2015年06月11日

いつかあるかも知れないいじめの為に、なるべく親子の会話経路をたくさん残しておきたいなー、と思ってお風呂でお話したこと


いつもの様に、こういうことを可視化するのも悪くないかなーと思い、書く。

長男7歳。普段、私が早く帰ってきた時は大体家族5人で風呂に入るのだが、先日は珍しく、長女・次女・奥様が先にお風呂に入った。その為、私と長男の二人でお風呂に入ることになった。

その時、以下のようなことを話した。


「最近なんか、学校で困ったことないか?」

「この前話したこと(班のリーダーの女の子が決める自分ルールが色々細かくてイヤだ、ということ。席替えに伴い解消)しかないよ?」

「そうか。ならいいんだけど、一つお話があります」

「おはなし?おもしろいやつ?」

「(息子の名前、以下息子で統一)くんにはまだそういう感覚ないかも知れないけど、学校で何か困ったことがあった時、一番それを言いたくないのは、多分パパだ」

「別にそんなことないよー」

「今はないと思うけどね。もうちょっと大きくなったら、これはパパやママには言いたくないなー、隠しときたいなーってこと、多分色々出てくる。それは別に悪いことでも変なことでもなくて、普通のこと」

「うーん?」

「話したくないことは、別に話さなくていいんだ。けど、たまーに、話さないでいると話さないでいる程、段々重たくなっちゃうことがある」

「重たくって?」

「困ったことが、雪だるまみたいにどんどん大きくなっちゃうってこと。そういう時って人に話しにくいし、話さないでいればいる程、どんどん話しにくくなっちゃう」

「うーん」

「多分、まだ、息子くんにはあんまりそういうことないと思う。ただ、これだけ覚えといて欲しいんだ。パパやママは、息子くんがどんな風に困っても、一緒に、真剣に、解決法を考えてあげられる。で、大体の場合、自分でも息子くんと同じことで困ったことがある。だから、息子くんが知らない解決法も色々知ってる」

「どんなことか分かんないよ」

「パンドラの謎で困った時、パパに相談して一緒に考えたら解けたろ?」

「うん」

「とにかく、パパに相談したら最後は何とかなる!とだけ覚えといて欲しいんだ。分かった?」

「分かったー」


私はこの話をした時、いじめのことを想定していた。

息子さんは、まだ、いじめに遭ったこともないし、多分いじめに参加したこともない。話を聞いている限り、幼稚園の頃、いじめに近い状況を目撃したことはある様だが、それは殆ど顕在化しないまま、幼稚園の卒園を迎えることになった。

今後、小3,小4と大きくなるにつれて、彼の人間関係も複雑になるだろう。一方、彼にもいずれ反抗期が訪れるだろうし、そうでなくても自立心の成長によって、親に何でも話してくれる時期はぼちぼち終わりになるだろう。


「困ったこと」というのは、多くの場合、「人に話しにくいこと」でもある、ということを私は知っている。そして、「話さなければ話さないほど、どんどん話しにくくなっていくこと」でもある、ということも、私は知っている。いじめに遭った、なんてのはその最たるものだ。


「話せない」ということは、心を疲弊させる。それ以上に、「話しても無駄だ」という意識は、子どもの心を容易に殺す。

だから、何でも話してくれる今の内に、「パパやママは、少なくとも全力で話を聞いてくれる」ということは分かっておいてもらいたい。そして、出来ればだけど、「パパやママに聞けば、迷路の出口も一緒に考えてくれる」ということも、意識のどこかに残しておいてもらいたい。


ただ、「出口を教えてくれる」だけだと多分ダメだと思う。一緒に考える、というのが重要だ。

親も、昔は子どもだったのだ。そして、私は多分、まだ子どもの気持ちになって考えることも出来る。だから、子どもにも子どものプライドがあるし、子ども同士の人間関係があって、それは大人と全く変わらず複雑だ、ということを覚えている。


勿論私は親として、いじめに参加して欲しくないし、いじめに遭って欲しくもない。しかし、いじめ自体は、子どもが集団になっていればどうしても発生してしまうことだ。そんな時、万一息子がいじめの当事者になってしまった時、どこかで「最後はパパに言えばなんとかしてくれる」と思いだしてもらえればいいなあ、と。そんな対話チャネルについては、なるべく長い間、なるべくたくさん確保しておきたいところなのだ。


こういう話を折々していくことが、息子の心の中に、何かの種になって残ってくれるといいなあ、と思う。



全然関係ないが、文中の「パンドラの謎」というのは下記サイトのお話である。

takarush:パンドラの謎

先日、横浜はこどもの国に行って「リアル宝さがし」というものに挑戦してみたところ、やたらめったら楽しかったらしく、長男にねだられてtakarushのサイトに長男名義でハンター登録まですることになった。「ぼくもいっぱしのハンターだね!!」だそうである。


で、Web上で挑戦できる謎解きもあるのだが、内容がどう考えても小学生低学年向きじゃねえ、というかはっきりと大人向き。世界史の知識とか、西洋文学の知識が求められることすらあって、私でも要所要所でぐぐらないと解けない問題があったりする。


で、色々長男に歴史の話なんかしながら解いていたら、なんだか非常に食いつきが良く、いつのまにやら大航海時代を始めから終わりまで大体説明し終わっていた。彼は今、マゼラン海峡がどんな経緯で名づけられたのか知っているし、インドに最初にたどり着いたポルトガル提督の名前を知っている。

彼はどうもゲーマー気質であって、私のことを「尊敬すべき父親」というよりは、「色んなゲームで超強いラスボス」のように認識している節がある。その為、ゲームや遊びが絡む時には、私の話を物凄く集中して聴いてくれる。それが何であれ、「集中して聴いてくれるテーマがある」というのは多分良いことだ。


好奇心が強いのはとてもいいことなので、引き続き、ゲームなりなんなりを入口にして、彼と色んなことをお話したいと思う。


今日書きたいことはそれくらい。

posted by しんざき at 20:03 | Comment(1) | TrackBack(0) | 子育て・子どもたち観察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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この記事へのコメント
難しい問題です。
いじめられた経験のある自分から言うと、
自分がいじめられているって事を
親に知られたくない、
プライドが許さないわけです。
大人になった今にして思えば、
もっと周囲の環境を利用すべきだったなとも
思いますけどね。

いじめがいまのところ経験のないということは
とてもいいことでもありますが、
一番怖いのは過度な重圧がないまま大人になり、
社会で凹まされることです。

いじめはよくないのは当然ですが、
ある程度の重圧はそれなりに
経験して欲しいなぁとも思ってしまう。
Posted by at 2015年06月12日 11:05
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