2014年06月23日

「叱る側は、自分がプレゼンターだと自覚しないといけない」と言われたこと。


ちょっと昔話をする。

数年は前の話だ。その時私は、ひょんなことから高校時代の旧師と飲むことになった。


私は現在は関東在住なのだが、中学・高校時代は名古屋にいた。名古屋と東京は近いようで遠い。高校時代の旧友はfacebookを通じて割と頻繁に飲みの誘いをしてくれるのだが、殆ど顔を出すことが出来ず、常々申し訳なく思っていた。私が高校の頃の連中の同窓会に顔を出せたのは、ここ15年でたった2回だけであり、それでも声掛けをし続けてくれるまめな友人には感謝する他ない。

で、その時は、同窓会云々とは何の関係もなく、仕事関係でたまたま名古屋に足を向けることになった。午前中で所用は終わり、半日丸々体が空いたので、記憶にある場所をぶらぶら歩いた。地元のゲーセンが潰れていることを確認したり、近所の公園のアスレチックが健在であることを確認したりした。


その後、私が通っていた高校にぶらっと立ち入った時、廊下で旧師と遭遇した。


男子校でなければ誰何されるところだったのかも知れない。私は正門からのこのこと学校に入り込んだ訳だが、会釈した守衛さんにも主事さんにも一言も声をかけられることなく、昔自分が通っていた校舎を、特に目当てもなくぶらぶら歩いていた。考えてみれば不用心な話だが、もしかすると顔を覚えられていたのかも知れない。現役の頃も、卒業生が訪ねてくるということはそれ程珍しいことではなかった。

時間的には放課後であった筈だが、その時間、仏教校の週次行事である全校集会が行われていることを私は覚えており、現役生に遭遇することは全くなかった。

で、3年の頃の教室の辺りで、唐突に旧師に行き当たった。


おい、なんだお前こんなところで。

いやあ、と私は答えた。ちょっと通りがかりまして。

一杯いけるか。おごってやる。


実のところ、誰かしら先生に会えるかなーと期待はしていた。会えなければ会えないでもいいか、と思っていたが、その時は随分タイミングが良かったらしい。先生の行きつけの店に連れていってもらった私は、ただ酒を飲みながら随分色々な話をした。


その時話してもらったことの中に、一つ、妙に印象に残っている言葉がある。

叱る人間はプレゼンターであり、叱責はプレゼンテーションである」という言葉だ。

もしかすると当たり前の話なのかも知れない。だが、私にとってこの言葉は一つの標定であり、ここではそのままに書く。


旧師の「叱り方」が上手い、というのは高校の頃から認識していたことである。がーーっと凄い勢いで叱るのだが、叱る要点が整理されており、勢いの割にちゃんと頭に入る。叱り終わった後は、繰り返すということがない。私も何度か叱られたことはあるが、納得感がない叱責、というものの記憶があまりない。

その話を向けた時、こう言われた。

しんざき、お前部下出来たか。後輩出来たか。

そりゃまあ、何人か。そう私は答えた。

そうか、じゃあいいことを教えてやる。

「叱るってことは、プレゼンだ」と。


叱るというのは、何の為に叱るのか?何か、子供なり生徒なりが、「よくないこと」「直した方がいいこと」をしたから、その再発防止の為に叱るのだ。

であれば、「再発防止」という目的を達成する為には、二つのステップが必要になる。

1.「叱られた理由」「何故叱っているか」「何がいけなかったのか」を正確に伝達、共有すること。
2.「どう反省すればいいか」「再発防止する為にどうすればいいか」を正確に共有すること


この二点を達成出来ない叱責には何の意味もない。単なる叱る側の自慰行為だ。


だとすれば、叱る側は、「どうすればこの二点を達成出来るか」「どうすれば叱った理由を伝達出来るか、共有出来るか」を考えなくてはいけない。

目的が明確であり、正確な伝達が必要で、その為に順序立てて叱らなくてはいけない。だから、叱責はプレゼンだ。そう、旧師は言った。


「感情的ではいけない、ロジカルでないといけない?」と言ったら、「違う」と言われた。違う。必ずしもそうじゃない。

大事なのは、「叱られた側が叱られた理由を正確に認識して、反省・再発防止というゴールを共有出来ること」だ。

だから、例えば「叱られた理由」と「反省」が明明白白で、共有が既に終わっているならば、表面上感情的になっても別段問題はない。感情的に伝えた方が強烈に印象に残って、結果として「叱られた理由の定着」「再発防止」が効果的になる生徒というのは、確かにいる。


「ただ感情的になるだけで、叱る理由の伝達を放棄している」叱責は愚の骨頂だ。まあ、再発防止策が共有出来たとして、それが実行できるかどうかは別の話だけどなあ。旧師は、そう言って笑った。

この話は大体ここまでで、後は他の話に紛れて、「叱責はプレゼン」という言葉は流れていった。



三児の親になって、なんだかんだで子供を叱る機会は多くなった。そんな中、つい最近、上の話をふいっと思い出した。

考えてみると、奥様がよく言っている、「叱られたわけ、分かった?」っていう質問は、重要な質問だなあ、と。

ただがーっと叱るだけだと、子供はただただ萎縮して、ごめんなさい、というだけだ。それだけでは、叱る理由も、再発防止策も共有出来ない。その叱り方には何の意味もない。

「何故叱られているのか」「今後どうすればいいのか」を共有するというゴールに辿りつけないと、叱ることに意味はないんだよなあ、と、改めてそう思った。


勿論、共有出来たとして、それが実行できるかどうかはまた別だ。それはそれでいい。一度叱っただけで改善出来るような子供はこの世に存在しない。


親の仕事は、多分、考えることだ。どうすれば子供に、言いたいことが共有出来るのか。少しでも子供の心に残る言葉は、どんな言葉か。


旧師の言葉も一つのヒントとして、これからも考え続けよう、と、そう思ったわけなのである。


今日書きたいことはそれくらい。


posted by しんざき at 18:21 | Comment(4) | TrackBack(0) | 子育て・子どもたち観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
名古屋の仏教系男子校。なるほど、さすがです。
私は名古屋市内の新人私立高校教諭ですが、叱り方というのは一つの大きなテーマです。
まだまだコントロールしながら感情的に叱る、という方法を器用にできないのですが、「怒る、と叱る、は違うんだよ」という恩師の言葉を忘れないようにしています。「叱る」のが上手くできる教師になれたらと思います。
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