なんだろう、この気持ち悪さは。
何回かケチをつけているのだが、PS3のコンセプトが妙に気持ち悪い。というか、露出している情報自体がなーんか気持ち悪い。発売は11月に延びた、みたいな報道をどっかで読んだ覚えがあるが、この時期の新ハードの広報っていつもこんな感じだったっけ?
取り敢えず自己分析してみたのだが、ゲーマーとしての私は、PS3にまつわる一連の情報について以下の様な気持ち悪さを感じている様だ。
・実際にゲームをプレイするユーザーが、あんまり広報に意識されていない様な感覚に対する気持ち悪さ
・技術的な方向性自体が、私の期待する方向性に合致していない様な感覚に対する気持ち悪さ
で、結論を先に書いてしまうと、こんな感じになる。
・PS3の広報は、技術的な話とかハードのデザインコンセプトを前面に押し出す余り、「ゲームをしたい」ユーザーの方を向いていない様に思う。
・もうちょっと、かつてのSFCやプレステの様に、「こんなゲームを作りたいからこのハードを作った」みたいな情報を前に出すべきではなかろか。
・ついでに、ネットワークやHDDとの連携が、今のユーザーのニーズに合っているのかどうかという話が、私にはある程度疑問である。
・ってゆーかいいからゲームさせれ。
以下補足。
ここからの話、飽くまで基点は私の感覚であり、つまりは私の好みである。ついでに、PS3自体には私は結構期待している。そこんとこご了承頂きたい。
順番にいこう。
・何でこんなに技術論ばっか多いんスか。
HDDがあることを前提としてPS3を考えている。ある場所とない場所があるというのではなく、全部あるとお考えになってソフトの開発をしていただきたい
Linuxもレガシーだけど、最初のきっかけになる。Cellの場合、OSはアプリ。カーネルはCell(Cell OSのハイパーバイザ層のこと)で動いていて、複数のOSがアプリとしてその上に(仮想マシン上に)載るスタイルになる。Linuxは当然載るでしょ。
「今回、我々は(PS3は)スーパーコンピュータという位置付けにする。でも、コンピュータとして申請しないとコンピュータとして見ない人がいるから、OSを走らせる。そのためにHDDがいる」
その他諸々、どんなものか、これ。
いや、いいのだ。Linuxが云々、スーパーコンピューターが云々については取り敢えずおこう。技術者向け、開発者向けの話ばっかなのも、まあそーゆー文脈なら別に構わん。
が、ちょっとなんつーか、余りにエンドユーザのことを意識してない情報とコンセプトばっか露出してないか?と思うわけなのである。
一つは、話題が純粋に技術系の話ばっかで、ゲームに直接結びつく様な話が極めて少ないこと。
もう一つは、インタビュー等の内容を見る限り、SCEI社長様の興味自体が技術系の話に偏っていて、「ゲーム機を作る」という意識があんま見受けられないこと。
ネット上の記事の特集であるから話が開発者寄りになっているだけなのかな、と思って一時期ゲーム雑誌なども漁ってみたのだが、まあ出るわ出るわ。上の様な夢のあるインタビューについて様々な大手ゲーム雑誌に載っている代わり、「じゃあこんなゲーム作れるよね」とか「こんなゲームが楽しいよね」という様な視点の広報が余りにも弱い。というか、ぶっちゃけ殆ど無い様な気がする。
そりゃまあ、開発者へのアピールは重要だ。メーカーが集まる場所にユーザーも集まる、その為に開発者を抱き込む、というコンセプトなら文句をつける筋合いはないだろうが、これを読んだユーザがどんだけPS3を買いたくなるか、というのはそれと別会計だろう。
こちらのページも見て頂くべきかと思う。PS3のニュースについて、色々特集しておられるページだ。
http://intermezzo.cool.ne.jp/report/ps3/
その中、
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0609/kaigai187.htm
僕らはコンピュータだとずっと言ってるのに、同じ業界の中で任天堂さんが外に向かって玩具だ玩具だと言い切っている。だから、こちらはスーパーコンピュータ並みで輸出入管理が必要なモノを作っているのに、役所とかには玩具だと思われてしまう
この辺読んで「はあ」とため息をついた人はいるだろうか。少なくとも私はついた。何で玩具じゃいかんのだろうな。
・PS3技術論は、ゲーム最大の敵に勝てるか。
以前に書いたかも知れないが、ゲームの敵は「飽き」と「面倒」である。
このふたつが「ゲームをやりたい」という欲求に勝ると、ゲームは見向きもされなくなる。売れなくなる。
別にハードの性能でこれを克服出来るかどうか、という問題を論じるつもりもないのだが、「ネットワークやHDDとの連携」とかその他諸々技術者陣の勝利が、果たしてユーザーの欲しいゲームの方向に合致するんだろうか。ゲームが更なる複雑化・大容量化の道を進むのか進まんのか、という辺りが私の疑問点である。
いやまあ、これは市場調査でもしてみない限り結論が出ない話ではあるんだが、最近方々で「ゲームをする際の精神的助走距離」なんかの話を読んでいると、なーんか不安になったりもする訳である。
長くなったのでこの辺で。取り敢えずSCEI様には、スーパーコンピューターよりはゲーム機を作ってもらいたいなあと、私としてはそんな風に思う。
彼らに取ってのゲーム機とはそう云うものなんですね。
久多良木さんが社長になれなかった理由も分かるような気がします。
>彼らは期待の自社製品をかな〜り馬鹿にしていましたよ。
うーん。なーんとなく、「ゲーム機」自体を馬鹿にしている感はありますよね。
何で大きくなったんかと。
例えるなら、家の耐震強度を知りたいのにバイヤーが様式の美麗さや内装の素晴らしさをアピールしてくる感じでしょうか。
「客が何を求めているのか」ではなく
「客に何を求めさせたいのか」を重視しているように思えてなりません。
「凄いムービーと美しいグラフィック」が一押しの某S・E社と姿が被って見えてしまう偶然。
それでもPS3でゲームがしたいと思ってしまうのはゲーマーの哀しい性ですが。
失礼しました。
今回の内容でちょっと思うところがあるのでコメントさせていただきます。
SCEIって最初のPSのころはこんなじゃなかったと思うんですよ。
手探りってのもあったんでしょうが、いろんなことをやってやる、やらせてやるって感じでそれまでのゲームの枠にとらわれないものを出してきてた。
それが功を奏してゲームの老舗、セガと任天堂をしのいでシェアを勝ち取ったんだと思うんですが。
FFの発売権をゲットしたのもあって増長したんですかね・・・
ビブリボンや太陽のしっぽ、ジャンピングフラッシュを出してた頃のSCEに戻ってほしいと願います。
あと、スクエニもがんばれ森川君のような作品をもう一度。ギャルデリックアワーはいらない。
あ、でもPS3を機にLinux標準搭載Vaioとかが出てLinuxに活気が出るならちょっと良いなぁ
>「客が何を求めているのか」ではなく
>「客に何を求めさせたいのか」を重視しているように思えてなりません。
そうですね。ただ、それって客にバれてしまう時点で既にマーケティングの失敗なんじゃねえかという気がちらほら。
大丈夫なんかいな。
>まやまやさん
>SCEIって最初のPSのころはこんなじゃなかったと思うんですよ。
同感ですね。「全てのゲームはここに集まる」をやってた頃のSCEIは凄かったと思います。メーカー集めの態度も良かったですしね。
どこから変質したのかなあ。
>あと、スクエニもがんばれ森川君のような作品をもう一度。
じゃあ私はカリーンの剣を希望。