さてここで問題です。1994年に発売されたパソコンゲームの攻略記事に、需要はどれくらいあるのでしょうか?
不倒城:レトロゲーム万里を往く その111 銀河英雄伝説4
ぺらねこ日記:銀河英雄伝説IV EXで、どんな陣営、どんな将官でも勝つ方法を伝授します。
ということで、銀河英雄伝説IVがどんなゲームかについては書きましたし、ぺらねこさんが具体的な「勝てる方法」については書かれてますので、私はもうちょっとレベルを落とした、「初心者さんがマニュアル無しでこのゲームを始めた時、一体何をすればいいのか?」という話をしていこうと思います。
今の地球上に、このゲームを新たに始めようとする人類が何人いるのかは知ったこっちゃありません。この記事に需要を生む為にも再販されるといいと思います。
長文なのでお暇な時にどうぞ。基本、「銀河英雄伝説IV EX」準拠です。
1.キャラクターを選択する
このゲームを始めると、まず最初に二つの質問に答えることになります。「戦いの舞台は?」と、「卿の名は?」です。前者がシナリオ選択、後者がプレイヤーキャラクター選択ということになります。
シナリオとしては、例えばイゼルローン攻略戦直前とか、アムリッツァ会戦前とかバーミリオン前とか色々あります。プレイヤーキャラクターとしては、艦隊がもてる少将以上のキャラクターが選択対象になります。マシュンゴ准尉とか使いたいんですが残念ながら使えません。
この際、考えるべき方針は二つしかありません。
・楽に攻略するか
・趣味に走るか
です。
勿論、あなたは銀河英雄伝説のファンでしょうから、ここは趣味に走りたいところでしょう。よく分かります。ランズベルク伯とかホーウッド中将とかバグダッシュ大佐とかに天下とらせたりしたいですよね。すいません、バグダッシュは確か少将以上に出世しないんで選べないと思いますけど。
ただ、あなたが初心者の場合は、最初の一回だけでも、ある程度楽に攻略することを企図するべきだと思います。趣味に走るのはゲームに慣れてからでも大丈夫です。
もうちょっとはっきり言ってしまえば、
・同盟ならなるべく最初の方のシナリオでプレイして、キャラクターは可能な限りヤンを選ぶ
・帝国なら3つ目か4つ目以降のシナリオでプレイして、キャラクターは可能な限りラインハルトを選ぶ
これだけでゲームが初心者向けになります。分かりやすいですね。
もうちょっと自由度を増したいのであれば、
・最低でも階級は中将以上の提督を選ぶ
・同盟で後半シナリオを選ばない
以上二点を守れば割となんとでもなると思います。間違っても、バーミリオン会戦のシナリオで同盟側バウンスゴール少将とか選ばない方がいいです。クリア出来ないとはいいませんが、本来ならシミュレーションゲームの筈なのに何故かパズルゲームになります。
2.出世しよう!!(戦略モード編)
選んだシナリオにもよりますが、自分が選んだ提督が各シナリオの緒戦に参加していない場合、最初は戦略モードになります。
銀河英雄伝説IVというゲームの流れは簡単です。
1.軍上層部の方針に「提案」という形で口を挟んで、自分の思い通りの方向に軍の動きを誘導する
2.発生した戦闘で功績を稼ぐ
3.稼いだ功績で出世して発言力を増す→提案が受け入れられやすくなる
4.最終的に銀河を統一する
こんな感じです。勿論自分が選んだ提督のポジションや、貴方の方針によって上記の流れは若干変わってきますが。
まずは、貴方が少将や中将あたりの、まだまだ下の方の階級のキャラクターを選んだ場合。色々提案しても、ミュッケンベルガ―あたりが「少将如きが口を出すな!」みたいなこと言って提案をはねつけてくる段階です。クーデターを起こしてさくっと闇に葬りたくなりますが、落ち着いてください。クーデターを起こすにもある程度出世してからの方が有利です。
全然関係ないですが、アイゼナッハは提案の時にも「・・・」としかいわないので、「・・・」に対して「中将如きが口を出すな!」と返すミュッケンベルガーさんは多分ビッテンフェルトとかオーベルシュタインの相手で疲れてると思います。
この段階で重要なコマンドを見ておきましょう。
○「艦隊」メニュー→編成・幕僚
序盤での超重要コマンド。階級が低くても比較的受け入れられやすく、戦力を整えるのに必須なコマンドです。
このコマンドでは、自艦隊を含めた自軍艦隊の、艦の編成・幕僚の編成をいじることができます。
幕僚というのは、要するに部下です。各艦隊の提督の下に、部下となる幕僚を配置することができます。幕僚の重要な仕事の一つは、提督の能力値をサポートすることです。
このゲームには、他の戦略ゲームと同じく提督・幕僚ごとに色々な能力がありまして、主なところでは
・統率:艦隊の最大士気を決める。士気が一定値以下になると戦えなくなるので、継戦能力に影響
・攻撃:艦隊の攻撃力に影響
・防御:艦隊の防御力に影響
・機動:艦隊の移動力に影響
・運営:艦隊が消費する補給物資の量に影響
・情報:艦隊の索敵範囲などに影響
・陸戦:占領コマンド、陸戦隊降下時の効果などに影響
・空戦:艦載艇出撃時の攻撃力に影響
といったところになっていて、特に太字になってるヤツは割と重要です。80超えているヤツはかなり優秀、90超えているヤツは凄く優秀、100のヤツはゲーム最強クラス、と考えておけばいいでしょう。
