2005年04月02日

ゲーム悪影響論がはびこるとそんなにまずいですかね。

ゲーム悪影響論がはびこる理由

違うんじゃねえかなあ、と思う。啓蒙て。そりゃあちょっと何か勘違いしとりゃせんですか、という感じだ。純粋なのもいいがTPOってものがある。

上記の文章をざっくりと要約してみると、

・ゲームの悪影響論がまかり通るのは、ゲームについて良く知らない人が、意外に報道関係者に多いからだ。

・ゲームに対する偏見をただす為には、ゲームについてもっと分かり易く皆に知ってもらわなくてはいけない。

骨子はこんな感じになるだろう。

そして、論点は二つに絞れる。

○ゲームに対する偏見が報道されるのは、本当に「ゲームに対する無知」が原因なのか。

○ゲームに無知な人が多いのは何故か。

まず前提条件として一つ確実に言えることは、ゲームに悪影響が全くない訳ゃないでしょ、ということである。
それが何であれ、ある世界にどっぷりと漬かれば、漬かった人間に全く影響が出ないということは基本的に有りえない。受け取った人間に全く影響を及ぼさない情報にはそもそも存在価値がない訳で、その点「ゲーム」という仮想世界に触れた時、プレイヤーに影響がない筈はないのだ。というか、影響が全く出ないゲームなんてむしろゲームとしてダメだろ、という感すらある。その中には当然、悪い影響もあればいい影響だってあるだろう。

勿論それは読書だろうが音楽だろうがテレビだろうがスポーツだろうが同じな訳で、特にテレビなんぞは多分ぶっちぎりで影響力が強い。何でゲームだけ叩かれるのか、という点では不公平ではある。というか、ゲームに対する報道を見て不愉快になる人は、殆どはこの不公平感を感じてのことなのではないか。

その上で、まずは前者の問題。ゲームが叩かれるのは何でか、という点。

結論から先に言ってしまうと、例え遍くマスコミ関係者にゲームの正しい知識が知れ渡ったとしても、別に報道にはたいした影響は及ぼさないんではないかと思う。

そもそも何かが叩きの対象になるというのは、単純に必要性と力関係の問題である。必要性は、なにか「悪者」が必要である状況であること(例えば少年犯罪が起きたときとか)。力関係は、叩いてもマスコミ関係者が不利益を蒙らないこと。この辺は、以前「ゲーム脳」などの報道に関して・雑感でも書いた。テレビが何で大々的に叩かれないかというと、テレビはマスコミ陣営の武器だからだ。スポーツが叩かれない理由も同様。話は単純なのである。

手前みそだが、繰り返すのも何なので前のエントリーから引用してみる。

ゲームやアニメにしても、別段社会に反する意図はないであろう。彼らが何故レッテリングに扱われ易いかというと、それは大体以下の二点に原因がある様に思われる。

1.社会の多数派から見てマイナーであり、理解を得られていない。或いは、理解しにくい、するのに抵抗がある。
2.害悪であるとした場合に、マスコミに対する負の影響が少ない。


故に、マスコミ関係者がゲームについて知っているかどうかは、多分あんまり関係がない。ことは徹頭徹尾商売の話なのだ。故に、ゲームが迫害されない為には、ゲームを迫害する報道をしても視聴者に受けない、という状態を作る必要がある。と、ここまでは前回エントリーで述べた内容とも被る。

次に、何故ゲームの認知度が社会全体から見れば非常に低いか、という話。これも、もしかすると以前ちらっと触れたかも知れない。

ゲームのタイトル数の余りの多さが、ゲームの認知を邪魔している。これは多分間違いない。

社会において何かの認知度が上がる為には、「話題に上る」ということが絶対に必要である。

そして現在のゲーム業界においては、あるゲームを普通の社会生活で話題に上げるということが既に難しい。例えある人が一つのゲームにはまったとしても、他の人がそのゲームをやっているという可能性が低過ぎるのだ。即ち、普通の社会生活の上での会話において、ゲームが題材になること自体が少ない。かつての「インベーダー」や「テトリス」の様な、普通のサラリーマンでも大抵一度はやったことがある、という様なタイトルがないと、認知を劇的に高めることは困難だ。

