日記混じり。特に結論が出るよーな話ではない。
なんか久々に、知人の編集者さんに愚痴られた。昔お世話になったことのある方で、「ゴールデンウィークって何ですか」仲間でもある。
話はファンレターのことだった。
出版社によってやり方は色々違うのかも知れないが、彼は自分が担当することになった作家さんに、まず聞くのだそうである。「ネガティブな内容のファンレターは、そのまんま渡しますか、止めますか」
この場合、作家さんは2×2の4パターンに分類出来るそうだ。その一、「渡してくれ」と言う人と、「見たくないから止めてくれ」と言う人。その二、ネガティブなファンレターを渡されて、プラスの影響が出る人、マイナスの影響が出る人。
最初から「止めてくれ」と言う人に関しては、自分が分かっている人だから安心出来る、という。問題なのは「ネガティブな内容でも自分の糧になるから渡してくれ」という人で、かつ実際にはそれを読んでマイナスの影響が出る人。要は、ネガティブな反応をもらうと激しくへこんでやる気がなくなるのだが、それに関して正確な自己評価が出来ていない人だという。このタイプの人、結構多いらしい。
編集者さんも慣れたもので、そのタイプの人にはファンレターを全て渡す振りをして実際には手元に止めておいたりするらしいのだが、「しばらく前からそれも殆ど上手くいかなくなった」という。
理由はひとつ、2ちゃんがあるから。まあ、そりゃそうだわな。
2ちゃんなんてネガティブ評の渦みたいなところなんだから最初から見なきゃいいのにと思うんだが、やはりというか、どうしても気になるらしい。倒錯した心理だが、むしろ悪評を求めて2ちゃんを見る、なんて人もいるみたいだ。心理的マゾというのかどーか。この辺、作家さんごとに分析してみると面白いかも知れない。
で、私にその編集者さんが何を聞いてきたかというと、「PCから特定のURL閲覧をブロックする方法」。どうやら担当している作家さんが聊か反応欲求をコントロール出来ない人で、2ちゃんの自分の作品のスレを見てはてきめんへこむ。ついに強制措置をとることにしたらしい。幾つかフィルタリングソフトを紹介してあげたが、なんだか大変そうだなあ。っつか、フィルタリングソフトってこんな需要まであるのか。ちょっと感心した。
それはそうと、その作家さんのスレを実は私もちょっと見てみた。首を捻った。最近出たその作家さんの作品に関しての話題が多いのだが、スレの多くは好評・あるいはその作品への考察が占めており、正直どこを読んでへこんだのか良く分からない。
そりゃまあ2ちゃんなんだから煽りレスの十や二十は混じっているのだが、これ読んでへこむ様な人はそれこそネットごと遮断した方がいいんではないか、と正直思った。フィルタリングソフトは万能でもなんでもないしな。
とはいえ、やはり新作を出した直後の作家さんの心境はデリケートというか。100の好評よりも1の不評の方が影響がでかいとはこのことか、と実感すると共に、担当編集者さんの労苦を思った金曜日であった。
(※このエントリーは検閲済みです。実在の作家、編集者、しんざき、i-フィルターなどとは多分関係ありません)
2007年05月04日

この記事へのトラックバック
ポジとネガ
Excerpt: http://mubou.seesaa.net/article/40803266.html ここを読んで思い出したこと。 商売がら作家の知り合いも多いんですが、ファンレターを受け取らないって人が..
Weblog: ざる豆腐
Tracked: 2007-05-07 21:34
読者2.0、作家2.0
Excerpt: 「作家に対する批判」はアリやナシやで一部が盛り上がっている様子。読者の立場からすると、極論といいますか、断絶通告に近い意見が出ています。 「感性は違うんだから読者の意見など所詮独善」と斬った上で 以..
Weblog: 脇見運転
Tracked: 2008-01-05 18:04
どもです。
この辺の話はいろいろありますので、また書こうかと思います。
ネガティブ情報を発掘してはへこむ人というのは多そうです。
面白いエントリーでした。
2ちゃんは見ちゃうと止まらなくなって、色々なブログまで行って仕事に帰ってこなくなる人と、まったく無視する人と2種類いるようです。
(私の周りでは)
>ネガティブ情報を発掘してはへこむ人というのは多そうです。
多いみたいですねー。まあ、漫画や小説に限らず、Webの世界でもたくさんいますけど。いずこも同じかなあ。
>tQyさん
>色々なブログまで行って仕事に帰ってこなくなる人と、まったく無視する人と2種類いるようです。
無視出来る人は強いですよね。作家さんにもスルー力のある人とない人がいます。
こういうのって気分の問題だから難しいですよね。恐いもの見たさってのもあるだろうし。
>スレの多くは好評・あるいはその作品への考察が占めており、正直どこを読んでへこんだのか良く分からない。
好意的な考察や感想にしても、作家本人の意図とは違ったところで反応してると、そう捉えられたかと思って、(意図が伝わらないことに)へこむってこともあるんじゃないでしょうかねー。
>そう捉えられたかと思って、(意図が伝わらないことに)へこむってこともあるんじゃないでしょうかねー。
あるかも知れないですね。私の感覚では、そりゃ仕方ないだろうというか、それ(意図と違う反応)も楽しみの内だろうと思うんですけど。完璧主義の人には辛いのかも知れません。