こんなの。
いや、ドラクエの話なのですが。
くさりがまは、主にドラクエで著名な武器の名前である。文字通り、鎌の後ろに鎖分銅がついたものであろうと想定される。
くさりがまは、ドラクエ2では二番目の街、リリザで売っている。3ではレーベで売っている。4ではバトランドでいきなり売っているし、5はよく覚えてないが確かアルカパかどこかだ。
5は例外かも知れないが、こうしてみるとくさりがまは大体冒険でも最序盤、ちょっとお金も溜まってきたしそろそろどうのつるぎを卒業しようか、という辺りで売られている。2や3では、まあ大雑把に「序盤最強の武器」という位置づけだったのではないかと記憶している。
だがちょっと待って欲しい。何故鎖鎌なのか?
序盤卒業なのである。戦士として多少は経験もついてきた主人公一行が、更なるステップを踏む為に大枚はたいて買う武器なのである。普通はもうちょっとスタンダードかつオーソドックスな武器で戦士としての筋をよくしましょう、というところではないのか。
何故こんなトリッキーな農耕具なのか。ニンジャでも目指す気か。カムイ伝か。カムイ伝なのか。
全国2千万人の鎖鎌使用経験者各位にはわかると思うのだが、鎌 + 分銅という武器は実は大変扱いにくい。普通に鎌を振るだけならまだしも、分銅を自在に操って敵を倒すには非常な熟練が必要であり、まっすぐ飛ばすだけでもおぼつかないし、大抵の場合はぶいんぶいん振っている間に自分の後頭部に分銅をぶつけてとても痛かったりする。どう考えても戦士として歩み始めたばかりの初心者が扱うべき武器ではないのだ。
どこのご家庭にも鎖鎌の一つや二つはあるだろうし、入手性を重視しております、という話ならまあまだ分からないでもないのだが、嫁入り道具に鎖鎌の一つでも、という話はあまり聞かない。農耕具で済ませるなら素直に普通の鎌にしておけ、という話である。まあ、ドラクエ世界では嫁入り道具として一般的なのかも知れないが。
堀井雄二氏が何故「くさりがま」を序盤最強の武器に位置づけたのかについては推測する他ないが、私が勝手に妄想するのは、
・「どうのつるぎ→はがねのつるぎ」のスタンダードな進化の間に何か挟みたい
・剣の進化の間に挟むんだから他の武器だよな
・せいなるナイフ、てつのやり…あとなんだろ。鎌?
・かま、だけだと味気ない。けどてつのかまだとてつのやりと被る。
・じゃあちょっと捻ってくさりがまでいいんじゃね?
といった思考形態があったのではないか、と思ったりする訳だが、本当かどうかは勿論知ったことではない。
あと、ドラクエ以前のRPGにくさりがまという武器が使われていたのかどうかもよく知らない。Wizardryや夢幻の心臓にはなかったと思うのだが、何か初出とかあるのだろうか。指輪物語でフロドが鎖鎌振り回してた記憶もないしなあ。
結論として、ドラクエ世界では鎖鎌は嫁入り道具なのではないかという可能性を提示して本項を閉じたい。
小学生下校中に振るよね。ああいうの絶対。危ないから気をつけて振らなくてはいけない。間違っても帰宅中のサラリーマンの横を通って不故意襲撃などしてはいけない。
2011年06月03日

この記事へのトラックバック
子供って多機能でメカニカルな物が好きですし…。
ちょっとテクニカルな武器を使ってみたくなるのでは。
そしてそのうち遠からず、「やっぱり剣や槍のが良いな」と悟るわけです。
指輪物語と並んで、多くのRPGの元ネタになっている作品ですからね。
ひらがなであることに着目すると「くさりがま」。
ほーら、いろんなイマジネーションが刺激されるでしょ?(笑)
柄の部分がくさりなのか、腐ったカマなのか、釜かもしれないし…。
いずれにしても戦闘力・殺傷力は決して高そうではなく、値段もお手頃で、なんとなく強そうな武器のイメージだったから、程度の理由に落ち着きそうな…。
はぐれメタルの鎌とかあったらスイマセン。