2005年03月17日

レトロゲーム万里を往く その23 〜さんまの名探偵〜

万事、形あるものは時を経て歴史になる。

例えば昨日配られた古新聞は、十年を待たずして図書館の歴史資料に納まる。戦時中の千羽鶴は博物館のショーケースの中に収まっているし、3000年前にありふれていた食器は今では科学者の研究対象だ。ゲームも然りで、レトロゲームは時として、そのまま当時の歴史を語る証人となることがある。

いや、一体何を大上段に振りかぶっているのかと思われるかも知れないが、これがさんまの名探偵のキャストを改めて確認したからなのだ。振りかぶるどころか、上段面打ちを100セットくらい素振りしたくなる様な面子である。

フロントキャストに限って、ざっと挙げてみよう。

・明石家さんま
・桂文珍
・オール阪神
・オール巨人
・横山やすし
・西川のりお
・島田伸介
・今いくよ
・今くるよ
・太平サブロー
・太平シロー
・吉本たかゆき
・吉本あや

うわー。

レトロゲームコーナーで芸能界の話をくだくだと続けるつもりもないが、なんというか、期せずして「栄枯盛衰」の意味を深々と思い知らされる面子である。まだ全国区の最前線で活躍している名前もところどころ混じっているところがむしろ凄惨だ。かつてこのゲームを、「十年後にこれ遊んだらどう思うかなー」と思いながらプレイした覚えがあるが、まさかブログで実体験することになるとは思わなかった。

別の意味で時の人となっていた某伸介氏から、故人となった横山師匠まで出演していたことを思うと、はっきり言ってこれは歴史である。歴史アドベンチャー。なんかちょっと時の旅人みたいな響きだが。

壮絶な勢いで最初からわき道に突っ込んでしまった。マリオカートで言えばジュゲムが頭の上をふわふわと飛び回っている状態である。そろそろゲームの話に戻ろう。

「さんまの名探偵」。1987年、ナムコより発売。

吉本興業のパーティーにおいて、桂文珍が殺された。犯人は誰かを突き止める為、主人公であるプレイヤーと明石家さんまが協力して事件の真相を追っていく、という筋のアドベンチャーゲームである。上記の通り、登場キャラは片っ端から吉本関係者。当時ギャラは一体幾ら必要だったのかわからぬが、まだゲームの認知度が高くなかったということもあり、もしかすると意外に安く済んだのかも知れない。今やったら幾らかかるやら。

主人公は基本的に手や口を出さず、さんまに様々な指示を出して捜査をすすめていくのが特徴。ポートピアやオホーツクと同じ作りであり、エニックス風に言えばさんまがヤスである。残念ながら犯人ではないが。

一見すると芸能人ネタのキワモノゲームの様に見えるが、実際のところAVGとしての作りはかなり良質であり、当時から息の長い人気を博していた。

FC時代のAVGは、展開はともかくとして操作感が非常に単調であり、プレイヤーが飽きやすいという欠点を常に抱えていた。推理小説はページをめくっていればいつか勝手にエンディングを迎えるが、ゲームの場合そうはいかない。インターフェースで飽きられると、詰まった時点でプレイヤーに投げ出される恐れがある。ポートピア以降、そこをどうやって克服するかというのは常に開発者の目標であった訳だ。

これに対する工夫は様々だ。幾つか例示してみよう。

・ゲームの展開によって操作感が全く変わるタイプ:神宮寺三郎、ジーザスなど
・ゲームの展開によって視点が変わるタイプ:遊遊記、えりかとさとるの夢冒険など
・ゲームの展開によってRPG風味が加わるタイプ:クレオパトラの魔宝、サラダの国のトマト姫など
・ゲームの展開によって凄い勢いでゲームオーバーになるタイプ:シャドウゲイト、AKIRA、時の旅人など

なんか書いている途中で、このネタもうちょっと掘り下げられる気がしてきた。上の話無し。その内別枠でやることに予定変更。

さんまの名探偵の場合、基本的ながらも起伏の激しいストーリーもさることながら、さんまのキャラクターに支えられた随所の小ネタと、あちらこちらにちりばめられたミニゲームがプレイヤーを飽きさせなかった様に思う。ギャラクシアンを自らパロったギャラクシガニや、伸介とのおっかけっこなども印象深いが、個人的にはやすしとの競艇ゲームに当時エラくてこずって、これだけの為にピアノ撃ち(連射方法の一種)を練習した様な覚えがある。熱い戦いであった。