これら能力値の個性づけが銀英の華で、例えばヤンは統率と防御がほぼ100だけど運営はからっきしだったりするし、攻撃はビッテンフェルトが、防御はミュラーが最強だったり、機動はミッターマイヤーとフィッシャーが、空戦はポプランが、陸戦はシェーンコップが最高だったりするわけです。
で、提督の能力を基本に、部下の能力値で底上げした値が艦隊全体の能力になります。例えば、ヤンの運営は16という雑魚っちい値ですが、その下にムライとかフレデリカとかつけてあげると、なんとかかんとか60とか70くらいにはなります。ミュラーは攻撃は70でそこそこの能力ですが、部下にビッテンフェルトなんかつけると艦隊攻撃力は一気に90近くまで跳ね上がり、攻守ともに隙がなくなります。
なお、ヤン艦隊には、多くのシナリオで開始当初から「機動100のフィッシャー」とか、「陸戦100のシェーンコップ」とか、「運営96情報88のムライ」とか、詐欺くさい面子が配属されているので艦隊として非常に能力が高い訳です。彼が初心者向け提督である所以です。
一方、ラインハルト様は統率100、攻撃93、防御95という数値を始め、運営以外のほとんどの能力値が超優秀なので、運営95のシュトライト大佐を配置する程度であっさり最強艦隊になります。こちらも初心者向け提督です。
こういった形で、「提督の弱点を補ってくれる部下」を配置するのが序盤の重要な作業になります。特に最序盤は、優秀な幕僚も艦隊に配属されずに暇しているので、他の艦隊にとられない内に急いで確保しちゃいましょう。功績は艦隊内で配分されますので、あんまり部下を配置し過ぎると出世が遅くなりますが、たいした問題ではありません。
なお、提督・幕僚の能力値には、上記以外にも「工作値」という重要な能力があります。工作値というのは、要は特殊なコマンドを実行する為のマジックポイントです。
「政治工作」は、例えばクーデターを起こす時や治安回復コマンドを実行する時。情報工作は、例えば機密入手や通信妨害を実行する時。軍事工作は、例えば艦隊激励や占拠を実行する時、それぞれ特定ポイント必要になります。特に「軍事工作が4000を超えているかいないか」は、超強力コマンドである「占拠」を使えるか使えないかの尺度になりますので、4000を超えている士官はチェックしておきましょう。同盟ではシェーンコップ、ブルームハルト、リンツ。帝国ではオフレッサー、リンザー、クラップフ、グレーザーが占拠使用可能キャラです。
また、このとき、艦隊に配属される艦の内容もいじることができます。フォーメーションはある程度適当でも大丈夫ですが、基本は「戦艦ないし巡航艦をメインに、占領をするなら強襲揚陸艦の、艦隊戦をするなら工作艦の配置を検討」という感じでいいでしょう。慣れたら色々いじってみましょう。
○「軍事」メニュー→艦隊出撃
序盤での超重要コマンドその二。
このゲームの戦闘の流れは、
・軍事→「軍事作戦」でどの星系を攻撃・防衛するか決定
・軍事→「艦隊出撃」で、上記作戦にどの艦隊を派遣するか決定
という形になっています。そして、「軍事作戦」は、提案しても階級が低いうちはなかなか通りませんが、「艦隊出撃」はよほど無茶な内容でなければ結構提案が通ります。
つまり、功績を稼ぐ為に、適当な軍事作戦に割り込むことが超重要なわけです。シュタインホフのおっちゃんが「エル・ファシル攻めるよー」とか言った時、すかさずミュッケンベルガーに「混ぜてー」と割り込ませてもらうわけです。この時、敵の戦力が大きそうだったら、一緒に強い艦隊を出撃してもらうことを忘れないようにしましょう。
艦隊出撃で出撃することになったら、話は戦術モードに遷移します。後述しますが、ここでは他の重要コマンドを簡単に見ていきましょう。
○「艦隊」メニュー→艦隊駐留
艦隊にはそれぞれ本拠地が決められており、作戦が終わると本拠地まで帰らなくてはいけません。ヴァルハラもバーラトも、大抵の場合作戦地から遠いので時間がかかります。
そこでこのコマンドを使って、イゼルローンとかダゴンとかアムリッツァとか、作戦地に近い駐留基地に駐留させてもらえば、すぐ戦闘に出られるわけです。当初はなかなか通らない提案ですが、中盤以降さりげなく重要です。「輸送」と合わせて、EXで使用可能になったコマンドです。
○「軍事」メニュー→輸送
最前線で戦っていると、艦隊は割りとすぐにぼろぼろになります。そんな時、補給の艦を送ってもらえるコマンドです。特に前線に駐留している時に重要になります。
○「特殊」メニュー→提案工作
提督の「政治工作」ポイントを1000使用することで、一時的に提案通し放題のワイルドカードを手に入れることができます。これを使えば、普段通しにくい軍事作戦を通したり、金がかかる駐留基地や造兵廠をつくりまくったりするのも思いのまま。一時的に最高権力者(帝国ならリヒテンラーデ、同盟ならトリューニヒト)の気分を味わえます。ただし、もちろん予算の範囲外のことはできないので気をつけてください。
と、ここまでが初心者向け戦略コマンドなのですが、戦略編で既に恐ろしい長さになっているのでいったん区切ります。こんな需要のない記事がもう一回続くのか、と思われるかも知れませんがご容赦ください。
2013年01月07日

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特に「アイゼナッハの提案」のくだりで笑っちゃいましたw
空母だけで艦隊を(笑)