2007年01月15日

「ピンポイント」のメカニズム。



ゲームとかアニメとかのお話。

面白さを感じるツボ、というのは狭ければ狭い程威力を増す。

理由はよく分からないが、ある人のツボを凄くピンポイントに突いてくる「面白いもの」というのは、当然その人にとっては凄く面白く、かつ他の人にとっては全然面白くない可能性が高い。お笑いでも何でも同じ。

で、この「ピンポイント度」というものが大きければ大きい程、面白さもそれに比例して上がる様な気がする。それによる弊害もありそうな気がする。

ゲームで言うと、一部の人に中毒的な面白さを発揮するタイトル程、向いてない人には全く面白さを感じられなかったりする。例を出すならWizardryとか。アーマードコアとか。バトルガレッガとか。ガンパレードマーチなんかもそうだったな。

というのは、下のリンクを目にしたからである。

アニメが一般に受け入れられなくなった最大の原因

現在のアニメが一般に受け入れられてないという前提が正しいのかどうか、とか背景部分をよく知らんのだが。もしその前提が正しいとすれば、ここにはピンポイントのメカニズムが働いている様な気がする。


門外漢なればこそ分かることもありそうなのでちょっと考えてみた。既出かどうかは勿論知らない。


上のゲーム話をそのまま援用すると、

・コア層に受ける要素というものが、様々な人気アニメの分析を通してある程度固まる(どんなアニメを作れば固定ファンを獲得出来るか?)

・その要素が集約されるにつれて、作品の「ピンポイント度」が増していく

・それらの要素を「面白い」と感じる下地がない人にとっては、どこが面白いのかよく分からん作品になる

上の様な想定が出来そうな気がする。

これは多分、いわゆる「マニア受けを狙って」いるのとは少し違う。「一つ一つの受ける要素を抽出していったら、結果的に下地がない人にはさっぱりわからないものになってしまった」とでもいうべき現象だ。

例えばの話、色々なブログを回ってアニメ関連の記事を読むと、アニメの多くが「一昔前の超有名アニメ(例えばエヴァンゲリオンとかなんだと思う)」を観ているという「知識」を前提として作られているかの様な印象を受けることが多い。結果として、アニメ話が私にはよく分からない。これは「下地をもっているかどうか」の一例だ。

つまり、長門を語るなら当然背景として綾波レイは知ってるよな?といわれても、私は困ってしまうのである。いや、他に適当な例を思いつかなかっただけで、ハルヒもよく知らんのだが。

で、何故ゲームにせよアニメにせよ「おもしろ要素の集約」が起きるのかというと、「マニア層の声が開発者側に極めて届きやすい環境(要はネット)」の存在が主因だと思うんだけど、これはもう皆言ってそうだな。

要は、おもしろ要素を感じる下地をもっている人(マニア)程声が大きい。ブログに書く、掲示板に書く。開発者がそれを見て影響される。CRMが上手く働けば働く程、CRMの外にいる人に対してのアピール度が弱くなるのはどこの世界でも同じ。

一言で言うと、「開発者がマニア層のピンポイントなツボを抑えれば抑える程、一般人がおいてかれるのは当然なんじゃねえか」という話になりそう。


取り敢えずここまで。ゲーム話でもうちょっと書くかも。
posted by しんざき at 17:53 | Comment(5) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
ツボかあ。
ここ数年アニメが多すぎるし、
製作者側がツボを狙って的をはずし
かなりの作品が失敗してるからね。
見る側の目も肥えてるから難しい世界になってるよ。

私は最近は週に数作品を厳選して見てる感じ。
あ、もっけのアニメが始まったら
出来と放送局によって毎週見るかも。
あとは、竹宮女史の「地球へ」が
TVでリメイクするらしいし、
それも気になるところ。
Posted by N at 2007年01月15日 22:05
広く浅くか、狭く深くか、てことっすかね。
じゃなくて。

> 長門を語るなら当然背景として綾波レイは知ってるよな?

