2013年03月11日

ウーロンは何故「ギャル」ではなく「ギャルのパンティ」を選択したのか?

ドラゴンボールの話なんですが。



タイトルから想像に難くないとは思うが、以下の文章が心の底からどうでもいい議論であり、読んだら読んだだけ時間を無駄にするであろうことは事前に御承知おきの上お読み頂きたい。時間を大切にする方はここから先を読み進めるべきではない。



皆さんよくご存じの通り、「ギャルのパンティおくれーっ!!!!」というのは故事成語の一種であり、漫画「ドラゴンボール」の二巻において、ドラゴンボールを奪取したピラフ一味の願いが神龍に叶えられることを阻止する為、ウーロンが咄嗟に横から当該のセリフを叫び、願いに割り込んだことに由来する。


結果として、世界征服の望みが叶えられることはなくドラゴンボールは四散し、ピラフの野望は頓挫を余儀なくされる。二巻時点でドラゴンボール世界を救ったのは実はウーロンであり、作中全体を通しても、世界に対する貢献度ランキングでウーロンのランクはそこそこ高い。


ウーロンが活躍する場面は「ドラゴンボール」作中でも数少なく、ドラゴンボール最序盤、まだ同作が「格闘漫画の金字塔」ではなく「冒険活劇コメディ」だった頃の重要なハイライトであったことは議論を俟たないだろう。



ここで一つの疑問が浮上する。つまり、ウーロンは何故咄嗟に「ギャル」それ自体ではなく「ギャルのパンティ」を選択したのか?



今回の記事では、ウーロンの選択のリスク・リターンを評価し、彼に他の選択肢はあり得たのか、彼の選択は戦略的に正しかったのか、ということを考察してみたい。



○議論の前提


・「ギャル」という言葉は、今でこそ大時代的に聞こえるが、当時、ないしドラゴンボールの世界観上では「若い女子」という程度の意味であることを了解しておきたい(1巻でブルマなども普通の言葉として用いている)。本稿でも、この後その意味で使用する。

・「パンティ」という言葉についてもそれに準ずる

・ピラフの願いに割り込むという関係上、思考時間は極めて短かったし、願いの文字数も限られていた。ここにも注意が必要である。

・ウーロンの目的を「ピラフの願いの阻止」のみと規定した場合、その目的は100%達成されていることも認識されるべきである。


上記を前提として考えてみたい。



○より良い選択があり得たのかどうか、という考察


結論から先に言うと、「ギャルのパンティおくれ」というのは極めてローリスクかつローリターンな選択であった、と言えるのではないかと考えられる。



ウーロンについては、wikipediaに詳しい記載がある。




また、一巻の記載などから、


・ウーロンが女好きであること

・物語当初は、怪物のふりをして女の子を攫ったりしていたこと

・ただし、攫った女の子には我が物顔で振る舞われていたこと(その為か、「大人しい女の子が欲しかった」といった台詞が見られる)


が分かる。


つまり、ウーロンには「女の子を獲得したい」という願望が元々あったが、それに失敗した経験もあった。これは重要なポイントである。



単にハイリターンを求めるのであれば、「ギャルのパンティおくれ」より「ギャルおくれ」の方がリターンが大きいことは議論を俟たないだろう。ギャルのパンティは元よりギャルから生産されるものであり、生産元を確保すれば継続しての獲得が見込めるし、パンチラその他の副次的報酬を獲得出来る可能性もあり、リターンは極めて大きい。ウーロンの当初の目的(嫁探し)を考えても、こちらの選択肢のメリットは大きかった筈である。



ただ、単純に「ギャル」を獲得することを願いにするという選択は、様々なリスクを孕んでいる。


・獲得したギャルの気が強い場合、当初のウーロンの状況のように、むしろウーロンが迫害される可能性がある

・二巻で当初クリリンが連れてきたようなヘビー級体格のギャルが選定される可能性もある

・ランチさんが獲得される可能性もあり、場合によってはウーロンの命が危ない

・まかり間違って人造人間18号でも召喚された日にはジェノサイドな展開が繰り広げられて200%死ぬ

・ギャルが神龍の好みで選定される場合、神龍顔のギャル、ないしナメック星人のギャルなどが選定される可能性も否定出来ない


ハイリスクである。


上記のようなリスクを避ける為には、「ギャル」という言葉を可能な限り具体的な内容に置き換えなくてはいけない。(ex.「黒髪清楚系美少女おくれーーーー!!」など)


