2013年06月11日
レトロゲーム万里を往く その117 コナミワイワイワールド
お客様の中にコナミマンかコナミレディの方はいらっしゃいませんか?
ちょっと、ゲーム業界における「看板キャラ」の話をしてみたい。ジャンルとしてはヨタ話の部類になる。
ゲームメーカーは勿論コンテンツメーカーでもあり、キャラクターはコンテンツビジネスにおける重要極まる柱の一つである。魅力的なキャラクター、知名度のあるキャラクター、人気キャラクター、それらはゲームメーカーにとって、とても強力な武器だ。自社が抱えるキャラクターをどう扱うか、というのは、そのままそのメーカーの手腕の見せ所でもある。
そんな中、そのメーカーの「顔」「看板」と言えるキャラクターは誰だろう、という話が起点になる。
看板キャラクターの定義は曖昧だが、「知名度が高く、そのメーカーの様々な広告戦略やゲーム展開の中で、メーカー全体の象徴的に扱われているキャラクター」とでもしておけば取り敢えず紛れが少ないだろう。
任天堂なら多分、毎度の名作に支えられたマリオやリンクが看板キャラになるのだろう。ナムコにはパックマンという偉大な大安定キャラクターがいる。セガならソニックだろうし、カプコンは古くは弥七やモビちゃんだったが、最近はリュウなのかも知れない。アイレムの看板は大工の源さんかスペランカー先生なのだろうし、タイトーの看板というとインベーダーなのだろう。アトラスはジャックフロストが現役だ。デコ?カルノフ一択だろ。
ところでこうして考えていった時、コナミのところでふと思考が止まる。
勿論、コナミには星の数程人気キャラクターがいる。ゴエモンがおり、ツインビーがおり、スネークがおり、ときメモの連中がおり、パワプロくんがおり、マジアカの連中がいる。
しかし、それらの中から、他のメーカーのように明示的に「看板」として扱われたキャラは?と考えると。国民的アイドル化計画のパステルか?というと、あれも「コナミの看板」として売り出されたのとはちょっと違う気がする。どうも、現役の、最近も頻繁に見かけるキャラクターとしては、「コナミの看板」というものが思い当たらないのだ。
私は考える。コナミの看板といえば、ヤツらだったろう、と。モアイであり、ペン太郎であり、そしてコナミマンだったろう、と。
コナミワイワイワールド。アクションゲーム。1988年、コナミより発売。ゲームとしては「悪魔城ドラキュラ」のほぼ発展形と言えるオーソドックスな横スクロールジャンプアクションだったが、シモン、マイキー、ゴエモン、フウマなど、コナミの歴代人気タイトルのキャラクターが操作可能ということで大きな人気を博した。
ファミコンジャンプと並んで、いわゆる「オールスターゲーム」の草分けの一角と言っていいだろう。この後、例えばスマブラやマヴカプ、KOFのように、「キャラクター総出演のオールスターゲーム」というものは、キャラクターを多く抱えるメーカーの、一つの定番ジャンルになる。
概要に関しては、wikipwdiaを参照していただければと思う。
コナミワイワイワールド
さて、ゲームの話をしよう。
・コナミアクションに降り立った「キャラ選択」の妙
前述のように、コナミワイワイワールドは横スクロールジャンプアクションであり、ゲームの中身はほぼ「悪魔城ドラキュラ」を踏襲している。プレイヤーは、その時使用可能なキャラクターを自由に切り替えながら、複数階層に別れたフィールドを歩き回り、時にはメインとなる近接攻撃で敵を倒し、時にはサブとなる遠距離攻撃を敵に撃ち込み、時にはアイテムを集め、時には仲間を助けて使用可能なキャラクターを増やし、時には丁半バクチに弾丸を全部賭けて負けたりする。
ゲームとしてのコナミワイワイワールドの特徴は、幾つかの要素で説明できると思う。
・使用キャラクター変更による操作感の拡張
・弾数制限のある飛び道具と、その解禁の為のアイテム探し
・弾丸を軸にしたRPG要素の導入
・キャラクターそれぞれの違いによる、ステージ攻略順の存在
・若干とってつけたようなシューティング面
・どうみても魂斗羅の敵キャラにしか見えない、ラスボス含む一部の敵キャラ
・コナミレディのハイキックの妙に力が入ったグラフィック
妙なのも混じってるけどまあいいや。
まず第一に、コナミワイワイワールドというゲームは、使用キャラクターによって結構変わる。
