相模鉄道と相鉄バスのストライキについての話である。
幾つかの意見を観測して、ちょっと当たり前のことを確認しておきたくなった。
一つ目に、こちらのTogetterがある。
相鉄ストライキ決行でユーザーから悲鳴が上がる
相鉄ストを受けて、相鉄ユーザーが悲鳴を挙げている構図をピックアップした内容である。
次に、下の匿名ダイアリーがある。同様の意見はTwitterなどで複数見かけたのだが、比喩が極端で分かり易かったので。
「ストは労働者に認められた権利だから!」と言うのは別に間違ってはいないと思うけど、
一言で論旨をまとめると、「ストは権利だとかお題目は立派だけど、自分が困っても同じこと言えんの?」ということになると思う。お前サバンナでも同じこと言えんの理論である。
まず、上のTogetterでは、当然のことながらストを批判するツイートが大半である。
ただし、ストを批判するツイートの中でも、二つの方向性、というか段階があるようだ。
一つ目は、単に「スト大迷惑!相鉄ふざけんな!」という、どちらかというと相鉄自体、スト自体に向いている批判。
二つ目は、それが更に「ストをやるなんて何考えてんだ!わがまま言うな!」という、ストをやった労働者に向いている批判。
当然のことだが、前者は正当であり、後者は不当である。少なくとも、ストの発生で批判されるのは、労働者であるべきではない。
その理由は単純である。ストは労働者の権利であり、正当な争議を経た上でのストは法律で認められているから。
労働者がストライキをする権利(団体行動権または争議権の1つ)は、国際社会においては国際人権規約(社会権規約)の第8条(d)項で保障されている。日本では日本国憲法第28条により労働基本権のひとつとして保障され、主に労働組合法及び労働関係調整法で規定される。
争議行為が正当である場合、その行為についての刑事責任(労働組合法1条)と民事責任(同8条)は免責される。ストライキも労務の不提供にとどまるならば合法であり、これらの免責を受ける。特にストライキによって使用者に生じた損害に対する賠償責任が免責される点が重要である。ストライキなどの争議行為が正当でなければ、これらの免責は受けられない。wikipedia:ストライキ
「ストを起こすなんていけないことだよね!?」と言われれば、「いやいけないことじゃないよ」と答える他ない。なにせ法律で認められていることなのだから。
ただしこれは、「ストを批判してはいけない」「ストは受け入れなくてはいけない」ということではない。むしろ逆だ。
ここで、話は冒頭に挙げた、匿名ダイアリーの話に移るのだが。
ストで運休した電車に対してキレている客に対し、恐らくなのだが、これを書いた人は、多分「ストは労働者に認められた権利だから」という言葉を、「ストを許容している」「ストに文句言ってない」という風に受け止めているのではないかと思う。その上で、「自分の家族が死ぬようなことになっても許容出来んのか」と言いたいのだろう。
「ストは労働者に認められた権利だから!」
と言うのは別に間違ってはいないと思うけど、
例えば自分の家族が入院している病院の医者が、患者を放置してストを始めて、
そのせいでその家族が死んだ場合、
果たして同じことが言えるのか、というのはあるよね。
違う。そうではない。
ストで迷惑をかけられた側は、全力でストを批判するべきだし、ストに文句を言うべきなのだ。「ストライキで客に迷惑かけるとかふざけんじゃねーよ!」と言っていいし、言うべきなのだ。
ただし、会社に向かって。
当たり前だが、ストというのは、労働者が会社に正当な要求を伝えて、それが受け入れられなかった時、会社に対する抗議行動として行われるものである。ストを起こせる条件は厳密に決められていて、事前に十分な交渉がなければ正当なストは起こせない。
ストを起こしてしまった責任は、労働者ではなく会社にある。これは、労働者の免責という形で、きっちり法律で決められたことだ。
つまり、「ストなんて起こしやがって!!」と言われるべきなのは会社であって、労働者ではないのだ。当たり前のことだ。
ユーザーは、ストを従容として受け入れなくてはいけない、訳ではない。むしろ、がんがんストに対して文句を言うべきである。ユーザーががんがん文句を言って、会社が危機感を抱いてこそ、正当なストの存在価値がある。それこそが、「ストに協力する」ということだ。
会社には、労働者との争議をきちんと治める責任がある。ストを起こす段階まで労働者を追い詰めてしまえば、それは完全に「会社の失策」なのだ。
だから、「ストは労働者に認められた権利だから!」と言いつつ、「おいストなんて起こしやがって責任とれ!!」と会社に詰め寄るのが、ユーザーとしての正しい姿勢である。医者のストは確かかなり条件が厳しかったような記憶があるが、仮に医者がストを起こしたとしたら、やはり患者側は全力で病院に文句を言うべきである。それだからこそストの存在意義がある。
当たり前の話なのだが、確認しておくのも悪いことではあるまいと思い、上記のようなことを書いた次第である。
今日書きたいこと、以上。
だからダメだっつってんだろ。バカじゃないのか?
