2006年03月30日

ミステリーとホラーの違いはどこにあるか。

ちょっと小説のお話。

なんかちゃんと定義してる名著があるのかも知れんが。私の勝手な体感では、「分からない」と「理解出来ない」の差なのかなー、と捕らえている。

ミステリーにもホラーにも共通しているのは、「分からない」が多量に含まれていることである。人は「分からない」を怖がる。分かっているものは怖くもなんともない。それが殺人事件の犯人であれ、古びた洋館に潜むものの正体であれ、1ページ先で遭遇する怪異であれ、読者は「分からない」を怖がり、楽しむのである。

が、多分私の知る限り、大抵のミステリーには「理解出来ない」ものは含まれていない。本の中でそれが明かされるかどうかはともかくとして、ミステリーの殆どは(その本の中の)現実として「理解出来る」ものなんである。(「理解出来る」ってことが前提として書かれているミステリーが「推理小説」である様に思う)

一方、大抵のホラーには「分からない」だけでなく「理解出来ない」ものが含まれている様に思う。例えばサイコホラーでは、「まとも」な人には絶対に理解出来ない精神構造が物語の主役だ。多くの怪異もので、怪異の正体は人間には理解もコミュニケーションも出来ないものであるし、SFホラーの宇宙船の中身は人間とは隔絶した位置にある。ホラーの主役は、たとえその正体が明かされたとしても、最後まで「理解」には至らない。そんな気がする。


これ、多分時代によっても変わってくるんではなかろか。例えば「フランケンシュタイン」とか、書かれた当時はホラーで、今ではミステリーなんではないかという気がなんとなくする。今じゃ人造人間ってテーマは凄い勢いで人口に膾炙しているが、当時は大抵の人の理解の範疇外だった筈だ。

こんな例は他にも結構あって、例えば当時完全無欠なホラーだった筈のポォなんかも、今の視点ってことで読み直してみると見方がちょっと変わってくるかも知れない。まあ、それを許さないのがポォなんだろうけど。


そんな私の皮膚感で言うと、実は「ホラー映画」の中にホラーって少ないんじゃないかとか思ったりする。ゾンビスプラッタのどこがホラーだ、みたいな。でもヒッチコックは怖いですよね。うん。


という様な話、今日の夫婦間の団欒内容。

posted by しんざき at 23:36 | Comment(3) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
ならば、我輩の信奉するラグクラフト大先生はミステリーか、ホラーかどっちであるのじゃ?

いあ〜、しゅっぶ、にっぐ、らとふ・・・・。
Posted by まさき at 2006年03月31日 01:40
ふぅむ。映画とかゲームとかで言うと、確かに「おめー何なのよ!?」というコミュニケーションが通じなさそな相手がいるから怖いってのはあるでしょうね。

ただ小説だと、理解のしかたが変わってくるから、線引きはなかなか難しいですね(笑)この定義でいくと、京極もホラー的要素はあるってことになりそうだし。夢野は「もろに」ホラーになるし。
Posted by ncd108 at 2006年03月31日 15:00
>まさきさん
どっちかとゆーとホラーですかねえ。

あんま関係ないですが、ニャル様のおっしゃることはたまに理解不能です。未知なるカダスとか。

>ncd108さん
>映画とかゲームとかで言うと、確かに「おめー何なのよ!?」というコミュニケーションが通じなさそな相手がいるから怖いってのはあるでしょうね。

多分、「怖い」ということ自体が「分からない」要素を含んでいる、という面があるのではないかと。ニアリイコールだと思いますが。
Posted by しんざき at 2006年04月03日 19:51
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