上記に関連して、ゲームは「話をあわせる」ということも非常に難しい。野球やサッカーなら「全くルールを知らない人」というのはどちらかというと少数派だが、ぷよぷよのルールを知らない人は一般社会では割と多い。ドラクエだろうがICOだろうがその点それ程の違いはなく、ゲームのルールが複雑である上にタイトル間の互換性が少ないとなると、むしろ話題に上る方が不思議である。

と、しょうもないことをだらだらと書き連ねては来たが。そもそも何故ゲーム関係者が、こんな方向でゲームを弁護しなくてはならんの、という感もないではない。無理解上等、という風には思えないもんか。

こんだけゲーム業界が斜陽斜陽といわれている中で、こうも敵対ツールとして使ってもらえるというのはむしろ誇るべきではないかと思うのだが。およそクリエイターであるならば、自分の作品が影響力を有しているということは胸を張って自慢していいと思うし、実際のところ胸を張って自慢している人は結構多いのではないか。少なくとも、DOOMやモータルコンバットみたいないかにも悪影響の出そうなゲームの作者達が、現在の少年犯罪に対してコメントしているところ、私はあまり聞いたことがないのだが。

どうせ悪影響がどうとかの報道に釣られる様な人達は、放っといても売上に貢献などしやしない。誇りをもって、「どんな悪影響が出ようとやりたくなる様なゲーム」を作って欲しいと思う。ゲーム脳上等。世間の評価も、それでこそ正当なものになっていくというもんだろう。

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(追記 05/04/03 14:11)
こちらのエントリーに、頂いたTBへの返答を載せました。

どっちかというとマスコミの報道方針の方を主軸に考えてたんですが、タイトルまずかったですね。ぐはう。

posted by しんざき at 01:38 | Comment(16) | TrackBack(3) | レトロでもないゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
前前から考えてはいたんですが
ゲームに限らないが「物語」の作成者の最終目標は
「見た人に影響を与える」事だと思うんですよね
それこそどっぷり感情移入させる事ではないかと
違うというのなら前述のゲームにおけるストーリー
など必要視されんと思うんですよねえ・・・
売れるから物語にするってだけじゃ説明書の1ページ目
にあらすじでも書いて終われば良いはずですし
Posted by めあ2 at 2005年04月02日 12:25
や、ゲーム叩くのって単純に人気取りとしての「悪役」に仕立て上げてるだけでしょう?って私は考えてまふ。
誰の人気って?そりゃ得票権持ってる50歳以上の団塊世代に向けでですよ。
未だにその人たちが、選挙における「固定票」の90%以上を占めてますからね。
でその人たちを結び付けているのがTV、で理解できないものとして槍玉に挙げ。その話題を共通項としてさらに関係を深めるきっかけとし。そのまま「固定票」として取り込む・・・
最近そういう形だと分かってしまってTV見なくなりましたからね。私・・・
Posted by エト at 2005年04月03日 01:11
>めあさん
>ゲームに限らないが「物語」の作成者の最終目標は
>「見た人に影響を与える」事だと思うんですよね

そうですねー。だから、ストーリーが良く出来たサウンドノベルとかが名作って評価を受けるんでしょうね。

>説明書の1ページ目にあらすじでも書いて終われば良いはずですし

ヴォルガードII・・・いや、なんでもないです。

>エトさん
コメントありがとうございます。

>>ゲーム叩くのって単純に人気取りとしての「悪役」に仕立て上げてるだけでしょう?って私は考えてまふ。

そうだと思いますよ。受けなきゃそもそも番組は作られません。ただ、何故「悪役」にゲームとかアニメが選ばれるのか、というのは力関係の問題です、という話で。その辺りは、文中で触れてる前回のエントリーでも書いているので、もしよろしければ見て頂けると。

>未だにその人たちが、選挙における「固定票」の90%以上を占めてますからね。

固定票に関してはその通りですね。ただ、票田とマスコミの既得権益は、直接は結びつかないかも知れません。間接的には色々あると思いますが。
Posted by しんざき at 2005年04月03日 01:35
 ゲームが叩かれるのは仕方がないかなと思います。だってわかりやすいんですもの。
 誰から見てかというと親。親の目の届く範囲でゲームをしている姿を見られるのもポイント。
ちらっと見るだけでゲームや漫画はまるわかりですから。
しかも一緒にいる時間でゲームの比率が高ければ風当たりも強くなるのでは。

