「増田と2ちゃんの比較論」の方が語呂がいいだろか。
今更の話題かも知れないけど、まあいいや、適当に書く。既出ならごめんなさい。
はてな匿名ダイアリー、いわゆる「増田」が面白い。私自身ははてなのIDを持っていないので読む専だが、匿名の人同士の混沌とした会話というか自分語り+@というか、ある意味脈絡のない内容から突然活発な議論が始まる様子というのは、新鮮な様などこか懐かしい様な、色んな意味で楽しい。
いきなり話が展開するが、Web上の情報集積にはざっくりいって二種類あると思う。個人への集積と話題への集積である。
あるWeb上の人格があって、「その人の発言」という形で情報がストックされていく形式を「個人への集積」と考える。例えばブログや一昔前のテキストサイト、mixiの日記、匿名じゃない方のはてなダイアリーなんかはこっちだろう。
Web上の人格には従属せず、「あるテーマについて」という形で情報がストックされていく形式を「話題への集積」と考える。Yahoo!ニュースの様な企業のニュースサイト、一部の専門サイト、大多数のWiki、当然Wikipediaなんかもこっちになる筈だ。
まあ、要はGoogle先生のお手並みというか、Web上での情報整理の話なのだが。
この前、はてな匿名ダイアリーと2ちゃんの類似性について書いている書き込みをどっかで見た。同じ「匿名での大規模コミュニケーション」という表層だけを見ると似ているかも知れないが、多分この二つは全く違う。
2ちゃん上のコミュニケーションというのは、混沌としている様で実は結構厳密である。2ちゃんでの会話は「板」と「スレ」に支配される。板違い、スレ違いのことを書くと叩かれる。2ちゃんというのは、実は凄くはっきりした「話題への集積」の場なのだ。
一方で「はてな匿名ダイアリー」はどちらになるかというと、多分どちらでもない。一昔前に隆盛したティーカップ掲示板の様な、「何かに従属しない集積」というか。それらしい言葉を使えば「非従属集積」、平たく言えば「未整理集積」って感じになるだろう。匿名だから個人には従属しないし、日記だから話題にも従属しない。でもトラバはあるし、会話も出来る。自然発生的に会話の流れが出来ることも頻繁にある。
一言で言うと、2ちゃんは結構厳密に「情報が整理された」場だが、匿名ダイアリーはそれとは対極で、「未整理な状態」が特徴の場である、ということになるだろうか。
匿名ダイアリーは結構読みにくいんで、Viewerが欲しいなあと思ったことがある。いっそDelphiか何かで作っちまうか、とも考えたんだが、なんとなく野暮な気がして手が止まった。Viewerで、整理された状態であれを読んでも、もしかするとあんまり楽しくないんじゃないかと、ちょっと思ったからだ。
先ほどTeacupの名前が出たが、「未整理集積」に関してはべつに新しいものじゃない。それどころか、かつての草の根ネットや当初のNiftyを考えると、「先祖帰り」と言ってもいい様なものだ。今では「未整理」の方が珍しくなっているというのは、ネット上での情報整理形式が、かつてとは比べものにならない程整備されたという意味でもある。勿論Googleの存在も大きい。
見方を変えると、これだけインフラが整ったWebで、未整理状態の匿名ダイアリーが盛り上がっている状況というのは、それだけでも結構面白い。はてラボはWebサービスの実験場だということだが、この「匿名ダイアリー」がどんなところに着地するのか、傍観者として楽しみでもある。
でもまあそれとは別に、増田ビューワは正直欲しいなあ。言及先の再帰ポップアップくらいでもいいから。暇になったら挑戦してみようかしらん。
2007年05月12日

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