息子さんは三歳三ヶ月である。たくさんしゃべるし、たくさん走り回るし、我侭も割りと言うし、たくさん笑う。
当たり前だが私と奥様にとって息子さんは初めての子供なので、「育て方」というものについては全くの手探りである。どう接すれば幸せに育ってくれるのか、日々あれこれ考えながら息子さんと遊んだりお話をしたりして、しかしそれが正しいという保障は地上に存在しない。難儀な話である。
そんな中でも、なんとなくだけど、大雑把な指針が自分の中に出来つつある。正しいのかどうかは全然分からないけれど、今後忘れない為にも、メモ的に書いておきたい。
大きな指針は、私の中に二つしかない。
・自分を好きになって欲しい。他人を好きになって欲しい。
・社会で生きていくにあたって困らない程度の倫理観、規範を持たせてあげたい。
まず私の中に、「世界って結構いいものなんじゃないか」っていう根本認識みたいなものがあって、この認識で私が損をした記憶があまりないので、これを息子さんにももたせてあげたいなあと思っている。で、その根っこの方には、私が割りと自分好きであり、他人も割りと好きであり、要するに人間が好きという部分があるんじゃないかなあと思っている。
要するに、自分や他人に対する信頼感、人を好きになる能力、みたいなものを持たせてあげたい。どこかで壁にぶつかることは勿論あるんだろうけど、それはその時考えればいい。
で、その為に何をすればいいかなーって考えてみると、結局「コミュニケーションや遊びの成功体験を積ませてあげる」ということと、「いわゆる「よくないこと」をしたらきちんと失敗体験として認識させてあげる」ということ、これをあんまり急がないでやればいいんじゃないかなあ、となった。
人と話をしてみて、ちゃんと話が出来た。人と遊べて、楽しかった。そういうことが多分成功体験だ。そういう「人とかかわって楽しい」ことが重なれば、多分「人生って結構楽しい」っていう基本的な土台につながってくんじゃないかなあ、と思ってる。私の場合、そうだったと思う。
で。
規律とか倫理観の方の話をすると。息子さんと話す限り、3歳児の認識能力というものは結構侮れなくて、「どういうことはしてはいけない」「どういうことはしなくてはいけない」というのを、既に結構分かっている。勿論、こちらが口すっぱく言っているから、ということもあるのだが。
しかし、3歳児はいかんせんまだ子供なので、頭では分かっていてもこれはしたくない、これはしたい、ということがままある。本能のまま突っ走りたい部分が非常に大きい。
これには結局のところ、「していいこと、してはいけないこと」を根気強く言い含めて、叱るべき時には叱りつつ、自制心とか自律心みたいなものがだんだん育ってくるのを待つしかないのかなあ、などと思う。
上で書いたことを簡単に換言すると、「いわゆるいいことをしたら褒める、いわゆるよくないことをしたら叱る」「こちらがして欲しいことをしてあげる」「たくさん話をする、話を聞く」といった、当たり前のことに落ち着くんじゃないかと思う。当たり前のことだけど、掘り下げてみると多分そういうことだ。
で。
上の二つ以前の問題で、多分一番重要なのは、これなんじゃないかと思う。
・親が幸せな姿を子供に見せること
私の、せいぜい10数年程度の経験に照らしての話なのだが、子供の幸せの要件の中に、「親も幸せそうである」っていうのはかなり大きな位置を占めているのではないか、と思うのだ。子供の幸せと親の幸せを別会計にしているテキストをたまに見るけれど、それは多分違うんじゃないか、と思うのだ。
だから、私にせよ奥様にせよ、今の幸せを大事に、息子さんと一緒に享受していこうと考えている。それが絶対条件だと私は考えている。
まあ、木の上に立って見るのが親の仕事だから、当然どっかに限界はあるんだろうけど。今後もゆるゆるとやろうかと思う。
息子さんがいつの日か、「生まれてきて良かったなあ」としみじみ実感してくれますように。
2010年10月26日

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