2013年07月25日

うちの奥さんの、子供への読み聞かせ方がすごい


スクールカウンセラー時代に身に着けたスキルかなんかなんだろうか。

長男(6歳)は本が大好きで、最近は自分一人でも読むが、昔から読み聞かせをねだることが多い。「この本読んでーー」と持ってきて、こちらが何をしていようとお構いなく太ももにどすんと座ってくる。最近は、下の双子も「ちゃー」とか「ぴゃー」とか言いながら絵本を持ってきては、なんだか分からない言語で読み聞かせを要求するようになった。

本が好きなのはいいことだと思うので、読み聞かせをねだられたら、可能な限り腰をすえて読んであげるようにしている。この頃は、「だれも知らない小さな国」のような、ある程度長い児童小説も、ちょっとずつ辛抱強く聞けるようになってきた。私がいるときは私がねだられることが多いが、奥様が読み聞かせをすることも結構ある。

で、今日、奥様が「星からおちた小さな人」を読み聞かせをしているのを横で聞いていて、色々凄いと思った。(飽くまで私視点で凄いと思ったのであって、一般的にどうなのかは知らない。やっている人には普通のことなのかも知れない)


脇で聞いていて、凄いなーと思ったこと。

・静かに聴かせようとしない。むしろ子供の無駄口を誘発する。
・聞いている途中で子供が何か思いついたら、一度ぴったり中断して全部喋らせる。本中の単語を聞いて「○○みたいだねー?」と息子さんが口を挟んだら、「え、○○ってなに?」というように。
・話の途中で、ちょこちょこわき道に逸れる。すぐ本線に戻るのかと思いきや、ぐんぐんそこから発展する。
・この「○○さん」って誰のことだろうねー?とか、この○○って何だろうねー?とか、ちょくちょく自分からわき道に逸れ、本の中の言葉について子供に振る。それについて子供が答えると、そこからまた話を膨らませる。
・最後に、「今のお話、どんな場所だったー?」という様な感じで、お話全体を振り返る。



一言で言うと、「聞かせる」んじゃなくて「会話」になってる。お話を聞かせること、お話の内容を伝えること自体が目的じゃなくて、お話を起点に、子供とそのお話について会話することが目的。

確かにそうだ。子供への、本の読み聞かせというのは本来こうあるべきなのかも知れない。幼稚園で、小学校で、図書館の読み聞かせコーナーで、こういう聞かせ方が出来る人はいた。

ただ、たとえば児童館なんかで他の親御さんの聞かせ方など聞いていると、どちらかというと「お話の内容を伝える」ことがメインの人の方が多かった、ような気はする。私も、どちらかというとそうかも知れない。

「お話の内容を伝える」ことが目的なので、わき道は飽くまでわき道であって、基本、話が逸れたら子供の注意を元に戻そうとする。「うん、○○だねー。じゃあ続き聞こうか?」とか。「ほら、ちょっと静かに聞きなー?」という様に。

奥様のやり方は違った。逸れたら基本的に逸れっぱなしであり、そのまま息子との会話に遷移する。その会話が一通り落ち着いたら、やっと元に戻る。会話と、それに伴う思考がメインなのである。

5,6歳くらいの子が相手であれば、少なくともうちの息子さんなんかが相手であれば、そういった「お話を起点にしたお話」を入り口にして、自分でも思考を口にして、子供の思考と絡めてあげた方が、結果的にはお話が頭に入るのではあるまいか


やっている人にとっては、例えば私の奥様にとっては、多分上記は当たり前の話なのだろう。ただ、私自身にとっては案外頭になかったやり方であり、そういったやり方をする人がすぐ身内にいたということはそこそこ驚きであった為、ちょっと書き記しておきたくなった。


一対少数だから出来るやり方、というようなところはあるのだろう。例えば、小学校のクラスの授業でこういう聞かせ方はちょっとやりにくそうだ。ただ、聞かせ方としてはとても面白いと思ったので、暫くは私も真似してみようと思った。


今日考えたことはこれくらい。
posted by しんざき at 21:32 | Comment(31) | TrackBack(0) | 子育て・子どもたち観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
その様な読み聞かせ方もありかとは思いますが
子供が本の世界に浸ってるのに、読み終わった後感想を聞いて、現実に引き戻すような野暮をしてはいけない。
という話も聞いたことがあります。
色んな読み聞かせ方があって良いんでは無いでしょうか?
Posted by うぃず@通りすがり at 2013年07月26日 07:05
「内容が頭に入る」かどうかって、子供の読み聞かせではそんなに重要なことでもないかなと思います。