しかし、ウーロンが願いを言った場面はまさにピラフが願いを口にするその瞬間であり、リスクを軽減できる言葉を口に出来るだけの思考時間も、長い単語を口にするだけの余裕もない。



そこからウーロンは、「最小限のリスクである程度のリターンが得られ、かつ世界征服阻止の目的が達成出来る」選択を咄嗟に選んだのではないか、ということと、その背景には彼が一度美少女の獲得に失敗している、ということによる防御的心理が存在するのではないか、ということが推定出来る訳である。



こうして考えると、ウーロンの選択は決して誤ったものではなく、むしろあの差し迫った状況においては最善に近い選択だったのではないか、と考えることが出来る。



僅かな思考時間で「ギャルのパンティ」という願望丸出しの願いを割り込ませつつ、ローリスクな選択肢をきっちり選んでいる辺り、ウーロンというキャラクターはなかなか軽視出来るものではない。ともすればモブになりがちなお供キャラクターにも活躍の場面を与える鳥山先生の手腕、その才覚に感動を覚えるのは一人私のみであろうか。


上記までの議論をまとめると、



・ギャルのパンティ獲得はローリスクローリターンな選択肢である

・「ギャルおくれ」という願いは意外と危ないので注意が必要

・咄嗟にローリスクな選択をとるウーロンは思ったより思慮深いキャラなのではないか

・ところでギャルのパンティが割とシンプルだったのは、あれは誰の趣味なのか。神龍の好みである可能性も否定出来ない

・そもそもあのパンティはどこから現れたものなのか。神龍がどこかから持ってきたものなのか、妙な力で生成されたものなのか

・まあ、あれがどこかから持ってこられたものであり、今頃世界のどこかで突如誰かがノーパンになっている、と考えた方が夢や希望があってその分人類が平和に近づくと思う



という、このブログが始まって以来か、というレベルに激しくどうでもいい結論が導き出せるわけである。よかったですね。>私


今日はこの辺で。
posted by しんざき at 21:52 | Comment(18) | TrackBack(0) | 書籍・漫画関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
 望まれたのが「ギャルのパンティ」である以上、最低でもあれがどこかのギャルの所持品であることは間違いありません。

 そして神龍が多少なりとも気の利く存在であれば、直前まで誰かが着用していた可能性は高いでしょう。
 あの神龍はその後、「ウパの父ちゃんを生き返らせろ」という実にアバウトな願いだって、極めて的確な形で叶えてくれています。その程度の気は利かせてくれそうに思われますね。

 また神龍が極端に杓子定規な解釈をした場合でもやはり、「どこかに収納されているモノ」でなく「いま確実にギャルが履いてるパンティ」を取り寄せてくれるものと。

 以上より、今頃世界のどこかのギャルが突如ノーパンになった可能性は極めて高いと予想されるのです。
Posted by kanata at 2013年03月11日 22:49
> 二巻で当初クリリンが連れてきたようなヘビー級体格のギャルが選定される可能性もある
連れてきたのはクリリンではなく悟空では?

> ギャルが神龍の好みで選定される場合、神龍顔のギャル、ないしナメック星人のギャルなどが選定される可能性も否定出来ない
ナメック星人に性別はないので、ナメック星人のギャルは存在しないのでは?
Posted by ベジータ at 2013年03月12日 01:55
実現不可能な願いを言った場合、不可能である故に願いを却下される可能性があります。たとえば「地球に近づいてるサイヤ人(ベジータ)を倒して下さい」や「どんな盾も貫く最強の矛と、どんな矛でも貫けない最強の盾を下さい」の類ですね。

その場合は神龍は改めて願いを聞き直すため、「先に割り込んでピラフ達の野望を阻止する」という目的達成に失敗する恐れがあります。(却下される恐れもあった。)ですので、この時点では神龍への願いは容易に達成できるものであればあるほど好ましいと言えます。

またあの時点では神龍の能力について不明な点が多かったので、「願ってないことを口にした場合にも叶えてもらえるか?」も不明でした。試しにやってみて失敗すると、目も当てられません。その点でこの願いはウーロンの心からの願いなのでその心配はなかったでしょう。

