2007年03月28日

mixiとネトゲの比較論

すいません長文です。

まだあんまり突き詰めてないけど、なんか思いついたからとりあえず思いついたままに書く。既出でも泣かない。


言わずと知れた日本最大のSNS「mixi」と、国内の種々様々なネットゲーム群の比較対照と将来予想。

この二つ、現在はまだそれ程相似していないが、多分将来的にはお互いのいいとこ取りをする形で進化する、あるいは進化しようと既に企図しているんじゃないかと思う。


まずは現状での共通点から。私の知識に古い部分があったら勘弁してください。8ビット脳なんです。

・収集要素、及び育成要素が存在する

集めたり育てたりする作業がゲーム性の大半を占める、というネットゲームは未だに多い。要はアイテム収集、お金収集。そして経験値稼ぎとレベルアップだ。

一方で、mixiにおいてはマイミクの数がそれに相似している。ネットゲーム程顕著ではないが、「マイミクがたくさん増えると嬉しい」というmixiユーザーは未だに結構いる様だ。私の感覚では、無闇にマイミク増やしても面倒でたまらんのではないかと思うのだが。

一度集めたら手放しにくくなる、という点ではどちらも同じ。だからmixiにせよネトゲにせよ、はまっている人程引退率が低い。


・人間関係が拘束力をもつ

言わずもがな。

ネトゲの話では、ゲーム上で出来た友達、仲間、コミュニティ、そういったものが主因となってゲームを辞めることが出来ない、という人は今でもあちらこちらで見る。というかたくさん見る。ネトゲをむしろコミュニケーションツールとしてみている、という人もいる。
FF11なんかの例で言うと、ゲームバランス自体がパーティプレイを前提として設計されていた為、人間関係による継続圧力ってのは凄く大きかった様だ。最近どうなってんのかは知らないが。

mixiについては、それ自体が人間関係による拘束力を発揮し易い構造になっていると思う。これについてはもっと詳しい人がたくさん解説してそうだし、取り敢えず割愛する。一応、このエントリの下の方で昔触れた。


・廃人がいる

語弊がある言葉だが、要は中毒性の有無。上二つに関連して、いわゆる「ネトゲ廃人」とか「mixi廃人」の存在だ。ネットゲームやmixiの中毒性に取り付かれた人達。一日中ネトゲやmixiに張り付いて力の限りレベル上げやコメントのやり取りに勤しむ、という人の存在は、一昔前からちょくちょく聞く。

mixiについては最近あまり話題として聞かないが、多分人口に膾炙して話題性を落としたってことなんだろう。500万人もユーザーがいれば、はまり過ぎて身を持ち崩した人も中にはいるかも知れない。あんまり踏み込む気はないが。


ここまで共通点。


で、冒頭でも書いたが、この二つ、将来的にはお互いのいいとこ取りをしようという方向で進化するんじゃないかと思う。少なくとも、いいとこ取りを考えている社員さんは双方に必ず存在する筈だ。いない方がおかしい。


ネットゲームにとっては、まず何よりもSNSの持つ「人間関係による拘束力の作り易さ」がオイシイ。

課金制度については色々話が面倒で、最近ではむしろアイテム課金制(ゲーム中で使えるアイテムにお金を払う)が主流になりつつあるという話も聞くが、運営側にとって「長く続けてお金を払い続けてくれる」お客さんがありがたい存在、という命題はまずまあ動かないだろう。

そして、ゲームをすぐに遊び尽くしてしまうへビィユーザーよりも、ゆるゆると遊んでくれるライトユーザーの方が開発者にとってはありがたい、ということも多分不変ではあるまいかと思う。上記のアイテム課金が絡むと話が微妙だが、まあ取り敢えず置いとこう。

そして、ゲームで遊ぶ時間よりもゲーム内で仲間と話をしている方が長い、といった人間関係メインのライトユーザーが、運営にとって多分一番ありがたい。言ってしまえば金づるだ。なにせ、ゲームを消費することなく、お金を払い続けてくれるのだから。

「人間関係」という要素は、舞台さえ整えておけば運営が頑張って開発する必要はない。ユーザー同士が勝手に構築して、勝手に「付き合い」という網にかかってくれる。 故に、多くのネトゲはプレイヤーに「ゲーム内での絆」を作らせたがる。

もっとも、ただチャットが出来てギルドが組めて、というだけの機能にはいい加減ユーザーも飽きてくるから、その他様々、付き合いを構築し易い方法論が必要になる。そこでネットゲームはSNSの手法を取り入れようとするんじゃないか、というかもう一部のネトゲでは色々やってそうだよね、というのが私の考えである。つっても、最近のネトゲについてはよく知らないからあんま例が出せないが。

最近話題の「セカンドライフ」なんかも参考になりそうだ。FF11もちょっと前に日記機能か何かついたんでしたっけ?