読み聞かせのメリットはいろいろありますが、楽しんで本を読める子に育つのが一番ではないでしょうか?
早期教育の一環みたいに捉えることには、個人的に抵抗があります。

奥様の読み聞かせ方も、みんなで楽しんでいるようでとっても素敵だと思います♪
Posted by 名無し子 at 2013年07月26日 07:55
trpgのうまいマスターさんの行動がそんなかんじですね。
話を一方的に押し付けるんじゃなく、キャッチボールになってる。
しかも卓全員とやるわけですから、大変です。
Posted by at 2013年07月26日 08:25
非常に女性的なテクニックだなぁと感心します。
あきっぽい子供でも長い物語を理解させる有効な方法ですね。
物語の最中の些細な疑問や感じる不条理の都度、それを中断するのは、一つの世界に没入しがちな男性には不得意でしょうが、何かを鑑賞中にもおしゃべりが上手な女性ならではの、良い方法でしょうね。
同時にそういう負の面もありましょうから、旦那さんも時に読み聞かせるのが良いと思います。
Posted by 通りすがり at 2013年07月26日 09:02
読み聞かせをする理由はそれぞれだと思いますが、最大の目的は親子のコミュニケーションだと思います。
Posted by ジャネイロ at 2013年07月26日 09:27
色々なやり方があると思います。
何を目的として読みきかせをやっているのかにもよるし
こうするのがいい、これがすごいっていう話でもないような…
Posted by 通りすがり at 2013年07月26日 09:39
コミュニケーションを重視する一つの方法として良いですね、という程度のことかな。
お話の途中で、いつでも自由に思ったことを喋りだすことを許してしまっているという点では、他人がお話をしているときはきちんと聞くという姿勢が養われない懸念もあります。
私はお話を読んであげるときは子供には黙って聞かせ、読み終えてからその話について振り返ったり、質問したりすることでコミュニケーションをはかったり理解度をはかるというやり方でやってました。
Posted by 通りすがりの父 at 2013年07月26日 10:15
ある面では素晴らしいと思うのですが、それだと話が途切れて物語自体がさっぱり印象に残らないのでは、とも思います。
Posted by at 2013年07月26日 10:28
自分も似たような読み聞かせをしていました。理由としては、本の内容は変化しないので何度も同じ本を同じ読み方をしていたのでは子供はすぐに飽きてしまうと思っていたからです。本の忠実な内容はいずれ自分で読めるようになればいつでも読み返せるし、親が付いて読んであげられる時は何らかの+αがないと、と思って本の内容に関連することにもいろいろ言及したり質問したりしながら読んでいました。
Posted by noripapa at 2013年07月26日 11:06
文字が一切書かれてないミッフィーが海外進出した際に絵本の読み聞かせ方は議論になりましたね
Posted by ウルトラマン at 2013年07月26日 11:46
私がそんな読み方でしたね。。。
言葉から情景を想像しながら読んでました。
脱線してしまう事もありましたが・・・
子供が中二の時にツルゲーネフ読んでるの見てひっくり返りました。
(私には登場人物の名前さえ覚えられない)

少しAS気味に育ちましたが、国立大行って
今就職で苦労しています。
Posted by おっちゃん at 2013年07月26日 12:07
「読み聞かせ」とひとくちに言っても、目的が違えば方法も自ずと違うってくるってことですね。

仔細なことかもしれませんが、文の主題よりも「奥様」「うちの息子さん」といった言葉の使い方がどうも気になって…
Posted by emanon at 2013年07月26日 12:14
ふつうすぎ
Posted by at 2013年07月26日 15:15
銀の匙授業みたいだ
Posted by at 2013年07月26日 23:40
>仔細なことかもしれませんが、文の主題よりも「奥様」「うちの息子さん」といった言葉の使い方がどうも気になって…

同感です。これを隠せば一つの読み方として提案になったと思います。
Posted by at 2013年07月27日 00:58
個人ブログなんだから好きな三人称使っていいだろう。
相方とか言ってる人もいるし。
人それぞれの個性の出るお遊びの範囲だと思うが
Posted by at 2013年07月27日 09:53
だって「奥様」って他人の妻のことだよ。
もしくは女主人。

雇主と使用人の関係だってんならいいけど。
Posted by at 2013年07月28日 16:59
子どもの脳は成長途上ですから、絵本を読みつつ会話しつつで脳をフル回転させていそうですね。
絵本をベースに会話を楽しむと語彙力思考力がぐんぐん伸びそう。会話のキャッチボールも発達しそうだなと思いました。
人の話は黙って最後まで聞け、というのはこういう時は横に置いておいていいのではと思います。生活の別な場面でそういうことを教える機会はいくらでもありますし。
読み聞かせでは子どもに「ストーリー」以上に「本の楽しみ」を知ってほしい。本の楽しみを知ってしまえば、もう読書なしの人生にはならないでしょう。本の楽しさを教え知識の扉の鍵を子どもに手渡すことが大事なのだと思います。

横ごとですが、上の方のコメントでAS気味に育ったというお子さん、豊かな会話のある育ちがなかったらもっとAS的傾向が強まっていたかもしれないなと思いました。
Posted by at 2013年07月29日 07:32
>仔細なことかもしれませんが、文の主題よりも「奥様」「うちの息子さん」といった言葉の使い方がどうも気になって…