 悪影響論がはびこると不味い点はマスコミの報道を真に受けて、ゲームを買い与える
親の財布の紐が締まってゲームが売れなくなる事ですね。
Posted by ごえ at 2005年04月03日 01:36
直接内容には関係ありませんが、読んで若干違和感があったのでコメントに書きます。

感じた違和感の原因は多分次のことだろうと思います。
タイトルの「ゲーム悪影響論がはびこるとそんなにまずいですかね。」を見て『ゲームの悪影響論がはびこることの利点』が書かれていると期待(:予想)したのですが、
内容はどちらかと言うと「ゲームの悪影響論がはびこるのは本当に時代の不幸か」というタイトルでもつけた方がしっくり来る感じがしました。
(ここでいう『時代の不幸』とは『今のメディア関係者がゲームを知らない人ばかり』で、『今の世間にゲームに拒否反応が多い人が多い』という、TVゲーム自体ではなく、その置かれている環境が原因で悪影響論がはびこっている、という主張)
私の読みが悪く、書き手の意図に反した解釈をしているかも知れませんが、ご容赦ください。

異常な事件の原因を何か一つのものに(冤罪だとしても)求めることは、原因が分からない不安を取り除くためには必要悪かも知れません。
特に、傍から見て気味悪がられる向きのあるオタク文化は格好の標的なんでしょうねぇ。
Posted by STTS at 2005年04月03日 03:38
ゲームを馬鹿にしてる人間ほど、普段それほどたいしたことしてないっていうのもあるしね。
Posted by オズマ at 2005年04月03日 10:13
>>ごえさん
コメントありがとうございます。

>しかも一緒にいる時間でゲームの比率が高ければ風当たりも強くなるのでは。

そうですね。親としても子供と相互理解が出来ないとなると不安でしょうしね。

>親の財布の紐が締まってゲームが売れなくなる事ですね。

それに関しては、こんな報道が始まるずっと前から同じ構図なので、親を言いくるめる子供の才覚に期待してもいいんではないか、とは思うんですが。
Posted by しんざき at 2005年04月03日 14:33
>>STTSさん
>タイトルの「ゲーム悪影響論がはびこるとそんなにまずいですかね。」を見て『ゲームの悪影響論がはびこることの利点』が書かれていると期待(:予想)したのですが、

いや、すいません、TBも頂いてから思ったんですが、タイトルちょっとまずかったですね。「ゲーム悪影響論がはびこる理由」という記事がありまして、そこにマスコミの話が取り上げられていたから書いた記事なのでこんなタイトルと内容になりましたが。実際は、私がテーマにしてたのはマスコミの報道姿勢なので。

私はゲームのゲの字もマスコミに触れられていなかった時代のゲームが趣味な人間ですので、どんな方向であれ話題になるということ自体が利点といえば利点だとは思いますが。

>原因が分からない不安を取り除くためには必要悪かも知れません。

必要悪というよりは、需要悪ですね。実際に必要かどうかは分かりませんが、需要があるのは確実です。

>オズマさん
某ゲーム脳の森氏に関しては割とおっしゃる通りだと思います。
Posted by しんざき at 2005年04月03日 14:37
たとえばつい5年前、携帯電話は社会の害悪でした。20年前マンガはPTAの敵でありました。また30年前はTVも、もっとさかのぼるとラジオも、映画も、西洋建築でさえ日本では異物として断罪の対象になりました。

 では、それらがどうやって受け入れられる世界になったか?答えは簡単。普及率と時間です。

 この2点が一定量を超えるまで生き残れば、それは文化と見なされます。
ゲームにあと15年、それだけの力があれば世間でも認める文化となりえるでしょう。マスコミの煽るその場限りのパッシングに焦る必要はないです。
Posted by こも at 2005年04月03日 18:55
>こもさん
>また30年前はTVも、もっとさかのぼるとラジオも、映画も、西洋建築でさえ日本では異物として断罪の対象になりました。

そうですね。社会的に未知のものというのは、どうしても「適切な悪役」になってしまうんだと思います。こういっている私だって、良く知らない新興宗教とかにやはり結構先入観はありますからね。

