韓流がなければまだ結構平和だったのかも知れない。
仕事中、すげーー久しぶりにとあるマスコミ関係者の人と連絡をとる機会があった。話題自体は全く他愛の無い、三国無双がどーとか楽天イーグルスがどーとかという話だったのだが、いいタイミングだと思って韓流ブームについて聞いてみた。どーも一般的なブームの動静と余りにかけ離れているなーと思うところがあったからだ。
彼は別にブームの仕掛け人の側では全くないのだが、やはり業界が同じということは大きいのだろう。面白い話がいくつか聞けた。政治的な思惑とか力関係の問題は一切とっぱらって、純粋にマスメディアとブームに関する噂話として読んで頂きたい。
一言で言うと、やはり仕掛け人の側には盛大な勘違いがあったらしい。藪をつついてアナコンダを誘致してしまったのである。
最初に、現在の「韓流」ブームの現状は結構惨憺たる有様であるらしい、ということが言える。ドラマの実視聴率は軒並み一桁台前半から辛うじて10%ちょっと、グッズの売れ行きもかなりの具合でよろしくない。明らかに「手をひきそこねた」という感が見られ、ブームとしては元がとれないことおびただしい。対外発表がどうなのかは知らないが。
ブームの動きというものは様々だが、大体は一般的な標準偏差の図と同じ様な動きをするのが通例である。つまり、時間が経つに従って山盛りに盛り上がり、更に時間が経つに従って段々と飽きられ緩やかに盛り下がる。三角形の動きと考えて良い。様々な要因が絡んで稜線が険しくなったり緩やかになったりはするが、この動きから外れること自体はあんまり例がない。また、「飽きられる」ということ以外の盛り下がり要因が発生することも割とイレギュラーだ。
まず第一に、「冬のソナタ」の人気は計算し尽くされた要素ではなかったそうだ。というよりは明らかに計算外であったというか、仕掛をやった人以外に物凄い勢いでプッシュをした人々がどうもいたらしい。それに純粋な面白さによる人気が拍車をかけて、思った以上の人気が出てしまった、ということが第一の計算ミスであった様だ。
この辺り、「らしい」とか「ようだ」という言葉が多いが、ちょっと色々と事情があって言い切る訳にもいかないし、そもそもソース自体又聞きである。ご理解頂きたい。
第二に、「冬のソナタ」のブレイクで「いける!」と判断した人が、思いっきりゴーサインを出した。日韓国交正常化何十周年だか、その辺りの話も視野にあっての判断であった筈だ。ここでの問題は、「冬のソナタは韓国ドラマだということを、皆がきちんと認識している」ということを、仕掛け人側が錯覚していた点にある。つまりこの時点では飽くまで、冬のソナタは単なる「面白い恋愛ドラマ」であり、それが韓国のドラマだということは視聴者にとってあまり重要ではなかった、というのである。
仕掛け人のこの「錯覚」が何故発生したのかは想像する他ない。つまり、仕掛け人側にとっては「韓国の」ドラマという点が非常に重要だったのだが、視聴者側は韓国をあんまり意識していなかった、という落差があったことになる。
仕掛け人側の理想の展開というものは、韓流ドラマを起点に韓国ブームが巻き起こり、韓流タレントの供給によって継続的にグッズが売れるという市場を作り出すことであったろう。その流れのまま国交正常化記念の年に流れこみ、国家も巻き込んだ大ブームにしてやれ、という狙いがあった筈だ。壮大な絵図ではある。
結論から先に言ってしまうと、「韓国」という要素をこんなに前面に出しまくるべきではなかった。元々韓国との国際関係は複雑というか、言ってしまうと「日本の人々が気付いてないから上手くいっていた」という要素が多々あったのだ。竹島問題にせよ東海問題にせよ反日教育にせよ、問題そのものは遥か以前から存在していたのだが、最近になるまで知らなかった、という人はかなり多いのではあるまいか。今まではメディアによって覆い隠されていて問題として認識されていなかった様々な要素が、韓国に脚光が当てられた瞬間に白昼に曝け出されてしまった訳である。
これがいいことなのか悪いことなのかはよく分からん。感情的には「知られる」ことは良いことだと思うのだが、舞台裏で上手いこと隠されていた爆弾にとうとう着火してしまった、という感があることも確かである。
よく言われる様に、ネットの影響力も勿論大きかったわけではあるのだが、マスコミ内部で色々と内輪もめというか、様々トラブルがあったことも確からしい。つまり、今まで皆が思っていて言えなかったことをそろそろと言い始めた、という一面もある様だ。この辺は、詳しい話を聞けなかったので明言を避ける。
話を続ける。第三に、最初に仕掛け人をやっていた人が逃げ出してしまった。
ブームというものは、作るにも継続させるにも金がかかる。最終的に飽きられ沈静化することは宿命とはいえ、それをなるべく先延ばしにし、緩く長く利益を出し続ける為には、継続的に「燃料」を投入することが必要になる。それは例えばドラマの制作や輸入であったり、韓国俳優の招聘とサイン会であったり、グッズの発売であったり、まあとにかく諸々である。
最初に「仕掛け」をやった側というのは、つまりは「冬のソナタ」とそれに続くペ・ヨンジュン氏のブームによって利益を得た陣営である。勿論この人々はその後の韓流盛り上げに続く布石は打った訳だが、実際に継続的なブームを作る役目を負ったのはどうも別の人々である様なのだ。そして、この人々は「仕掛け」側がやったヘマの煽りをもろに受けることになった。
どーも、ブームの途中から他の継続圧力がかかるようになったらしい、という話もちらほらと聞く。この「圧力」の元がどこかは知らないが、結果的に後を継いだ人々もブームを収束させる訳にはいかなくなり、現在では損害が膨らむ一方、という状況である様だ。結局のところ、韓流ブームはもうしばらくの間無理矢理続けられるのかも知れない。ご愁傷様という他ない。
部外者としての野次馬話、以上。繰り返すが飽くまで又聞きであるので、ソースの信頼性についてはノーコメントとさせて頂く。噂話、という程度で。
2005年04月16日

この記事へのトラックバック
向こうじゃ「冬のソナタ」って売れてなかったそうなんですよ。
むしろ、春夏秋冬の4部作って所に驚きましたがw
そりゃ主人公の家がツアー先にされている
民家の人が可哀想でもありますわね・・・
>向こうじゃ「冬のソナタ」って売れてなかったそうなんですよ。
そうらしいですね。それもあって、日本で売れた時は「韓国に対するブームなんだ」という勘違いがあったとかなかったとかいう話も。
(冬ソナでヨンさまの恋敵だった、パク・ヨンハファンです。)
「冬ソナ」始めいくつかのドラマは面白かったですが、
「身分違いの恋」「不治の病」「交通事故」「四角関係」などあまりにパターン化されすぎていて、さすがに食傷気味ですね。
一時代前っぽい、儒教色強い感じが、オバサマ達に(私もか)受けたのでしょうが、私は韓ドラと竹島、それはそれこれはこれって事で、分けて考えてます。
それでもCXは韓流を叫び続け(次のドラマ、買っちゃってるから)、オバサマは韓国になだれ込むんだろうな。
ふむふむ。冬ソナには純粋に、「ある意味新鮮な面白さ」みたいなものがあったらしいですね。
ただ、CXが引き続き韓流を叫び続けるのは規定路線なんですが、オバサマーズがこぞってそれに乗るかというとどうも段々微妙な情勢になりつつあるらしいです。まあ、国際関係は「それはそれ」なんですけどね。