奥様の話によると、
「セーラームーンとかの頃には重要な立ち位置だった、「かっこいい男の子」的なキャラクターが、たとえばプリキュアみたいな最近の魔法少女ものには存在しなくって、それが自分くらいの世代には結構不思議」
なんだそうだ。つまり、男の子との恋愛というのは、魔法少女ものの根っことしての「少女漫画」としては重要なテーマだったのに、最近の魔法少女ものでは既にそれが必要とされていない、ということだろうか。
ほへえと思ったのだが、私は魔法少女もの、あるいは魔法少女戦隊ものには全く知識を持っていないので、ちょっと調べてみた。多分既出議論なのだろうが知ったことではない。
何も知らないことについては、取り敢えずWikipediaに頼るのが情報弱者としての正しいあり方である。
Wikipedia:魔法少女
まず、件のセーラームーン。放送開始は1992年。魔法少女ものに戦隊的要素を導入して大成功した作品で、ここから「魔法少女 + 戦隊もの」というジャンルが定着したと認識している。しかし、美少女戦士って今見ると、自分で言っちゃうか的な凄いネーミングだな。
Wikipedia:美少女戦士セーラームーンの登場人物
ふむ。これを見ると、主役級キャラクターとして、「月野うさぎの恋人」というポジションの地場衛が存在することが分かる。タキシード仮面というのはなんだか聞いたことがあるが、キング・エンディミオンというのは一体何者なのか、よく意味が分からない。クリスタル・トーキョーの王という名目といい、ただものでないことは確かである。
ざっと解説を読むと、「紆余曲折の末ラストで主人公と結ばれる」という点では、非常に強くラブコメの要素を残していることがよく分かる。途中まで反目し合う仲というのも王道中の王道である。
もうちょっと当たってみよう。後続的作品として挙げられている、赤ずきんチャチャ。
Wikipedia:赤ずきんチャチャの登場人物
こちらでは、「リーヤ」と「しいねちゃん」という二人の男の子キャラクターが、主人公のチャチャと並んで記載されている。察するに三角関係的な描写もあるようだ。三角関係はラブコメの王道なのであって、こちらもラブコメ的要素はかなり強いんじゃないかと思える。
もう一本、「レイアース」。
Wikipedia:魔法騎士レイアース
ざっとみた限り、こちらは「ランティス」というキャラが主人公の恋人的立ち位置のようだ。恋愛的要素がメインで出ているのかどうかは記述からは読み取れないが、各メインキャラの恋人ポジションはしっかりと残っている。
逆にちょっと遡ってみよう。
魔法の天使クリィミーマミ
1983年。多分王道なんだと思うけれど、「大伴俊夫」が、「主人公の正体を知らないボーイフレンド」という立ち位置。最後には主人公と結婚して子供をもうける、という辺りもきっちりと王道だ。この辺は多分、「魔法少女ものの一つの伝統的な着地点」なのではないかと思う。
まあたった四本見ただけなので、例外も幾らでもある話なのだろうが、少なくともセーラームーンとその後継的作品において、「魔法少女もの」あるいは「魔法少女 + 戦隊もの」は「男の子との恋愛」「ラブコメ」要素を色濃く残しているというところまでは言えそうだ。
で、プリキュア。
私はプリキュアについてあまり知らないのだが、ものっそい数があるんだなコレ。ゲーム業界のシリーズものと似たような事情もあるのだろうか。
取り敢えず最近のということで、直近で終わっている「ハートキャッチプリキュア!」をあたってみる。
Wikipedia:ハートキャッチプリキュア!
なるほど。
主人公の「花咲つぼみ」の解説に、ボーイフレンドについての記述が一切ない。ざっと読んだ感じ、他のメインキャラクターにも、恋愛を思わせる要素は殆どなさそうに見える。
登場人物をざっくりと見ていても、登場する男性キャラクターはどこも「○○しているところを砂漠の使徒に付け込まれる。」という記述で一杯で、察するに基本的には主人公側に助けられる立ち位置に偏っているようだ。
他の作品も見てみる。
スイートプリキュア♪
これは最新作のようで、まだ放送が開始されてないっぽい。少なくとも現時点ではそもそも男性キャラ自体が露出していないようだ。
まだ遡ってみる。
Wikipedia:フレッシュプリキュア!
