いや、私は別に人事担当でもなんでもない若造なんですけど、なんか行きがかり上何回か二次面接をやったので、ちょっとその際のことを。
まず最初に、新卒の二次面接をやれといわれた時、どんな人材が会社に必要か、どんな人材なら来て欲しいと思うか、基準を考えてみた。あまり「面接をやる側」のHowToみたいなものを読んだことがないので、一般的なものなのかどうなのかは知らない。
・中途採用とは違って新卒採用なので、当然ながら即戦力である必要は全くないし、即戦力など期待してはいけない。
・「常識的な言葉遣い、常識的な受け答えが出来る」ということについては最低限見なくてはいけないだろう。まあ、それが出来ない人は一次で落とされてるのかも知れないけど。
・面接での作法みたいなものについては私自身が良く知らないのでどうでもいい。
・当然のことながら、将来的に仕事が出来るようになって欲しいので、仕事内容を学習する能力は必要だと思う。
・学習能力や理解力があるかどうかは、仕事の分野によっても変わってくるので一概に見分けるのは難しいけれど、「ある分野に対して興味をもって、その分野を掘り下げることが出来るかどうか」「掘り下げた内容を人に説明することが出来るかどうか」「わからないことがあった時どのように解決しようとするか」「分からないことをどうやって発見するか、という問題把握能力」などについては、ある程度一般的な基準になるだろうと思った。
・あと、業種によっては、単純作業にある程度の耐性があるかどうか、ある程度緻密な作業が出来るかどうか、ある程度論理構成力があるかどうか、人と話をするのが苦にならないか、といったことを確認する必要がある。直接聞いたらyesという言葉しか返ってこないと思うので、出来れば何かしらのエピソードのついでに確認したい。
・会社や仕事に対する熱意とか、第一志望かどうかなんて話は全くどーでもいいと思ったので全スルーした。そんなもんは就職してからゆっくり考えればいいし、優先度が高いところに受かったらそちらに行った方がいい。
・ただ、就職する動機については、単純に興味があったので聞いてみた。適切な建前を構築出来るかどうか、あるいは不備がない範囲で本音を言えるかどうか。これはコミュニケーション能力の内だろう。目的意識がはっきりしている学生さんは、まあそれはそれで頼もしいけれど、そういうのは仕事を始めると色々変わってくるものだ。
大体上のような方針を、事前に用意しておいた。
で、以下は、その時思ったこと。
・こちらは、基本的に「アピールの機会」のつもりで色んな質問を投げているのだが、それをこちらの意図通り「機会」として捉えられている人と、「超えなくてはいけない障害」「口頭試問」として捉えている人がいたように思う。人によるのかも知れないが、前者の方が個人的には好印象だった。
・面接する側は、当然のことながら手元にある履歴書や、履歴書に添付された成績表を見ながら質問をする。それ程奇をてらった訳ではないので、一般的な「面接のコツ」的なものを読むよりは、自分の履歴書と成績表を見て、これを見たら面接する人はどういう質問をするかなあ、ということを考えておいた方が有益なんじゃないかと思った。というか、書いてあることについて質問しただけなのに、なぜかテンパってしまった人が結構いた。いや、その、あなた自分で書いてるやん。
・私は自分の知らない専門分野の話を聞くのが好きなので、成績表を見て、その人の専門分野について聞くことは多かった。これは、上の方で書いた「学習能力があるかないか」を確かめる為の質問のつもりだった。この時、凄く楽しそうに話す人についてはいい印象が残った。その人は、「好きなこと」を自分の専門として、それに打ち込める人だ、と思った。一方、「好きだからその分野を選んだ」といっておきながら、自分の専門分野について全く楽しくなさそうに話す人もいて、若干首を傾げるところもあった。
・私にとっては、なのだが、質問に対して即答えが返ってくるよりは、ちょっと考えてから、あるいは考えながら答える人の方が好印象な場合が多かった。勿論一概には言えない話だが、「即答しなくてはいけない」と慌てる必要は全くないのに、と思った。
・いや、その、趣味の話をする時は、別に話のきっかけが欲しいわけでも世間話がしたい訳でもなく、あなたが「自分の好きなものを人にどうやって説明する人なのか」知りたかっただけですよ?
・注意して聞いていれば突っ込みどころがある業界説明をしてみて、終わってから「何か分からないことはありましたか?」と聞いてみる、というのはやってみた。話を良く聞くのは大事だと思う。
・一方、こちらから「何か質問はありますか?」と聞く前に、「質問してもよろしいでしょうか?」とか結構鋭い質問を投げてくる学生さんもいて、出来る人だなーと思った。
そんな感じだった。
繰り返しになるが、上の「思ったこと」が一般的なのかどうかは知ったことではない。
正直なところ、新卒の学生さんとの面接などというものは私自身経験不足なので、きちんと学生さんを見ることが出来たかについてはいまいち自信がない。今後とも研鑽していきたいと思う所存である。
ちなみに、以前、主に中途の人の面接を何回かした時思ったことは下のエントリーで書いたので、よかったらこちらもご参照を。
面接官をやり始めて分かったことと、思ったこと。
2011年10月18日

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新卒採用の面接をやった時、どんな意図で面接に臨んだか淡々と書いていくよ: 不倒城
Excerpt: 新卒採用の面接をやった時、どんな意図で面接に臨んだか淡々と書いていくよ: 不倒城
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Tracked: 2012-01-13 20:33
情報の非対称性を使うゲスい交渉をしかけてもそれに沿うように媚び売る馬鹿しかこないだろ?
なぜ、閉塞感が広がり、それに伴いあらゆるモノが低迷しているか再考してみたらどうだろう。
上澄みをすくうつもりで、ふるいにかけて、金の卵を捨ててる事に気づかないから愚かな連鎖が続くのでは?
人事から、「これこれこういう基準で選抜するように」と指示されていない時点で、優秀な人材を得るための期待を何も持たれていないか、そもそも人事部自体にビジョンが無いことが明々白々。
それよりも、自分が選んだ人材を見て、自分自身が評価されていることに気づく方がよい。
「あいつの選んだのはこいつらか、、、。あいつ人事に入れようかと思ったけどやーめた」みたいに。
そう見えるだけで本人はすごく楽しく語ってるのかもよ
それを見抜けてないだけの可能性も
これを読んで反発する学生は、面接官に期待を抱きすぎでしょうね。ここまで考えて面接官やる人なんてごく少数派でしょうから。大企業では、「優秀な人を採る」ではなく、「問題のある人を落とす」のが目的ですからね。
中途面接のエントリーと比較するとより面白いですね(内容のポイントも違うので単純比較はできませんが)。
特に「好きでもない(けど浪人できないからそこに足を突っ込んだ)専門分野」を思い出して。
等々、いわゆる採用”試験”の面接をやっておいて、
>「超えなくてはいけない障害」「口頭試問」として捉えている人がいた
ことを云々いうのはどうなの?
面接官の態度って、もちろん学生も見てる。
質問しておきながら欠片の聞く気もない営業スマイル人事とかも全然珍しくないし、そういう空気に学生って意外と敏感。
社会人経験を元に思考できない分、その場の空気を読んで何とかしようとするんだよね。この態度がピント外れで、かえって裏目に出てるんだけど、なかなか本人は気付かない。面接官は大概自分が学生だったときのことは忘れてるから(あるいは採用”試験”は受けなくて良かったご時世)、このズレがなかなか埋まらない。