もっといろいろな文章をお読みなさい。
自分の考えなど世の中の一欠片に過ぎず、自分以外の人間はすべて自分ではないということが解るでしょう。
Posted by at 2013年07月29日 20:14
元図書館員です。
図書館で読み聞かせの講習を受けた際に「やってはいけない」と言われたことを列記されているので驚きました。
詳しく覚えてはいませんが、
・脱線することで物語を理解しにくくなる
・自分から物語以外のことをしゃべるのは厳禁(この動物はなんだろね〜?とか)
・読後の感想を強制するのは以降の苦痛になるかもしれない

私のうろ覚えや勘違いもあるかもしれませんし、読み聞かせも人それぞれであるとも思いますが。

Posted by at 2013年08月05日 15:33
元図書館員さんと同意見です。
【実はやってはいけないこと】とされていることばかり書いてあり、驚きました。
まぁ、親子で楽しめているのならそれでいいのかもしれませんが、こんなことで『うちの奥さんは凄い!』と言い切るのは、さすがに痛いなという印象です。
Posted by at 2013年08月06日 00:38
ガジェット通信からきました。これに取り上げられることで,記事を見られる人が増えたと思いますが,『「読み聞かせ」ではないな。』と多くの図書館関係者や教育関係者が感じたはずです。
子どもに本を読んであげる方法は自由ですが,これは「読み聞かせ」ではないですね。スクールカウンセラーとしては,一流だったのかもしれませんが,本を読んであげる人としては,「凄い」ではなく,読み聞かせの方法をご存じではないということではないでしょうか。
Posted by at 2013年08月06日 09:48
こんなコメントでブロガー本人はおろか奥さんまで腐して、なんか自分の人生の足しになってるとか思ってるんだろうか。何様ですか。
Posted by Eurmal at 2013年08月06日 22:53
読み聞かせではなく、コミュニケーションですね。
幼稚園や学校などでは読み聞かせの妨げをしないよう、分別をきっちりつければいいと思いますよ。
豊かな会話で自然と空気を読む力が育めているとよいですよね。
Posted by at 2013年08月16日 14:05
「やってはいけないことの定義」とやらをやったかやらなかったかで、それほど育ち方に影響があるとは思えない。
やってはいけないこと集をされずに育った人間の中にも、ツイッターで犯罪自慢投稿するような奴は必ずいる。
マニュアルに沿った機械のような接し方をする方が、明らかに成長に悪影響があるだろう。専門家気取りで意識しすぎじゃないか。
Posted by at 2013年09月02日 17:04
私は海外在住で、インターに通う7歳の息子に日本語と英語を学ばせている最中です。
私は英語を話せません。息子の英語のリーディング力が低いので、どうしたら良いのか担任の先生(イギリス人)に伺った所、読み聞かせが必要とのこと。しかも親の得意とする母国語で。(私の場合は日本語)
今まで、読み聞かせの際は『やっては行けない定義』を守っていましたが、ネイティブの先生から告げられた方法は奥様が実行されていることそのままでした。
今では『奥様式』で進めています。


Posted by at 2013年09月28日 21:43
読み聞かせのスタイルとしての是非は兎も角、ご自身の奥様に対して奥様呼ばわりしている点はやはり気になります。
Posted by at 2013年12月30日 16:18
気になるのか。そうか。自分の気に入らないからといって、人のやり方に口を出せると思っているのか。感心する。
Posted by at 2014年01月07日 23:22
読み聞かせって 訓練だったのか 知らなかった
そんなんじゃつまらないよね 子も親も

子供から予期してなかった反応が返ってくるのは楽しいはず

子供の空想をかきたてられるようにしたいでしょ やっぱ
脱線 大いに結構
Posted by at 2014年01月08日 16:07
絵本へのスタンスは年齢(月齢)・その子の性格・その時の目的によって異なりますので、奥様のような読み方はもちろんアリだとおもいます。もちろん、わき道にそれず、ストーリーをおわせるやり方も、アリです。
うちの子のような6カ月児では親が自分に語りかけてくれているなーと、感じられればまあいいかと思ってます。絵をじっと見つめているので、まあそれで十分ヨシです。


それよりも、細かく奥様の対応を観察され、読み方の違いに気づいておられることが、うらやましいです。

うちの夫は家計簿なんかは嬉々として細かくつけているくせに、全く鈍感です。
母親が、例えば遊び場面であれば、どんなタイミングでどいう声掛けや、視覚呈示をして、どんな工夫をして注意をひいているか、なんにもわかってないだろう・・・
Posted by 鈍感夫につかれるまいにち at 2014年01月26日 15:41
奥様のやり方、面白いと思いました。
今、自考力(自ら考える力)をどうしたら身に付けられるかを勉強しています。
その参考になる話です。
この記事を「るいネット(http://www.rui.jp/)」に投稿して広く知っていただこうとと思っていますが、いかがでしょうか?
Posted by こばやし at 2014年02月01日 20:52
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