ここでは、一応ボーイフレンド的立ち位置として「知念大輔」というキャラがいるようだ。読む限りラブコメ的要素もありそうに見えるのだが、
「最終決戦直前、偶然ラブへの想いを伝えてしまうが、その後返事は明るくはぐらかされてしまった」という記述を見る限り、最終的に物語がラブコメに着地していないことが分かる。
初代の「ふたりはプリキュア」までいくとどうだろうか。
Wikipedia:ふたりはプリキュア
淡い恋心を寄せている藤村のことになると暴走して奇怪な行動を取り始め、さしもの莉奈や志穂も引いてしまう。ここではまだラブコメ的要素が残っているようだ。物語として主軸になっているかどうかはともかくとして、立ち位置としては伝統的な「かっこいい先輩の男の子」的なキャラクターである。もっとも、かつてのセーラームーンや魔法少女もののような伝統的な「着地点」は用意されていないようだ。
ざっと見てみると、Yes! プリキュア5の時点で、「かっこいい男の子」的立ち位置が伝統的なものからやや遷移しているように感じられる(この作品では、当該立ち位置は「人間に変身するマスコットキャラクター」によって埋められている)。ここが何らかのトリガーになっているのかも知れず、その後その立ち位置を埋めるキャラクターがぱっと見いない。
つまり、
・プリキュアシリーズのどこかの時点で、魔法少女もの(というか少女漫画的物語)に伝統的な、「恋愛対象としてのかっこいいボーイフレンド」が物語から切り離されたのではあるまいか
というのがここまでの結論になる。
断っておきたいのだが、上記までの議論から、世相がどーとか結婚観がどーとか、最近の子供の嗜好がどーとか、そういう一般的な議論に持ち込む気は、私にはあんまりない。例外も山のようにある話であろう。
ただ、ある時点から
・「魔法少女 + 戦隊もの」から恋愛的要素をパージしても勝負出来る、あるいはその方が売れる、と制作側が判断した。
・上記の作品が実際に問題なく売れている。
ということは確実に言えるだろうと思え、制作側がその判断に至った経緯については興味深いなあ、と思った次第である。
大概長文になったので今日はこの辺で。このテーマについてはまた何か考えてみるかも。
個人的には、恋愛要素自体は物語に彩りを与えてくれるのであっていいと思うのですけれど、大人の事情がそれを許してくれないのはちょっと残念です。
で、魔法少女ものアニメにおける「かっこいい男の子」は、変身する女の子より能力が上でなければいけません。そうでなければ、女の子を助けられない=かっこよくならないからです。
ですが、プリキュアは少年漫画の文法を引っ張ってきたので、初代からかっこいい男の子が入る余地がなかったんです。(ドラゴンボールで悟空より強い登場人物がいて、最後の最後までそいつがいいところをさらっていく、と考えてみてください。これが面白いでしょうか)
で、やってみたら初代がとんでもない大ヒットを飛ばしたので、その路線を継続している、というのが今までの流れです。
特にYes! プリキュア5はシリーズ中でも屈指の恋愛要素の強い作品です。
申し訳ないが前提から全部間違えている。
確かに魔法少女ものの「かっこいい男の子」とは違う立ち位置だけど
というかプリキュアシリーズは女の子版の「変身ヒーローもの」であって魔法少女じゃないと思う
あれ、延長された二章で味付けとして仕方なく主人公の恋愛要素が入ったけど、そもそもの一章が、主人公でなく他人「敵側の恋愛模様が主軸だったことが最終回近くに明かされる」という、「狙って作られた、魔法少女の恋愛話の破壊」なので。
プリキュアは第一作のころから、プロデューサーが「押しつけの少女らしさを見直し、まだ、男女が分化していない女児の、女の子も戦いたい、と言う欲求に答えてみました」と、明確に語ってるし。
大きなお友達言ってる人は、それこそ後付け。
今まで肉弾戦重視のアクション物と思ってました
事実誤認です
物語には恋愛要素があって当たり前という前提を持った人が多いからなんですかね。
ハリウッドでは意地でも恋愛要素を入れてくる、それが当たり前、みたいな話を連想しました。
東映魔女っ子系(サリーちゃん、あっこちゃん、ルンルン、ララベルなど)は
恋愛より、大人になったら?や、エブリデイマジックの要素が強いんですよ。
プリキュアやおじゃ魔女は東映製作なので、そのあたりもあるのではないでしょうか?
ミンキーモモが好きでした。
もう少し勉強してから考察してねw
そしてお金をいっぱい落とすことができて、やっちゃうのも大きなお友達。
ハートキャッチですら人間形態コッペが
そのまんまタキシード仮面の役回りやってましたね。
>魔法少女ものアニメにおける「かっこいい男の子」は、変身する女の子より能力が上でなければいけません。
>そうでなければ、女の子を助けられない=かっこよくならないからです。
>ですが、プリキュアは少年漫画の文法を引っ張ってきたので、初代からかっこいい男の子が入る余地がなかったんです。
そうとも限らないと思います。
既にプリキュアにも戦力をもつ敵対しない男性キャラはいくらか前例がありますし
「かっこいい男の子」の入る余地は充分あると思います。
男の子と共闘する展開って今の時代の考え方にも凄くマッチした構図ですしね。
プリキュア5とかココやナッツっていうイケメンが出てくるしキスまでしてるのに。淫獣だけどね
isbn:4861822564の石田美紀論文は御覧になりましたね
みたいなアニメありますか?
つまり、客層が劣化したってことですかな。
でもね
キモオタに阿ってヒーローの男が出てこない
→小さい子供(特に女子)が、男に興味を示さなくなるor男を見下すようになる
→小さい子供(特に男子)が、自分に劣等感を持つようになるor自信がなくなる
→女は図に乗って肉食化、男は恐怖心から草食化。
という流れは、まずい。反日の方向性がミエミエ。
昔は
女子大生・バブルブーム→女子優遇・男子冷遇
女子高生・コギャルブーム→女子優遇・男子冷遇
っていう構造から今の三十代(強い男がいない。矜持を持つ女がいない)が作られましたが
美少女ものブームって、将来世代に何を引き起こすんだろう…と考えると、なんか怖い。
反日どうこうじゃなくて、ばしくし氏がミソジニストなだけにしか見えないが。
居てもいかにも男向けじゃない、女が許容しそうだなってデザインにされるのは