2010年06月30日

ドミニオンにおけるドラフト戦のお話。

すいません、ドミニオン知らない人にはサパーリなお話です。知らない人は以下を参考に。
ドミニオン

最近、ドミニオンでドラフト戦というものをやったり開催したりする機会が何度かあった。

一般的に言うドラフト戦の定義は様々かも知れないが、ドミニオンにおけるドラフト戦というのは、アクションカードを選択するものだと私は認識している。場にどんなアクションカードがあるかによって、ドミニオンというゲームは激変する。それを選ぶ。

以前中野のドミニオン会で初体験し、その後ゆるドミ会でも真似してやってみた。大会の決勝としてのドラフト戦では、こういう形式にしてみた。

ランダムで一枚→一位の人が一枚選ぶ→二位の人が一枚選ぶ→三位の人が一枚選ぶ→四位の人が二枚選ぶ→三位の人が一枚選ぶ→二位の人が一枚選ぶ一位の人が一枚選ぶ→ランダムで一枚

順番については改良の余地があるかも知れない。実際のところ、どういうバランスが最適なのか、私にはまだよく分かってない。


ともあれ、ドミニオンというゲームにおいて、この「ドラフト戦」という遊び方はとても面白い。各アクションカードの相性をある程度把握していないと有利に立ち回れないから、練習にもいい様な気がする。

このドラフト戦を遊ぶ際、自分が考えていたことについてちょっと書いてみたいと思う。


・アクションカードを選択するということには、二つの意味がある。そのゲームをどういうゲームにしたいか、という側面と、自分はどんな戦法で戦いたいか、という側面である。

・まずゲームメイクの話。運が左右するゲームにしたければ、運が左右するカードを選ぶ。乱戦にしたければ、乱戦になりそうなカードを選ぶ。突出して有利な戦法が存在しない実力勝負のゲームにしたければ、他の人が選んだキーカードのカウンターとなるカードを選ぶ。ギャラリーが盛り上がりそうなゲームにしたければ願いの井戸を選ぶ。

・これは、周りの面子を見てカードを選択する、という点も重要な気がする。ほかの人が皆自分より強そうだなーとか、理論派な人が揃ってるなーとか。例えば詐欺師や魔女を入れたら殴り合いの乱戦になる傾向が強く、乱戦が得意な人には有利だろう。宝の地図が入ったら運ゲーに傾くかも知れない。礼拝堂を入れたらまず間違いなく圧縮ゲーになる。

・一方、そういった強力なカードに対して、カウンターになるカードを選べば天秤は戻る。例えば民兵や幽霊船には書庫がある程度カウンターになりそう。礼拝堂には詐欺師や仮面舞踏会か。一方、詐欺師は秘密の部屋があればある程度威力を減殺できる。

・こうして、他の人が選んだカードを見ながら天秤を調整していくことで、自分の得意な戦法を通す。

・そういう意味で、後からカードを選べる人の方が有利ではある。上の順番にはそういう意味がある。

・また、上記の順番では手番も一位の人が最初だったので、手番が早いことによる有利さが顕著なカードを選ぶと、一位の人がより有利になる。例えば攻撃カード?海賊船?

・ランダム選択のカードで全てがぶち壊しになる可能性も当然ある。あれこれ考えてカードを選択した末、最後の最後に礼拝堂や魔女が出た時の絶望感は異常。


以下は実際にドラフト戦を数戦やったことを元にしたシミュレーション。

ケース1.最初の人が海賊船を選んだあとの選択。

海賊船によって通貨が圧縮される。海賊船に乗ることを考えてアクションが増えるカードを選択するか、海賊船にカウンターすることを考えるか、単純に海賊船があってもそれ以上に速いカードを導入するか。

選択肢は幾つかある。

・自分も海賊船戦法を選択するとすれば、原住民の村、漁村、貧民街など、低コストでアクションが増えるカードを選択するという手が有力?
・海賊船にカウンターするとすれば、共謀者、祝祭など、通貨がなくても仮想コインで戦えるカードを選択?特に共謀者デッキは海賊船に対する有力なカウンターデッキ(ただし村辺りが欲しい)。
・単純に海賊船よりも早く属州が買えそうな戦法で突っ走る、という手もある。公使?鍛冶屋?
・抑留改築などで、海賊船が仮想コインをそろえた時には属州に抑留トークンが乗っている、という状況を作る手もある。

ケース2.最初の人が拷問人を選択したあとの選択。

拷問人を選択ということは、攻撃場にすることを想定しているのだと考える。アクションを増やすカードを追加して拷問人を打ちまくってくるか?あるいは拷問人の枚数は1,2枚に抑えて後はお金プレイを選択してくるか?

こちらの選択肢はどうだろう。

・自分も拷問人に乗ることを考えて漁村や祝宴(なるべく早く拷問人を手に入れる為)を入れる。
・書庫や寵臣を入れて拷問人にカウンターをすることを考える。
・大使を入れて呪いをカウンターすることを画策する。
・デッキの枚数が少なくなっても戦えるよう、秘密の部屋と公爵を選択する。
・無視して好きなカードを入れる。

他にも色々ありそうだ。次の人が海の妖婆を選んで、さらにその次の人が見張りを選択、とかなると色々と熱い。

ケース3.最初の人が公爵を選択したあとの選択。

公爵は場の展開を強制する力が非常に強い。ほっとくと物凄い点数取られて置いていかれる。対抗するか、自分も乗るか。色々選択肢がありそうだが、私なら公爵ゲー超苦手なのでカウンターの方法を考えるかも知れない。

・単純に速度を上げて属州を買う為、中庭や公使などを選択する。
・礼拝堂で更に強力な圧縮強制をかける。
・抑留を選択して速攻公領に抑留トークンを置く。
・詐欺師で公領を落とすことを狙う。

公爵ゲーで勝った記憶が!無い!



とか。ことほど左様に、ドラフト戦を想定して、「あるカードにどんなカードをぶつけるか」ということをあれこれ考えるのは楽しいし練習になるので、皆さんもドラフト戦を遊んでみるといいですよ、という話でした。

今日はこの辺で。

参照:
今日のしんざきが中野ドミ会にいってきた件について・決勝編。 10/05/19
posted by しんざき at 12:44 | Comment(2) | TrackBack(0) | アナログゲームいろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
上記ドラフト順に欠点とも考えられる場面があると、個人的には思ってます。
それは、1位の人間が最後の(ランダム除く)カードを決定できる点です。

例えば、1位の人間が、海賊船や拷問人等を対抗カードがないことを確認できた上で選択することもできることから、1位の人間の優位性が大きすぎる印象を持ってます。
(公爵は通常、下手番の人間が選択するため除く。)
Posted by luckymangan at 2010年06月30日 22:19
>luckymanganさん
選択する手番については色々検討する余地があるかも。中野ドミ会はまた全然違うやり方だったみたいですね。
Posted by しんざき at 2010年07月10日 22:51
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