用いるべき用具であった筈なのだ。かつてナイフと指とスプーンのみで食事をしていた時代の補助食器として、中東で導入されたのがフォークであると私は聞いておる。それでちまちまとした仏国料理のオードブルなどを口に運べば、魚料理のかけらはフォークと称する鉄塊の隙間から転げ落ちるわ、アスパラガスを突き刺すには約一分間半の必死の努力を要するわで、わざわざ道を歩きにくくすることを鍛錬と勘違いしている古武術の師匠の如き理不尽さを感じとることを禁じえず、憤懣やるかたない思いなのである。が、それとは全く関係のない次元で仏国料理自体は大変に美味であった。もっと端的に言うとすげーうまかった。妻は妻で、デザートが非常に美味であったので何も言うことはないらしい。割りに単純である。

ただ、コース料理という形式は料理と料理の間に強制的にお預けが入るというそのシステムにやはり生物としての根源的な違和感を感じないでもなかったのであるが、まあその分間に酒が飲めるとすればそれはそれでいい形式なのかも知れぬ。もっとも、コースのひとつひとつの料理の名前はやはりラボアジェだかポワソンだかクロマティだか意味の分からぬ名称が並んでおり、ここにも用語の障壁というものの存在を強く感じた。例えば「ヴィシソワーズのムースロンがカッペリーニでございます」などといわれても、いやまあこれは私がたった今「フランス料理用語集」から適当にみつくろった完全無欠のでっち上げであるのだが、聞いている側からすると「うちのとこのムックはガチャピンでございます」という様にしか聞こえぬ。お前はポンキッキか。IT用語に不可思議な日本語訳をつけている暇があったらこの辺をなんとかしろ、と総務省に強く言い聞かせたい。

ちなみに件のホテル自体は泉岳寺の「ホテル東京」様である。本格的な料理を売りにされたホテルだとのことで、事実食事は大変に美味い。ご興味をもたれた方はよかったらどうぞ。ただしホテルマンを威嚇してはいけない。


(追記)
あ、ホテル東京を紹介してるブログさんを発見した。東京の様々なホテルをレビューされている。料理美味しいですよ。上みたいな文書いた後でなんですが。
posted by しんざき at 17:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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