最後に、あの状況ではたとえピラフの野望達成を阻止できても、彼等の命は風前の灯火でした。仮にウーロンがギャルを呼び出して、仮にその娘がウーロンの好みで仮に相思相愛の仲になれたとしても、二人を待ち受ける運命がピラフ達に殺されるのを待つだけだとすれば、そんな残酷な人生に自分の人生初の「恋人」を巻き込むほど、ウーロンは冷酷な人間(?)だとは思えません。


>ナメック星人に性別はないので、ナメック星人のギャルは存在しないのでは?
ナメック星人に性別はありませんが、子供は産めます。例えばピッコロ大魔王や大長老様が卵を産んで種を増やしています。
子供を産むというのは女性の最大の特徴なので、そういう意味では全ナメック星人は女性のみであると考えることもできるでしょう。

そう、ピッコロ大魔王は「ギャル」であり、孫悟飯への感情も母性本能だったかもしれないのです!
Posted by at 2013年03月12日 04:52
「ギャリック」みたいな名前で、宇宙のどこかにいる「ギャル」氏(男性)のおパンティだったら悲しいですね。
Posted by at 2013年03月12日 09:16
これは視点からしてちょっと荒唐無稽ですね。
ちょっと反論したくなったのでコメントします。

まずウーロンが選択したのではない。
ようするに鳥山明が選択したわけですよね?

ですから、本当に正確に考えるとするならば、ウーロンが選択したというフィクションを鳥山明が選択した、ということになります。

ではなぜ鳥山明はそう選択したのか?を考えないと真実に近づくことは決してないと思います。
編集部の意見もあったでしょう。笑いの要素が欲しかった、ゴロの良さ、シュールさ、神龍との対比、読者への意外性の提供・・・など
要素は複雑で、最終的には鳥山さんの頭の中で決まった事ですから永遠に答えはでないはずです。

なぜこんなことを書くのかと言いますと、この記事があまりにも「論理構造が貧弱な人が陥りがちな思い込み」にあふれた典型的な文章だな、と思ったからです。

たまたまこの記事に出会ったのですが、他の記事も拝読させて頂きました。

例えば「人はなぜ読むと不快になる文章を読むのか」
という文章がありました。
いくつか仮説をたてておられて、そしてわずか数行で結論にたどり着いています。

「不快な文章をわざわざ自分から読む」という行為は、一種のSMに類似している、という割とどうでもいい結論が導き出せた訳である

仮説の検証もせずにこう拙速に結論にたどり着くのは極めて危険で幼稚な行為です。
巷にあふれている駄本、たとえばAKBやマンガ、ポップミュージックに関連した本に同様の傾向が見られます。
勝手な仮説がなぜか結論にたどり着いてしまう・・・・
AKBはキリストをなんとかって本もありましたね。読んでませんが。

まずどこが論理の飛躍なのか、どこが仮説なのかをハッキリさせなければいけないですし、もしそれができているなら、上のような文章には絶対になりません。

個人的にこういう文章を見ると、「ああ賢いフリしたい人なんだなあ」という印象を持ってしまいますし、とても危険な傾向だな、と感じます。

ウーロンの例で言うならば、仮説として
「咄嗟に本物の生身のギャルを得たら、その生身の人間と上手くやっていけないかもしれない」
と思ったのではないか?
と「想像」することができるだけです。

決して結論は出ないですし、それをハッキリと認識して文章を書いて欲しいですね。

じゃないと、例えば、とても大震災の詳細など不幸なニュースで、読むと辛い気持ちになるニュースを読んでいる方に、「読むと不快な文章を読むのはSMだ」、なんて言わなきゃいけなくなりますから。
Posted by ななし at 2013年03月12日 18:37
ななしさんのコメントがハイレベルすぎて笑っていいのかわからない
Posted by at 2013年03月12日 19:24
お、おう
Posted by at 2013年03月12日 20:30
ななしさん、それは週刊プレイボーイと教科書を同じ土俵に上げる行為ですよ。

僕のように娯楽としてブログを読む人には、『作者の意図が〜』より『ウーロンのローリスクローリターン〜』の方が楽しく読めます。

いくら正しくても楽しく読めないと…、ね?

