下記リンクをざらっと読んでちょっと思ったこと。
・文章力って、手っ取り早く知性を測れる良い指標だと思う
「文章力」という言葉は非常に曖昧というか、独り歩き著しい言葉であり。上のリンクを読んでも分かるが、「語彙が豊富なこと」を文章力と考えている人もいれば、「伝えることが上手いこと」を文章力と考えている人もいる。
実際には、「文章を書く能力」というのは、
・語彙の豊富さ
・論理的な文章を構築する能力
・論点を整理する能力
・主張したいことを文章上で強調する能力
・文法的に正確な文章を表記する能力
・様々な表現を用いて文章を装飾する能力(語彙の豊富さとはちょっと異なる)
などなどなど、様々な能力が複合して出来ているわけであり、しかも時には相互に矛盾することすらあるので、一概に「文章力」という一言でまとめるのはちょっと無理がある。その為、「文章力」で知性を測ることは、多分出来ない。
あと、「それはどの分野の、どのような文章力か」ということを明示せず、ただ「文章力を鍛える為には」みたいな表現をしているテキストについては、あまり信用出来ないと考えて良い。
論理構成力や、文法通りの文章を書く能力については練習で磨くことが出来るので、意識しながら書いていればその内向上するだろう。語彙や表現を豊富にする為にはいろんな表現を読むしかない。「文章力を鍛える為には」という話をする時、「とにかく書け」という人と「とにかく読め」という人がそれぞれいるのは、多分この為だ。
一方、個人的には「文章を装飾する能力」はセンスだなー、と思う。言葉選びの能力。語彙と関係なく、文章をリズム感ある、殆ど音楽的なものに出来てしまう人というのは実際いて、ああいうのは真似しようと思って出来るものではない気がする。まあ、もしかすると練習で身につく部分もあるのかも知れないが。
「文章力を身につけたい」と思ったら、「どんな文章力を身につけたいのか」ということを考えて、それに応じた練習をすればいいんじゃないかなあ、というのが結論になる。
以上、基本的に自分のことは棚上げしてある。
なんか昔似たようなこと書いたなー、と思ったらもう5年も前だった。
「文章力」の落とし穴
2011年02月19日

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