>だからダメだっつってんだろ。バカじゃないのか?
この全文を見て解釈すると、結果従業員に言えばいいと勘違いしてもおかしくはない。
>会社ではなくて、経営陣にですね
正解はコレ。株主総会が一番手っ取り早いかな。
>この全文を見て解釈すると、結果従業員に言えばいいと勘違いしてもおかしくはない。
そこまで言わなきゃわかんないのか…って思ってしまうが、まあそうなんだよな。
そもそもこういう説明のための記事が書かれるくらいだからな。
ストライキ=経営陣に文句ってのも考え物ですがね
なんにせよ、経営陣と労働者の問題にユーザを
巻き込むんだから批判はされて当然ってのは
当たりでしょう、インフラ事業でなんらかの税金免除を受けてたらなおさら
どっちを批判すべきなのかはユーザレベルが入手
可能な情報で判断つくのかねぇ?
ケースバイケースでしょうが批判したいなら
丸っと会社全体を批判するしかないんじゃないかなぁ
それで会社が潰れたり、取引先からきられるなら、そんな経営陣を支持した株主の責任で、責任を取り持ち株の資産を失う。
こういうゲームだろう。
ストなんておこらないで合意に至るのが一番だけど、
合意させるためには、会社吹き飛ばすぐらいのストライキという恐ろしい力を持っているし行使できることが大切。
核抑止による平和みたいなもんだよ。
だけど、ここまでしないと労使の間に対等な交渉はできなかったという先人の教訓だと思う。
「労組(労働者側)の要求が不当な場合」という人が必ず出るが、9割ブラックのこの国で真に不当な要求の場合ってどれくらいあるんだろうね。
>インフラ事業でなんらかの税金免除を受けてたらなおさら
その様な場合の税金免除の趣旨は政策目的による特定事業の促進であって、権利保護の争議行為とは全く趣旨が異なるし、制限するものでもない。
第一、税金免除と言い出したら、多かれ少なかれ企業は受けているし、加えて言うなら日本企業の2/3超は法人税を赤字のために払っていない。
また、そもそも相模鉄道の原型は約100年前の民間会社から始まり今日まで民間会社に一貫して所持されているため、現在の税法が生まれる前から存在していることになり、税金免除云々は完全な後付けだと思われる。
ストライキされるのが嫌なら、国営化・公営化して(公務員規定により)禁止すればいい。
>丸っと会社全体を批判するしかないんじゃないかなぁ
知りもしないのに批判する態度を止めるという選択肢は考えないのでしょうか。
また、労組法により、争議行為が「正当」な場合に損害賠償責任が免除されると定められており、正当か否かの判断は司法に委ねられております。
また、裁判内容を通じて、我々はその争議行為について知ることができます。
昔の小田急は、それをやりましたね。改札だけスト。
今はPASMOが普及してしまって、それは不可能でしょうが。
ストをやっていたが・・。いつの間にか
バッチだけ付けて実際には言っているだけの
春闘になった。これだけ「ストライキ」で
問題(自分レベルでは出来事で大きな問題ではない)になるのは・。『ブラック企業』と言われる
大手企業の経営者がいかに従業員を『部品』扱いしているか?授業員も『正社員』だからと納まっているからと『組合』を作らず、困ったと切羽詰って外部の『組合組織』に相談する事となる
言い換えれば『核家族化やご近所付き合い』と同じで、会社内と言う集合住宅での付き合いが無い為に集合住宅での破損等の共同する事が通っていない為にいざ、事が起これば1人困り果て極端では
過労死や自殺する様な事になる。
『ストライキ』する事が『会社経営者』への
ささやかな抵抗手段でしかない。(スト中は無収入)法律で『ささやかな抵抗』が認めている事と
それを知らず、『身勝手』と言うのは・今回の相模鉄道が改めて『働く為のささやかな抵抗』を
知らせたと思う。『身勝手』と言うならば
『組合』を知らないか?『労働法』を勉強した方が自分の為になると思いますが・。
A社がストだからB社へって出来ないじゃない?