長門を語るのに綾波を知っている必要はないんじゃないかと、そこに食いついてしまっただけです。
私は少なくともしんざき氏よりは下地を持ってる人だから、そーゆう印象は分かんないっすね。
Posted by Zhao at 2007年01月15日 22:29
なんていうか、物心ついた時から
アニメがあって、観続けて2〜30年
(3〜40歳)っていう層がいるっていうこと
自体がこれまでなかった新しい状態なんでは。
あと、作ってる側も物心ついた時から
アニメを観てた、っていう。
時代考証が正確ではないですが、
なんとなく80年代くらいまでだと、
作ってる人自身の視聴体験がそこまで
膨大じゃないのではないかと思ったりします。

漫画もそうですが、30年とか観続けてれば
さすがに狭く深い方へ掘り下げるしか
飽きない方向が見出せない気がしますね。
Posted by や at 2007年01月16日 00:05
ツボは狭いほうが嬉しい?
猫なんかヤサが狭いほうが幸せそうですが、この場合はツボなんだから蛸あたり?

さて、例にあがっていた長門とと綾波さんの話ですが?
後追いの方が“長門”という軍艦の名前を冠しているのは綾波のコピーキャラなんですよて言う意思表示なんでしょうか?と、深読みしてみたりして。
綾波の“記号”を受け継いでるキャラって後を絶たないですよね?ナデシコとか、ガサラキとか、エウレカセブンとかも、綾波のコピー(っぽい)キャラがヒロインだったような?
私が知らないだけで、もっともっと居る様な気がするw
キャラデザインというピンポイントにおいて成功した優秀な商業モデルなのかもしれませんね。
作品としての成功は代を重ねるにつれて失われているのかもしれませんが、長門でホンの少し盛り返し?
しかし、まぁ、綾波チルドレンは息が長いですよな。

アニメやゲームを知り合いと語っていて度々感じるのは、そのジャンルが深い人ほどインタレストの幅が狭くなっているという感じです。
ちょっと前に流行ったFateというゲームはギリシャ神話、円卓の騎士、などを背景にして作られてたんですが、それを話題にしていた時
「平均的な日本人はギリシャ神話や円卓の騎士には興味がない!」と聞かされた時は、さすがに驚きました。
(事実だとしたら少々寂しく思います)
これも“下地”の一例って事なんですかね?
まぁFateというゲーム自体が最高の評価を与えたい作品か?と言われると、そうではないんですが。それとこれとは話が違うっていう気もしました。

それはさておき、己のピンポイントと他人のピンポイントがシンクロするなら、それは貴重な事であり幸せな事なんじゃないですかねー、んで、その辺が(本を作ったりするかどうかは別として)「同人」という言葉に帰結したんじゃないかと言ってみる。
して、その同人同志の中でも議論が絶えないほど、インタレストの発生する事象が複雑多様化してきているのは論を待たないところでしょう。
腐女子さんたちが好きなカップリングなんかは、その最たるトコロですよね。
日本のアニメ、ゲーム文化は(過去幾多の文明の大都市がそうであったように)高度に発展した果ての「爛熟」の時代にあると・・・そんな感じ?
そんなワキャないかw
長文ゴメンナサイ^^
Posted by あーく at 2007年01月16日 01:58
>Nさん
>あ、もっけのアニメが始まったら
もっけもアニメ化するんだ。君と私の注目ポイントはなんだか被るなあ。

あ、新年会お疲れ様でした。

>Zhao師
例が適切じゃなかったでしょか。いや、色んなサイト見てると結構そんな論調もあったもんで。

>やさん
>アニメがあって、観続けて2〜30年
>(3〜40歳)っていう層がいるっていうこと
>自体がこれまでなかった新しい状態なんでは。

それはそう思います。アニメを作る層自体もアニメ文法に親しんだ人になってる、というなんというか。

>さすがに狭く深い方へ掘り下げるしか
>飽きない方向が見出せない気がしますね
焼き直しスパイラルな気もしないではない。

>あーくさん
>綾波の“記号”を受け継いでるキャラって後を絶たないですよね?ナデシコとか、ガサラキとか、エウレカセブンとかも、綾波のコピー(っぽい)キャラがヒロインだったような?

たくさんいるみたいですね。いや、優れたキャラクターに後追いが発生するのは当然のことだし、いいとは思うんですが。

>アニメやゲームを知り合いと語っていて度々感じるのは、そのジャンルが深い人ほどインタレストの幅が狭くなっているという感じです。

これは興味深いテーマかも。その逆は私も想定してましたが。

>「平均的な日本人はギリシャ神話や円卓の騎士には興味がない!」と聞かされた時は、さすがに驚きました。

そーでもない気がします。
Posted by しんざき at 2007年01月21日 17:20
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