使用可能キャラクターは、コナミマン、コナミレディ、「がんばれゴエモン」のゴエモン、「グーニーズ」のマイキー、「悪魔城ドラキュラ」のシモン、「月風魔伝」のフウマ、「キングコング2」のコング、あと謎のモアイ。計8キャラである。
そして、それぞれのキャラクターはある程度「場面で使い分け」ができるようにキャラ付けされている。例えばゴエモンは近接攻撃が斜め上向きなので空中の敵キャラが出てくる場面が強い、とか。シモンはサブ武器も含めてリーチが長い、とか。
キャラクターの切り替え方法は「上とAボタン同時押し」と異様にお手軽であり、その為ゲームはキャラクターをとっかえひっかえ、ライフを節約しながら進めることになる。「このステージではこいつが大事になるから殺せない」「だから先にこいつを犠牲にする」といった、若干の戦略要素があるのもワイワイワールドの面白いところだ。
そういった中、ステージの中には「このキャラでないと先に進めない」とか、「このキャラのこのアイテムがないと重要アイテムが取れない」というような形で特徴付けがされている場面もある為、ステージの攻略順はほぼ決まってきて、ステージ選択の意味があまりない点は、もしかすると評価が分かれるところかも知れない。
一方。この頃のコナミがRPGを意識したゲーム作りをしていたのは、例えば悪魔城ドラキュラ2、月風魔伝、ガリウス辺りをみれば推測できるが、コナミワイワイワールドにもRPG風の味付けが見て取れる。
例えば、サブウェポンの弾数となる「弾丸」が通貨のような扱いをされており、カジノや、仲間を生き返らせる時に必要になったりであるとか。「攻撃力」「防御力」を上げるアイテムがあったりであるとか。
あと、真っ正面からみたツインビーという希少な光景が見られるシューティング面も、これどんな沙羅曼蛇?と思う側面も若干なくはなかったが、流石のコナミクオリティでそつなくまとまっていたと思う。ボスは弱かったが。
単純にアクションゲームとしてみても、実際のところコナミワイワイワールドは極めて良質な出来だった(難易度は結構高かったが)のだが、この辺りの様々な「おまけ要素」の盛り込み具合は、流石のお祭りゲーと評価するべきなのだろうと思う。
・ところでコナミマンはどこにいったのでしょうか。
本題はここからだ。
コナミマンがプレイヤーキャラクターになったのはコナミワイワイワールドが初めてだが、この頃コナミマンは、結構あちこちに顔を出していた。例えばグーニーズで、丁度前回書いた隠れキャラとして。あるいはグーニーズ2で。あるいはロードスターで。
コナミには、例えばナムコにおけるパックマンのように、コナミマンを「複数タイトルを繋ぐ看板として育てる」という意図が確かにあった筈なのだ。コナミワイワイワールドは、まさにその意図を如実に反映したゲームではないか。
ところが、スーファミ時代以降の長い期間、コナミマンはコナミレディと共に完全に消息を絶つ。彼が再登場するのは遠く時代を下った後、例えばポケプロのちょい役であり、ビートマニアのちょい役であり、キャリバーのちょい役である。仮にもメーカーの名前を冠したキャラクターとして、これは余りにも寂しい活躍ではないか。
ぶっちゃけた話、この干されっぷりの要因は色んな意味でデザインがまずかったという一点に集約されるのではないかと思ったりもするのだが、まあマリオだって見た目はただのヒゲ親父だし、もうちょっと何とかならなかったのかというのは残念なところだ。というか、コナミマンはともかくコナミレディは正統派ビキニアーマーキャラとして非常に勿体無いので、是非再度の活躍を祈念するところである。
余談だが、かつてのマリオの恋人であるレディもピーチ姫にその座を奪われて行方不明になったし、パックマンレディもどっかいってしまったし、もしかするとレディという名前がなんかまずかったのかも知れない。コナミ少女にしましょう(提案)
また随分長くなった。今回の万里はこの辺りで締めたいと思う。
次回は多分またタイトルものです。

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コナミ少女、小波ちゃん。
萌え死にます。
私はコナミレディはビキニアーマーではなく、
「レオタード模様をボディに塗装しているだけ」説を
推しております。