2005年05月20日

ブログやネトゲ運営屋さんの悲哀について。

Seesaaが安定している。安定しているというか、まあ普通に使えていて取り立てて問題もないという状態な訳なのだが、ちょっと問題がありそうに見えたDBクエリのチューニングはうまくいったのだろうか。

で、つくづく思った。運営・保守って損な仕事だなあ、と。


Seesaaに限らず、ブログでなにかしらの障害が発生すると辺り一面が運営を批判する文章で埋まるのだが、ブログが問題なく動いていることで運営を褒めるエントリーは滅多に読めない。ネット界においては、「問題なく稼動」ということは「当たり前」と同義なんだろうか。実際はけっこー大変な仕事なんではないかと思うのだが。

安定稼動していても褒められず、障害が出るとボロクソに言われる。それが保守担当の宿命であり、悲哀である。

普通に動かしているだけでも割と仕事はあるのに、機能を何も追加しないと「怠慢」「仕事しろ」「さっさと××出来る様にしろよこのヴォケ」とののしられる。それが運営担当の悲劇である。

まあシステム屋に限らず、あらゆるインフラで同じ様なことはいえると思うのだが、システムの運営程「がんばっても評価されない」仕事って数少ないのではないか。偏に何やってるのか仕事が良く分からない故の、そして日本の基幹インフラの稼働率が高過ぎる故の問題だろうとは思うが。

話は変わる。

最近ネットゲームに初めて手を出した。無論大航海時代ONLINEの話なのだが、やり始めてすぐ思った。こりゃあえらい仕事である。

何千人だか何万人だかが同時にサーバにアクセスしてきて、通信するデータ量は膨大。ありとあらゆるDBで精度の高い同期が求められ、サーバで担当しなければいけない処理も多く、そしてユーザーには若年者が多い。およそ、あらゆるWebシステムの中でここまで運営しにくい要件が揃ったものは他に存在しないのではないか。そんじょそこらの運営陣では一瞬で破綻して当然だ。実際、破綻しているネットゲームの話もしばしば聞く。

大航海時代ONLINEで言えば、光栄に対する要望はたくさん見る。光栄に対する批判もけっこー見る。ゲーム自体に対する褒め言葉も、悪口雑言も聞くことが出来るし、ゲーム開発者にはそれなりのスポットライトが当てられてもいる様だ。

ところで運営はどうなんですかね、と探してみると、大体の批評では蚊帳の外である。フロントエンドの一部の人(ゲームマスターとか)以外は、仕事の内容すらろくに見えない。これは何故だろう。

当たり前のことは失われてみて初めてそのありがたみに気付くというが、ネットゲームやブログの場合障害が起きても一層運営が叩かれるだけである。ゲーム会社の運営陣ってのは、そこまで被要求レベルが高いもんなのか。不憫でならない。

無論、金をもらってサービスをしている以上、サービスの精度を高めるのは運営の義務であるし、それでいちいち褒める必要もあんめえ、という見方もあるだろう(ブログの場合そうでもないとは思うが)。

ただ、こうまで手のこんだシステムが落ちもせず運用されているところを見ると、この「達人裏方」の人々に対し、もうちょっと送られる賛辞があってもいいのではないかなあ、と思ったりするのである。

posted by しんざき at 16:08 | Comment(7) | TrackBack(0) | ネットの話やブログ論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
こんばんはm(_ _)m

「・・・これは、(中略)裏方たちの、壮絶な戦いの物語で ある」
("地上の星"のイントロ)

というようにいつかプロXでとりあげられる日を(笑)
それはともかく。

>当たり前のことは失われてみて初めてそのありがたみに気付くというが、ネットゲームやブログの場合障害が起きても一層運営が叩かれるだけである。

ほんと罵詈雑言は凄まじいですよね...
何であれ一般向けサービスというのが「ブランドイメージを賭けた大バクチ」というかものすごくリスキーなものになりつつあるのではないかと思います。
Posted by Tristar at 2005年05月21日 00:21
いっそネットゲーも単純にしてみては
ON-LINE-PONとか たまにボールが飛んでくる
Posted by めあ2 at 2005年05月21日 01:09
>Tristarさん
>というようにいつかプロXでとりあげられる日を(笑)
ネットゲームに関しては、素でけっこーーおもしれえ番組が作れそうな予感がします。裏話豊富な業界ですし。

>何であれ一般向けサービスというのが「ブランドイメージを賭けた大バクチ」というかものすごくリスキーなものになりつつあるのではないかと思います。

うーむ。多分これも、サービス対象者に若年層が多いことの影響が結構あるんでしょうね。データもってないですけど。

>めあさん
>ON-LINE-PONとか たまにボールが飛んでくる
何故そこまで退行しますか。

でも今なら、オンラインアルカノイドくらいならふつーに出来そうな予感がする。オンラインティンクルスタースプライツとか。
Posted by しんざき at 2005年05月21日 20:20
システム屋って商売ってさーーーー





セツナイヨネ……
Posted by bari at 2005年05月23日 13:29
>bariさん
オレが言いたいことを一言で要約してくれてありがとう。
Posted by しんざき at 2005年05月23日 15:39
うははは!
Drecomを叩きながら、社内ではシステム周りにも関わっている私にとって、これはツボにはまる記事でした。
「障害は起こるもんなんだよバカ!」そして「しょうがねえなあ、俺が直してやる!」と言えるような人間が求められてるんですよ、システムエンジニアとしては。
本当に、実際そうあるべきだと思います。そういう点でイエイリ社長は理想。
Posted by LSTY at 2005年06月02日 15:12
>LSTYさん
いや、私も「しぺぺぺぺぺ!」には腹を抱えて笑いました。あれくらい突き抜けた反応が出来るのはホントーにすごい。でも、あれを見て「ユーザーを馬鹿にしてる!」と思わない人は少数派なんだろうなあ。思われてもかまわないんだろうけど。

Seesaaは報われないながらもがんばってますよね。ユーザーとしては好感度大ですが、SEとしては同情するばかりです。
Posted by しんざき at 2005年06月03日 00:10
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