聖闘士星矢の話なんですが、当然のごとく下らない話なので、あまり真面目に読むことはお勧めしません。
皆さんよくご存知の通り、聖闘士星矢の世界観では、聖闘士同士の序列があります。特に序盤の銀河戦争編〜十二宮編においては、この序列がかなり厳密に、かつ重要性をもって描写されます。
聖衣(クロス)を持たない雑兵を最底辺として、主人公が所属している青銅聖闘士が序列の下位グループ。白銀聖闘士が中位グループ、12人しかいない黄金聖闘士が最上位グループであって、Wikipedia上では
おおむね拳速がマッハ1前後のものが青銅、2 - 5で白銀、光速が黄金の標準的な実力である[注 5]。
と記載されています。黄金聖闘士すごいですよね。光速ですよ光速。物理学に正面から喧嘩を挑んで爆砕している辺りは、流石車田先生としか言いようがありません。
格闘系少年漫画では、「序盤・中盤のボス」が、強さ上の「型落ち」をすることが多いです。序盤、散々主人公たちを苦しめた強敵が、新たな敵にあっさりやられてしまうことで、新キャラの強さを強烈に印象づけるアレです。インフレ云々を抜きにしても、話のスケールがでかくなればなるほど、序盤のキャラクターの相対的立ち位置が低くなってしまうことは仕方ないことだともいえます。
ところが、聖闘士星矢においては、星矢たち青銅一軍グループが作品を通して物凄い成長をしながらも、「中盤のボス」であるところの黄金聖闘士が、物語最終盤まで「型落ち」し切らず(全くしない訳ではないですが)、一つの「実力の天井」であり続けます。流石に冥王編の神クラスの連中相手には旗色が悪くなりますが、特にシャカやムウ、サガやアイオリアといった一線メンバーは、物語の最終盤まで「最強の一角」として描写され続けています。
この辺が、聖闘士星矢という漫画の、ひとつの特筆すべき点であると私は思います。
まあ、デスマスクやアルデバランといった一部の連中は、若干かませっぽい演出をされてしまった部分もありますが、12人(+1人)の内の大部分は「最強の一角」から最後まで退きません。嘆きの壁の展開が一つの象徴かと思いますが、聖闘士星矢というお話全体を見ても、黄金聖闘士の存在感は最後まで大きいままなのです。
早い話、黄金聖闘士は、お話上「弱く見えないように」非常にまめにメンテナンスされ続けたキャラクターたちである、ということが出来ると思います。
さて。そんな黄金聖闘士ですが、簡単に型落ちさせられない実力者という設定の為もあってか、黄金聖闘士内の序列というものは非常に難しく、作中では「黄金聖闘士同士が戦えば千日戦争になるかお互いが消滅する」などと描写されたりしています。
その端的な表出として、Wikipediaの「黄金聖闘士」の項目の表現が興味深かったのでちょっと引用してみます。強調は筆者。
〇牡羊座のムウ
サイコキネシス、テレポーテーションなどの超能力を最も得意とする。その力は全聖闘士の中でも最強と謳われており[2]、デスマスクが憎まれ口と共に対決を避け、シャカが一目置き、時に助力すら求めるほど。
〇牡牛座のアルデバラン
聖闘士の中でも並ぶ者のない剛を誇り、「黄金の野牛」の異名を持つ。
〇双子座のサガ
実力は黄金聖闘士の中でも群を抜き[9]、その拳は銀河の星々をも砕くといわれ、相手を意のままに操る精神攻撃も得意とする
〇双子座のカノン
海皇ポセイドン編前半においてはその威圧感・存在感、後半においては実力の一端を示し、かつてサガと闘ったことがある一輝が「実力はまさにサガの生き写し」と認めていた。
〇獅子座のアイオリア
冥闘士ですら「黄金の獅子」と称した実力の持ち主で、黄金聖闘士の中でも一、二の屈強を誇る。
〇乙女座のシャカ
黄金聖闘士でも「最も神に近い男」と呼ばれるほどの実力者で、仏陀の転生と言われている。
〇天秤座の童虎
サガからは、老齢ながら全聖闘士中で最強と評されていた。
〇蠍座のミロ
最強の黄金聖闘士の一人であるカノンに対しても、ほぼ互角に戦える程の戦闘力を持つ。
〇射手座のアイオロス
その実力は、最強の聖闘士を謳われたサガと同等またはそれ以上といわれる
〇山羊座のシュラ
黄金聖闘士の中でも突出した体術の使い手で[26]、その動作に追いつく者は数少ない
特に手刀の威力は黄金聖闘士中でも最強
よしちょっと待て。