ストーリーの軽快さも特筆すべきだろう。何せ元々が芸人ズであるが為に、キャラの個性づけや説明をくだくだと行う必要がない。その為、話のテンポや会話のリズムが非常に良い。この辺は芸能人ゲームの明らかなメリットであろう。まあ、文珍さんはエラい扱いではあったが。

会話内容も、芸能界話や各氏の個性を前面に押し出した内容になっていて面白い。シローは何かというと人を殴りたがったりとか、巨人がスランプであったりとか、今も分からないんですけどやみのていおうっていう言葉がごくナチュラルに使われてるのは一体なんですか西川さん。

また、ゲーム中ある場所を調べると、ビートたけしの写真が手に入り、さんまがそれをびりびりと破り捨ててしまうという演出があった。当時これが「ナムコがタイトーをライバル視している証拠」などという話があったが、流石にまあ穿ち過ぎではないかという気もしないではない。

ところでさんまが犯人でこそないが、このゲーム、展開的にはあちこちにポートピアのオマージュが見受けられる。発売から20年近く経ってネタバレを気にしてどうすると思わないでもないが、金庫室のアレとか伸介のソレなどなどである。プレイ出来る環境にある人は、遊び比べてみても面白いかも知れない。
posted by しんざき at 01:15 | Comment(6) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
漫画なんかのCMネタみたいなもので、風化してしまう人は風化してしまいますね。

チャイルズクエストを思い出しました。
あれも"きりこ"以外はどこへ・・・
Posted by いす at 2005年03月17日 12:54
>いすさん
>漫画なんかのCMネタみたいなもので、風化してしまう人は風化してしまいますね。

いやー、風化どころか一部の人は灰化とか硫化とかしている様な気もしますが、あんま言うとちょっと怖いのでやめておきましょう。関西の人の意見を聞いてみたいです。
Posted by しんざき at 2005年03月17日 19:26
さんまの名探偵、かなりはまったゲームでした。何か上から降ってくる障害物を避けてセーブ用のアイテムを取りにいったような。僕は関西人(奈良)ですが、太平シロー氏&吉本2氏を除けば全員現役の印象です(ちょっと前CGのやっさんと西川師匠が漫才していましたよ)。

AVGの単調さ工夫論も楽しみにしてます。個人的には、無理やり音声合成に挑んだデットゾーンとか印象深いですねえ。
Posted by きうら at 2005年03月18日 23:07
>>きうらさん
>>セーブ用のアイテム
一番最初の、そうさメモとりにいく時のミニゲームですね。ナムコはミニゲーム一つとっても結構ちゃんと作るのが流石でした。

なんと、サブローさんは未だ現役でしたか。うーん、我ながら情報収集が足りないなあ。CGのやっさんには涙。
Posted by しんざき at 2005年03月19日 11:08
はじめましてー。
太平サブローさんは現役どころか関西ではレギュラー数本持ってる人気芸人ですよ。
今は若手のピン芸人が流行りだから関西の漫才師とかは全国的には出てないんでしょうねぇ。
漫才番組などがあると今いくよくるよのお二人もよくみます。

しかし、さんまの名探偵は懐かしい。
パスワードが何度メモっても次のプレイで無効になるので一気にクリアした思い出があります。
Posted by まやまや at 2005年03月29日 03:49
>まやまやさん
コメントありがとうございます。関西の方では皆さん活躍中なんですね。同じキャストで続編作れそうだな。

>今は若手のピン芸人が流行りだから関西の漫才師とかは全国的には出てないんでしょうねぇ。

むむう。私は最近のテレビとかに疎くって、流行りのピン芸人の方を実はあまり知らなかったりするのですが、ネタの方向性も変わるもんなんでしょうか。

>一気にクリアした思い出があります。
一気にクリア出来るボリュームだったことも特長の一つですね。
Posted by しんざき at 2005年03月29日 11:26
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