ただ、「適切な悪役」を決定するのがマスコミだという現在の構図にはちょっと違和感を覚えますが。

>ゲームにあと15年、それだけの力があれば世間でも認める文化となりえるでしょう。

さてさて、15年後のゲーム業界というのは一体どんな形で存続しているんでしょうか。そういう私は15年以上前のゲームが好物なんですけど。
Posted by しんざき at 2005年04月04日 00:48
僕が考えたのは、好きなものにネガティブなラベルが
貼ってある時、心によくない影響があるのではないかと
言うことです。

つまり、セックスの話と一緒なのですが、多くの人が
興味を持つにも関わらず、社会的にはそれを抑圧するような
仕組みがある場合、結果として劣等感などを産むことに
なるのではないかと思うわけです。
Posted by asdf at 2005年04月04日 09:49
>asdfさん
コメントありがとうございます。
>好きなものにネガティブなラベルが貼ってある時、心によくない影響があるのではないかと言うことです。

そうかも知れないですね。ただ、ゲームに関しては社会的に抑圧っていう程隠されてはいないかも知れないですが。あと、残念ながらセックス程の認知がないですね。
Posted by しんざき at 2005年04月04日 14:09
少なくともゲームだけ叩くのは間違っていると思う
残酷だというのなら映画などにも残酷なものは沢山ある
暴力性が増すというならヒーロー物も十分叩けるだろう
ほかにも沢山あるがこう考えてみるとテレビや映画もガンガン叩けるが、むしろ常日頃見ているテレビも大きな問題になります

知らぬ、知ろうとしない、わからない。だから禁止というのがPTAや教育委員会の考えなのでしょうかねえ
少し話がずれますが性行為も風紀が乱れるからと毛嫌いし禁止しているようですがむしろ大人達がキチンと教えてやれば問題にはなったりしないでしょう
知らぬ、知ろうとしない、わからない。だから禁止というのを改善しなければずっと今のまんまだと思います
Posted by 辻切り at 2005年04月04日 19:15
>辻切りさん
>知らぬ、知ろうとしない、わからない。だから禁止というのがPTAや教育委員会の考えなのでしょうかねえ

うーん、どうなんでしょう。まあ、PTAや教育委員会とかの頭が固いのは事実でしょうが、どっちかというと責任はその「頭の固さ」に付けこんでいるマスコミの方ではないかとも思います。

あと、ゲームだけが叩かれてる訳じゃないかも知れませんよ。最近だとニートとかヲタとか。
Posted by しんざき at 2005年04月05日 01:23
失礼します。
All About Japanの記事は、愚痴にすぎないように思います。あそこの記事は内容のあるときと無いときで大分差があり、今回は内容が無いと思います。
>ゲームだけが叩かれてる訳じゃないかも知れませんよ。最近だとニートとかヲタとか。
いやぁ、ゲーマー→ヲタというのが世間にもあるようですし、「ゲームをやりすぎるとニートになる」とか言われるという可能性も・・・。
ほっとけない、けれど大げさにもしたくない。ではコミカルにしてしまうのはどうでしょうか。
昔、超能力や心霊に関する討論番組がありましたが、あれと同様に『ゲームマン対森教授』でもやったらいいと、思います。『ゲーム脳論』ってその程度のものと認識されたらいいんじゃないかと思うのです。
Posted by にゃあ at 2005年04月06日 02:24
>>にゃあさん
コメントありがとうございます。

>All About Japanの記事は、愚痴にすぎないように思います。
確かに、ちょっと愚痴っぽいなあとは読みながら思いました。それも取り上げたくなった理由なんですが、愚痴っぽいというか愚痴だったのかアレは。
たまにですが、ああいう場所でコメントしている関係者の方は、実際に現場で血を流してるのかな、と思うことはあります。

>「ゲームをやりすぎるとニートになる」とか言われるという可能性も・・・。
ああ、なるほど。むしろ「いや、ニートになったらそりゃゲームやりまくるだろ」という「逆だろ」的意識があるんですが、これは単に私がゲーマーだからでしょうか。

ちなみに、森教授はマスコミに保護されていますので、イメージ的に不利な討論に引っ張りだすのは難しいかも知れないです。
Posted by しんざき at 2005年04月06日 13:36
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