一方のmixiにとっては。

遍くWebサービスにおいて、収益モデルっていうものは常に大きな課題だ。お金がないと運営はやってられない。

上場も成って初期の混乱期も抜けて、さあ目指せ増益増収となった時点で、新たな儲け口というものは常に模索してきた筈だ。今までもプレミアムサービスやらなにやら、色々な収益モデルが想定されてはきたが、なにせ元々が無償サービス畑に集まってきたユーザー群だ。そんなに大幅な増益は見込みにくい。mixiの収益モデル自体は、現時点でも大した飛躍を見せていない様だ。

そんなmixiにとって、「金を払って継続的に客が遊んでくれる」「中毒性・継続性が高い」といわれるネットゲームのビジネスモデルは魅力的である。(※1)
ネットゲーム的なゲーム性をmixiの一サービスとして持ち込む方法、みたいなことを考えるスタッフは今まで何人もいた筈だ。人間関係や付き合いの部分に関しては十分にインフラが出来ているから、後は「お金を払ってくれる」ゲーム性について考えなくてはいけない。

あらゆるネットゲームの収益の核になるのは「プレイヤーキャラクターの存在」である。プレイヤーは、自分の動かすキャラクター、あるいはその周りの様々な備品に時間やお金を投資する。アイテム課金やRMTの存在によって、これはホントーに文字通りの意味になってきた。

そこから考えると、mixiがネットゲームの要素を取り入れるには、感情移入の対象になり得るアバターの存在を前面に出す必要が必ず出てくるだろうとは思う。思うんだが、単にアバターを持ち込むだけではハンゲにも負ける。継続的な育成と収集の要素、ある程度の勝ち負けの要素、すぐには飽きない程度の作業性、まあこの三つくらいの要素は最低限必要になってくるだろう。既存のネットゲームとのタイアップ、という手法もあり得るかも知れない。(※2)

考えるのは簡単だが、これを不自然でない形でmixi内にリリースするのはまあ色んな意味でそーとー難しい訳であって、実際この企画、社内で出したら弾かれそうな気もする。多分企画の俎上に乗ったことくらいはあるんじゃないかと思うんだが。

ただ、mixiが今後の長期的な収益モデルとして「ゲーム性」に目をつける可能性はかなりあるんじゃないかと私は予想している。 なんか予言めいているが、まあ言うだけただだしな。


mixiとネットゲームは今後構造的に似たもの同士になっていくのではあるまいか、という予想が以上のお話の結論。


いい加減長くなったんで、取り敢えず今日はここまで。また何か思いついたら補足する。

最後に、昔書いた関連しそうなエントリーなど。ちらっと。
「集める」ゲーム性と「育てる」ゲーム性
mixiと2ちゃんの比較論


※1:ネットゲームの収益性が高い、という話自体は既に過ぎ去った幻想になってる向きもある。また別途。

※2:mixiユーザーがこういうものを望むのかどうか、というのは勿論別な話。まあ、大半のライトユーザは「暇潰し」以上のものをゲームには求めないだろうけど。
posted by しんざき at 00:15 | Comment(4) | TrackBack(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
 ネットゲーにチャット機能とか要らなくね?
 と半ば本気で思っているヒキコモリネットゲーマー参上。
 最近はネットゲームしてませんけどね。

 mixiにせよネットゲーにせよ、リアル知人としか話しません。
 運営からすると、想定外の客つーことになるのかなあ。
Posted by Zhao at 2007年03月29日 23:40
>Zhao師
私もチャット機能とかぜんぜん使ってない。

まあ、運営からすると私や君みたいな人より、チャットにはまってくれる人の方が多分ありがたいのですよ。
Posted by しんざき at 2007年03月31日 23:48
こんばんわ、にゃんにゃんです。

おもしろい記事有難うございました。
私はMIXI友達に紹介させてもらってのですが、3日でやめちゃいました^^;
数が増える達成感はよかったですv

ではこの辺で失礼します。
Posted by ネットで稼ぐ at 2007年04月11日 01:40
>ネットで稼ぐ さん
コメントありがとうございます。

mixiは、なんとゆーか、向き不向きがありますよね。
Posted by しんざき at 2007年04月16日 19:30
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