最初に断っておくが、それ程真面目な話ではないので深く考えることはお勧めしない。
はてなで「新卒に即戦力を期待する企業は云々」という話題を見かけた。ついこの間まで大学でのらくらやっていた学生が、いきなり仕事出来るわけないだろ何言ってんだ、と思ったのだが、どうも「新入社員に対して即戦力を期待する向き」というのは意外とあるらしい。
日本企業の『いま』・・・新卒に即戦力を求めざるを得ない理由
実際のところ、「職場に入ってすぐに戦力になる」というのは、業種にもよるがベテランにだって容易ではないことなのであって、業務のキャッチアップにはそれ相応の期間やコストがかかる。まして新卒をや、というわけで、実際には「即戦力」という言葉は「教育コストをケチりますよ」という意味でしかない場合が多いんじゃないかなあ、という印象がある。
そんなこととは全然、全く、1ミリグラムの関係もなく、ドラクエ3には結構ひどい雇用形態がまかり通っているなあと思いついたのでちょっと考察してみる。
まず、アリアハンの王様。
彼は、勇者に装備や金を与え、ついでに魔王討伐の任務も与えているわけで、形の上では彼が勇者の雇用主ということになる。やくそう6個分の金額が高いか安いか、という点はこの際おこう。
ドラクエ歴代の王様は、「はした金としょぼい装備だけ押し付けて旅に放り出す」という点だけ強調されがちだが、私はその点にはそれ程問題を感じない。そんなことより、「勇者の教育コストを全く負おうとしていない」ことの方が非道ではないかと思う。
この場合、勇者には旅の研修期間も指導教官となるべき先輩勇者も与えられず、場合によってはいきなりナジミの塔に突っ込んで死んだりするわけであって、企業に当てはめると「ちょっとセミナーを受けただけで即キッツい外回り営業を強制される」状態に酷似している。
哀れ、勇者は日が暮れるまでおおがらすやスライムと突っつきあい、時には死ぬ目にあい、ボロボロになって帰宅しても寝るだけ、という生活を送ることになる。
OJTも何もあったものではなく、これはまさに「新卒に対して即戦力を期待する企業」と同じなのではあるまいか。なんということだ。労働局をー!労働局を呼べー!
え?勇者一行が全滅したら生き返らせてくれるだろうって?あのですね、死ぬまで特に援護もせずに放置しておいて、死んで戻ってきたら一人だけ生き返らせて「しんでしまうとはなさけない!」と罵倒する上司の一体どこにホワイト分があるのですか。営業でボロボロになって帰ってきた新卒を罵倒する上司と同じですよ。
アリアハンの王様マジブラック。多分、ブラック企業と噂される上司の中には彼を参考にしている人が結構いる筈。
で。上では被害者となっている勇者だが、実は彼も冷静に考えるとあまり褒められたもんじゃないことをしている。
ドラクエ3における雇用市場は結構流動的で、その存在はルイーダの酒場に担保されている。ルイーダの酒場は冒険におけるハローワーク的なものと判断してそれ程間違いではないだろう。
で、ルイーダと話をして仲間を雇い入れる勇者がこの場合雇用主に当たると思うのだが、
・労働時間不定(場合によっては24時間以上の連続稼動もザラ)
・研修制度なし(即実戦)
・基本的に無給(描写がないのでよく分からないが、仲間の人数によってモンスターを倒したときの報酬が変わっている様子がない)
・非常に頻繁に危険作業がある
・基本的に外泊強制
・雇用保証なし
と、これもまた想像を絶するブラックっぷりであり、場合によっては遠く離れた開拓地に置き去りにされたりする(その後現地に投獄)。ブラックの子はブラックというべきか、いくら何でもここを越えるブラック雇用形態は日本にも存在しないのではないか。
勇者パーティマジこえぇ。俺がアリアハンに住んでて、友達が「俺ルイーダの酒場に登録するんだ…」とかいったら体を張って止めます。
ことほど左様に、ドラクエ3の雇用形態はマジ地獄なのであった。日本がまだアリアハン並みにはひどいことになっていないことに感謝しつつ、私の希望職種は序盤の街で「ここは○○のまちだぜ」って台詞だけを言う人なので、今のうちから練習しておきます。
本日のヨタ話ここまで。
2011年03月08日
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勇者のために王様が強い敵を選んで
討伐しているからだ、と考えると……
実は逆にとんでもない
コストをかけているのかも。
最初から多額のゴールド支給されたりちゃんと養成されて一人前の状態からスタートしたらプレイヤーは何をしたらいいんだよ
主人公を育てるのはプレイヤーにきまってるだろJK
序盤のまち周辺に強敵を配置し、
「人間掃討作戦」を実行しておりますので、
ぜひともご体験くださいませ。
(あと、自ブログでそのあたりについて大真面目で書いておりますゆえ、よろしければ↓)