Posted by きゃべつ at 2013年03月12日 20:54
ギャルのパンティーよりもうちの太郎を頼んだほうがローリスクローコストハイリターンザマス!
Posted by キャベツ太郎の母 at 2013年03月12日 22:36
あくまで漫画世界を漫画として捉えずに現実的に糞真面目に考えてるのがこの記事の面白さなんでしょうに>ななしさん
Posted by at 2013年03月13日 00:07
読んでいないAKBはキリストをなんとかって本を出してくるあたり、言っていることはあなた自身にもあてはまりそうですが、如何ですか?>ななしさん
Posted by at 2013年03月13日 16:52
「ギャル」ですが、この連載の当時、ごく普通に使われていたと言うよりは、
今で言う「〜女子」くらいの新しさを感じる言葉でした。
「女性」を可愛く表現する言葉が「女の子」くらいしか無かった時代へ出てきた
新種の表現なのです。

そして女性の新時代の可愛さ、若干のはすっぱ娘感を含めた言葉でもあります。
過去で言えば、オキャン(御侠)なども同系統の言葉になるでしょう。

ですので、奥手なキャラがギャルの尻に敷かれるのは定番の表現であり、定番の笑いとなります。
あそこでパンティが欲しいというのは、せめてパンティだけでも欲しい、
と常々思っていたウーロンの、素直な心情の発露でしょう。
Posted by at 2013年03月13日 18:42
ななしさんは世の中には正しいかどうかよりもおもしろい方が大事なこともあるのを知るべきですね!
例えばドラゴン○ールとか
Posted by タルタル at 2013年03月15日 17:30
ウーロンは、 ミスターサタンみたいな
ふう
Posted by お唄 at 2013年04月29日 14:19
初めまして。
何気なく「ギャルのパンティおくれ」の台詞で検索していた時にこちらの考察文を見つけたのですが、とても面白く読ませていただきました!

特に、「ウーロンは女好きだが、過去の経験があったために生身の女の子が欲しいという願いを(無意識にか)避けたのではないか」という指摘は「なるほどー」と思わされました。同時に、ウーロンという一見コミカルなキャラクターの繊細な一面を垣間見た気がします。
ななしさんの「そもそも“ウーロンの生みの親の鳥山明先生がなぜああいったシーンにしたのか?”を考えないと結論は出ない」という意見にも納得しましたが、私はどちらかというと、しんざきさんのようにウーロンという架空の存在をあえて掘り下げる方が面白くて好きです。

ところで、例のパンティについて個人的に思うことなのですが……

Kanataさんがコメントで挙げられていた「ウパの父ちゃんを生き返らせろ」という願いを取り上げさせていただくと、
例えば、ドラゴンボールの世界にも当然、「ウパ」という同名のキャラクターは多数いると思うのです。にも関わらず、神龍は間違いなく悟空の指す「ウパ」の父ちゃんを生き返らせてくれました。
同名といえば、単行本6巻で「ブルマ」という人物は西の都に(少なくとも地球上に)3人いたことがわかっています(ドラゴンボールの世界においても、同名の人物は珍しくないということですね) また「孫悟飯」に関しても、少なくとも悟空の育ての親と悟空の長男、該当する人物が二人判明しています。
作中にこういったシーンはなかったと思いますが、仮に「ブルマ(孫悟飯)を生き返らせろ」とアバウトに神龍に願っても、きっと神龍はウパのケースと同じように、その場合の「ブルマ(孫悟飯)」の意図をきちんと汲み取ってくれたのではないでしょうか。

何が言いたいのかというと、神龍の叶える願いの内容は、ある程度「(口に出されていない)脳内の願望」に依存すると思うのです。
つまりあくまで仮説ですが、一口に「ギャルのパンティ」といっても、あれは(所有者であるギャルの見た目や性格、もしかするとパンティそのもののデザインまで)きちんとウーロン好みのものを神龍が選んでくれたのではないのでしょうか?
Posted by 無駄に長文 at 2013年10月08日 14:00
ななしは融通きかないんですかね
キャラクターの立場で気持ちを考えるとか
物語の中で考えるということができてない。
Posted by at 2014年07月18日 07:58
アスペだろうねw
Posted by at 2016年04月08日 02:10
おいななし
お前今どこでどうしてる?
Posted by at 2016年06月15日 14:00
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