「しょかつりょういわく、「ほかにすることはないのですか」」
が今日も冷たい。君主を相手にこのセリフ。そんなに訓練が気に入らないか、諸葛亮。開発が上限だとすることねえんだよ畜生。
ということで、光栄繋がり。今回のテーマは、三国無双の遥かご先祖様である。
「三國志」。1988年10月30日、光栄より発売。これに先立って、同年3月には「信長の野望 全国版」が発売されており、いずれもパソコン版からの移植である。9800円という当時としては群を抜いた高価さと、他のソフトとは一線を画すカートリッジの大きさが衝撃的であった。これは光栄がPCゲームでの生産ラインをもっていた為、任天堂の規格に乗らずに済んだということを聞いているのだが、細かい話はよく知らない。本当だとすると値段の高さは花札会社のロイヤリティの為だろうか。
このゲームと「信長の野望」シリーズ程強い影響力をもっているシリーズはそうそうざらにはないのではないか。私が知っているだけでも、このゲームから三国志の世界に入ったという人間は両手の指では足りない。それも全て、この初代「三國志」の悪魔的な魅力に由来しているのではないかと思う。
三國志は集めゲーである。
とかく日本人は集めるのが好きだ。様々なRPGでなかなか手に入らないアイテム集めに血道をあげる人が多いのもそうだし、トレーディングカードやポケモンが大流行りするのもその証拠の一つだ。この理由は私には良く分からない。別に日本人だけの話ではないのかも知れないし、農耕民族の血が騒ぐ、とかそーゆー理由なのかも知れない。
三國志では何を集めるのかというと、優秀な武将だ。
三國志は戦略シミュレーションである。中国は三國時代、劉備や曹操、金旋といったいずれ劣らぬ群雄から一人を選択し、その国を運営・大きくしていくのが目的だ。勿論国を大きくする為には他の国と戦わなくてはいけないし、ただ戦っているだけではあっという間に金も米もなくなる。いかにして補給物資を稼ぎ、領土を大きくしていくか、というのが戦略シミュレーションの面白さだ。
で、実のところこの辺の面白さに関しては、既に「信長の野望」が実現してくれていた。ファミコン初、と言ってしまってもいい戦略シミュレーションゲームとしては、信長の野望・全国版は十分過ぎる程の出来であった。信長の野望に唯一足りなかったのは、「部下」である。
後の信長の野望は勿論そんなことはないのだが、初代の「全国版」にはまだ部下がいなかった。いるのは大名のみ。武田を選んでも山本勘助はいない。徳川を選んでも本田忠勝はいない。勿論当時はそれで十分面白かったのだが、今の視点から見てしまうとやはり寂しい。
しかし、「三國志」には部下がいた。劉備の部下にはちゃんと関羽や張飛がいたし、曹操の部下には夏侯淳がいた。無論まだこの時、三国志のことなど知りもしないプレイヤーにとっては、彼らは単なるカタカナと数字の組み合わせでしかなかったのだが。
しかし、「武力」「知力」「魅力」の三つの数字は、ユーザーを魅了した。この「武力」が高い武将は戦闘において驚くべき兵士数を敵から削り取るし、知力が90を越える武将は軍師として行動に口を出してくれる。先ほどの関羽や張飛などは「武力99」という物凄い数字を誇っており、全く三国志を知らない若年ユーザーにも彼らがとんでもなく強い武将であるということが分かった。更にその上には武力100の「リョフ」や知力100の「ショカツリョウ」などがおり、リョフなどはとにかく強いが簡単に裏切ってしまう、などといった特徴も分かった。こうして、強い武将、使える武将を集めていくことがこのゲームの大きな魅力の一つとなっていったのである。
強い武将に触れていく内には、その武将本人に対する愛着や興味も湧いてくるというものだ。例えばこのブンシュウというそれなりに強い武将は、顔がなんだか物凄いことになっているけど実際はどんな奴なのだろうとか。リクソンとかシュウユとか何だか美形が呉に集まってるんですけどどういうことですか、とか。これをきっかけに三国志にはまっていった少年少女達がかなりの数いた、という訳である。
ちなみに、シリーズの中の一作としてこの「三國志」を語ると、火計の鬼の様な強さが最大の個人的な印象である。この「1」のみは、火に囲まれて逃げ場がないという状況に陥ると、どんなに兵士数がいようが退却か全滅か、という二択に追い込まれることになった。これを利用すれば、どんな弱小軍団でもやり方次第で大軍に勝つことが可能だった。2万の兵士数を擁する呂布や許猪といった猛将を、火計で一網打尽にするのが当時私が好きだった戦法である。まあ、これをやると画面中火の海になって処理速度がエライことになる訳だが。
そして、音楽も実に渋く、かつ味があって大変にお気に入りである。特に呉の通常国の音楽が染みる。音源こそ今から聞けばチープだが、一聴の価値がある名曲揃いといえるだろう。
ということで、私は今夜も馬超を使って孫氏を蹴散らしてこようかと思うのだよ。
2005年02月25日

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Excerpt: gQ[ QO ~Ou~
Weblog: Venicia Mentzed
Tracked: 2006-03-21 16:22
彼女はいい曲作るよね。
信長は昔、少しやったことがあるよ。
三国志はやったことない。
ただ、歴史物マニアなので、
一度やってしまうと確実に抜けられなくなりそうだから
あえて手を出してない。
>三国志と信長の音楽は菅野よう子だった気がする。
菅野よう子さんは良いであるな。でも、信長は違うかも知れない。大航海時代は確実。
三国志、貸そうか?
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FDEH/
容量的にきついのか、作曲家と喧嘩したのか知らんけど。
情報ありがとうございます。菅野さん、そんな初期の頃から関わってたんですな。
そういえば「ザ・ベストオブ光栄Vol.2」っていうCDをもっていたことを思い出して引っ張り出してきましたが、どの曲もやはり名曲揃い。比叡山燃ゆとか。
「武将風雲録」のサントラは、そういえば最後の曲にオリジナルのボーカルが入ってた様な覚えがあるんですが、あれは誰だったんだろう。
>>大航海時代Onlineさん
コメントありがとうございます。携帯電話でってのは、三國志のことですよね。音楽なしはちょっと寂しいですね。
でも、初めてやったのは5のころ。
それまでは高くて手が出なかった・・・。
手を出すと間違えなく止まりませんね。
戦術なんて無視のごり押しプレーだったけど。
コメントありがとうございます。三國志もハマると怖いゲームですよね。
ところで私が知っているしんでぃさんですか?