なんでしょうこの本家争い感。多彩な最強表現のジェットストリームアタック。実に味わい深い表現の集団殺法であることは見てとって頂けると思います。
サイコキネシスというフィールドに限定されているようにも読めるムウ(とはいえ終盤での描写はシャカよりつえーんじゃねえかこいつ、といった内容でしたが)、体術に限定されているシュラあたりはまだしも、群を抜いていたり、並ぶものがなかったり、一、二の屈強を誇る人がやや多過ぎるように感じます。
特に、「最強のカノンとほぼ互角」というミロや、「サガと同等またはそれ以上」などというアイオロス辺りの表現に強い既視感を感じると思っていたら、ボジョレ・ヌーボーでした。例のアレです。
2014年版ボージョレ字面だけ格付け
1.2005年「ここ数年で最高」
2.2006年「昨年同様良い出来栄え」
3.2003年「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」
4.2011年「50年に一度の当たり年」「05年や09年産に匹敵する仕上がり」
5.2009年「50年に1度の出来栄え」
6.2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
7.2001年「ここ10年で最高」
結局どれが最強なんだよ、というのは恐らくタブーというか、最強議論スレが熱くなる展開なわけです。
つまりこれは、「毎年売りたい」ボジョレと同様、「みんな最強」という設定によって黄金聖闘士という立ち位置自体が保全され続けてきたことを意味していると思うんですね。若干数名最強表現が観測出来ない人もいますけど。
なんというか、一種の循環論法というか、誰ひとりモブキャラには落とさない、という強い意志が感じられて非常に好感がもてます。
まあ、これも、「作中最強格」といった立ち位置を大事に大事にメンテナンスされ続けた、黄金聖闘士の特殊性を表す一つの証左ではないかと私は思うわけです。
全然関係ないですが、聖闘士星矢がもたらした「星座同士のヒエラルキー」による悲喜劇は勿論今更言うまでもない訳でして、大体において蟹座やうお座の人間はふたご座やしし座、おとめ座に対してなんらかのコンプレックスを抱えてしまうものです。
上記ヒエラルキーは、デスマスクが活躍したエピソードGやギガントマキア、マニゴルドが超かっこよかった「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」などが世に出た今でも、完全に払しょくされたとは言い難い状況かと思います。
げに恐ろしきは聖闘士星矢という漫画の影響力と言うべきでしょうか。まあ蟹座については、元々の神話でも「ヘラクレスが戦ってるところに乱入しようとしたら1フレで踏みつぶされた」という、むしろヘラはなんでこんなヤツを星座にしてるんだよという残念神話の持ち主なので仕方ないともいえるかも知れませんが。
なお、この話の展開で察知頂けるかも知れませんが、筆者の星座は当然のごとく蟹座であることを記して結句としたいと思います。
今日書きたいことはそれくらいです。
アルデバラン>アイオリア
ムウ>シュラ
神>シャカ
まではわかりました。
間が悪かっただけで、デス様は本当は出来る子なんです。シャカやムウ相手でも千日戦争出来る実力者だと信じてます。
ムウは特殊能力だし、シュラは手刀の話だけだし。
んで剛力はアルデバランだろうし。
純粋な力量で言えば童虎=シオン(全盛期)>ムウは確実だろうけど、この3人は他と絡まないので力量評価が難しい。
シャカは冥衣3人組に禁技出させたから別格扱いになるだろうし、サガ・カノンは準ずるぐらいかなぁ。
蟹と魚はムウとラダマンティスとのやり取りがさらに減点させているので何も言えず。
それはさておきIME2010がさーぷりす・くろす・せいんとの変換を辞書に初期状態(辞書updateだけはしたけど)から登録していて驚きました。
アルデバランはかませ犬的な扱いをされてしまっていますが、子供の頃から一度もかっこ悪いと思ったことがなく、牡牛座で良かったと思っています。
男塾の三面拳も、ボジョレーっぽいですよね!
三面拳最強の男とか、三面拳随一の使い手とか。
予想通りのオチ! byおひつじ座