てことは、従業員側にも甘えがあるわけよ、ストで盛大に顧客に迷惑をかけても客は逃げない、よって自分たちは路頭に迷わないって。
だから、鉄道会社のストは集金業務のボイコットはあってもいいけど、止めるってのは社員側が批判されてもしょうがないよ。
権利は権利として分かるけど、やり方が悪いって。
言論の自由はあるけど、書き方が悪いって批判と一緒。
今の日本人はゲスいやつが大量生産されとる
弱い方弱い方へと風当たりを強くするのは下品な行いである、という意識が定着していれば、そもそもこんな当たり前のことを言わなくてもいいんですけどね。
Posted by 児斗玉文章 at 2014年03月21日 20:19
客が通勤できない、大いに結構、全ては経営陣が悪い
従業員にも甘えがある?
ストで盛大に顧客に迷惑をかけても客は逃げない、よって自分たちは路頭に迷わない?
組合側がこれまでスト以外の方法で会社と交渉してなかったとでも?
もはや、にっちもさっちもいかなかったからストに打って出たんでしょうに。
たった一日会社に遅れるとかで文句を言うのなら、事情も勘案しない自社の経営陣及び何ら対処しない組合に文句言ってからにしたらいかが?
そして特に交通機関でJR北海道や長距離バスを例に出すまでもなく、従業員の労務管理や待遇がおろそかにされれば、安全に対するリスクが高まることぐらいは顧客側も想像できますよね。
※参考
様々な合理化を受け入れ、労組は会社の再建に大きな貢献をしてきました
賃上げは100円台、賃金カットのほうが大きく若手組合員は将来に不安
定期昇給の無い私鉄職場、春闘をしないと賃上げと臨時給の支払いもありません
私たちはストライキ至上主義で交渉していません、回避を第一に交渉しています
〜
2008年3月関東バス労働組合執行部
http://kbu.jpn.org/1/tatakai.htm
この組合が顧客に甘えているとは到底思えませんが。
ひとこと、代替手段がない云々についてのみ。
だからゆえ、ストの効果を高められるわけで、その意味で代替輸送手段を持っていない地区には大企業は出ていませんよね。
そこから、飛躍すると昔からストで有名な相鉄沿線に家を持つことも自己責任であり、引っ越すことも自由なんですね。
公益産業のストライキは公衆への事前告知やら面倒な手続きが必要なのですが、ご自身が利用される電車バスに告知が出た時点から、会社サイトへメールなり何なり利用者側としてさっさと妥結できる内容の回答を出せと通告するのもあるのかな?
だって、ストに入ってからそのまま継続するのではなく、途中で組合も納得できる内容を始めて回答しているわけで途中解除でしょ。
本来出せないものは、関東バスさん含め会社側も出せないんですよね。
でも、入ってから妥結へ向け前進て、出したくなかったという経営側の意図を感じるのは私だけ?
あと、総会後の経営者側交渉者の処遇を何とか調べられないかな?
公益産業のストライキは公衆への事前告知やら面倒な手続きが必要なのですが、ご自身が利用される電車バスに告知が出た時点から、会社サイトへメールなり何なり利用者側としてさっさと妥結できる内容の回答を出せと通告するのもありのかな?
だって、ストに入ってからそのまま継続するのではなく、途中で組合も納得できる内容を始めて回答しているわけで途中解除でしょ。
本来出せないものは、関東バスさん含め会社側も出せないんですよね。
でも、入ってから妥結へ向け前進て、出したくなかったという経営側の意図を感じるのは私だけ?
ストでも何でも繰り返していけばそのうち適正になるんだよ、戦わないことが何よりも悪
ユーザーが困る?知るかよ
今回の関東バスだってユーザーを運ぶ義務なんてない、ユーザーが勝手に手段として使ってるだけ
もうそれだけで一般人はストライキを認めてない様なものだって気もするぞ。
それが身分を偽ってお忍びで視察に来ている経営陣か末端社員かなんて知らんよ。
女将を呼べ! なんて言えるのは経営側が物理的に客の側にいるから出来るだけ。
それを避けるなら、そもそもスト中に現場に出てこなきゃいい。改札も運転士も
いない駅になればそりゃ、自然と本社の電話が鳴り響く事になるだろうさ。
本社の事務員も出なきゃ使用者側の誰かが自然とその責を負うことになるよ。
なまじ半端に労働現場まで出てくるから労働者のサボりに見える。
ストは会社に経済的損害を加えるためじゃない。
この会社はこんなひどいんですよって社会的に失墜させる、それを脅しとするためなんだから
「社員」という言葉は、本来は株主のことを指す