2015年11月16日

レトロゲーム万里を往く その128 ガーディアンヒーローズ


セガサターンは、私たちの希望でした。



セガの話を、客観的かつ公平に記述することは困難です。私は元来タイトーっ子であり、セガについては(真正のセガファンの方に比べれば)片足突っ込んだ程度のファンでしかありませんが、そんな私にすら、セガというメーカー名は特別な響きをもって心に迫ってきます。

かつて、特にゲーセンにおいて、恐るべき完成度とシャープさを備えた名作の数々を、冗談抜きで怒涛のごとく連射していたセガというメーカー。ゴールデンアックスを、アウトランを、スペースハリアーを、アフターバーナーIIを、ファンタジーゾーンを、忍 -SHINOBI-を、バーチャファイターを、まるで当然のことのように我々の前に提示してみせたセガというメーカー。


そんなセガというメーカーに入れ込んだファンにとって、「ゲームハード」というものは一種の魔境でした。セガという素晴らしいメーカーが発売する、素晴らしいハード。 SG-1000。SG-3000。マスターシステム。メガドライブ。どう考えてもその時代時代の最高のハードなのに、何故か理不尽な数の暴力の元、「家庭用ゲーム機のデファクトスタンダード」というエンディングにたどり着けないその様は、超高難度RPGのラストダンジョンに挑み続ける感覚にも似ていました。

そんな、「頑張って銀メダル」というようなセガにとってのハードウェア戦争において、一点の突破口が見えたように思ったのが、プレステ - セガサターン時代でした。ソフトの価格高騰を背景に、SFCの覇権は終わりを迎えつつあり、まだ任天堂の後継ハードの姿は見えない時代。ナムコは強敵とはいえ、プレステの方向性も未だ見えず、一方でこちらにはキラーソフトのバーチャファイターがあり、デイトナUSAも見えている。そして何より1994年11月当時は、まさにバーチャファイター2がゲーセンに姿を見せ始めた、セガフィーバータイムとでもいうべき時代だったのです。


その結果どうなったか、という話は、ここでは一旦置きます。ただ、一つだけ書くとすれば、「セガサターンは、セガファンが期待した通りの素晴らしいハードだった」という一点について、議論の余地はないと私は考えます。


PS-SSの比較という話をした時、2Dゲームにおけるグラフィック描画力において、サターンの能力は一歩勝っていました。これは、特に対戦格闘ゲームや2DSTGの移植、ベルトスクロールアクションなどにおいて顕著に表れていました。ダライアス外伝やレイヤーセクション、ガンフロンティア、ガンバード、出たなツインビーヤッホー!やSNKの様々な格闘ゲームなど、当時セガサターンで人気を博した移植もの作品は枚挙に暇がありません。



そんな中。セガサターンオリジナルの、一つの「最強作品」が、トレジャーというメーカーからセガ経由で世に放たれました。



ガーディアンヒーローズ。格闘ゲーム・アクションRPG。1996年1月26日、トレジャーより発売。このずっとずっとあと、2011年10月12日に、XBOX360にてHD版が発売されています。

トレジャーというメーカーについては、今では「レイディアントシルバーガン」や「斑鳩」の印象が強い人が多いかもしれませんが、当時は「メガドライブでの傑作アクションゲームメーカー」という認識でした。トレジャーのタイトルに外れがないことは一部のメガドライブユーザーの間では有名で、「ガンスターヒーローズ」や「幽☆遊☆白書 魔強統一戦」については、ハマりにハマった人が多かった筈です。


特に、「幽☆遊☆白書 魔強統一戦」については、「格闘ゲームとしてすごくよくできているのに、4人同時プレイでごちゃごちゃ対戦出来る」「カオスなのに、そのカオスさがもの凄く面白い」という二点で、メガドライブ全体を見回してもトップクラスの傑作といっていいでしょう。個人的には、「熱血行進曲 それゆけ大運動会」以上に対戦が盛り上がるゲームだったと思います。


その、「幽☆遊☆白書 魔強統一戦」のDNAがそのまま受け継がれた上で、二ケタ程の超絶パワーアップが施されたのが「ガーディアンヒーローズ」でした。

ゲームの詳細については、wikipediaをご参照いただければと思います。

Wikipedia:ガーディアンヒーローズ


ゲームの動画は、こちらから参照することが出来ます。この動画はサターン版ですが、HD版はグラフィック面で更にパワーアップしています。




さて、ゲームの話をしましょう。


・不死英雄戦士の異様な頼もしさについて。


ゲームとしてのガーディアンヒーローズを一言でいうならば、「ベルトスクロールアクションと格闘ゲームを折衷してパワーアップさせたもの」です。


ガーディアンヒーローズは、ストーリーモードとVSモードに分かれます。ストーリーモードにおいて、プレイヤーは「ハーン」「ランディ」「ニコ」「銀次郎」の4人の冒険者の中から一人を選び、「初代「餓狼伝説」のような3ラインのフィールドで、剣と魔法の正統派ファンタジーバトルを繰り広げます。


ガーディアンヒーローズの「おもしろ要素」は幾つもあります。単純に箇条書きで列挙してみます。


・ゲームの進み方自体はベルトスクロールアクションに近い
・が、ラインが3ラインに限定されているので、軸合わせなどの若干とっつきにくいテクニックが必要ない
・幽白譲りの絶妙な操作感で、キャラクターをただ動かしているだけで面白い
・かつ、ベルトスクロールのように雑魚を豪快に蹴散らす爽快感、ボスを倒した時の達成感が非常に大きい
・初心者は、ある程度コントローラーをがちゃがちゃしていているだけでも進めるし、気持ちよさも味わえる
・しかし、後半戦になるといい感じに難易度が上がってくるので、成長を促す要素がきちんとある
・レベルの概念があるので、先に勧めなかった場合、雑魚的を倒しまくって強くした上で再挑戦する、といったことも出来る
・その上で、コンボを組み立てたり、距離を測って駆け引きをしたりといった、対戦格闘としての面白さもちゃんとある
・空中ガード、ジャンプキャンセル、空中コンボ、ライン移動を用いた待ち伏せなどなど、格ゲーとしても非常に先進的で奥が深い
・随所随所で仲間NPCが乱入したりして、ストーリーに没入している感が味わえる
・キャラクターが非情に豊富。しかも、条件を満たすとほとんどのキャラクターを使うことが出来るようになる
・ストーリー分岐も豊富でマルチエンディングであり、攻略のし甲斐がある
・一回のストーリー自体は短いので、何度も遊ぶことが苦にならない
・常在味方NPCである不死英雄戦士が異常に頼もしい。ある程度指示出しすることも出来、動かないように指示して自分だけで攻略するということも、暴れさせることも出来る
・キャラクターの個性もはっきりとしており、初期キャラクターである4人だけでも、「正統派戦士で、豪快な攻撃が特徴のハーン」「魔法使いで、遠距離からの魔法攻撃と、棒術を使った必殺技絡みのコンボで戦うランディ」「唯一回復魔法が使え、通常技は弱いがバリヤーやHPを消費しての範囲攻撃「おこったぞー」が強力なニコ」「テクニカルでコンボも難しいが、使いこなすと非情に強いギンジロウ」と、バラエティが非常に豊富。



エトセトラエトセトラエトセトラ。ここではストーリーモードに限定した話をしていますが、ストーリーモードだけでも十二分に遊びまくることが出来ます。

やはりまず何よりも、

・幽白譲りの絶妙な操作感で、キャラクターをただ動かしているだけで面白い

というところが、もうひっじょーーーに大きいわけでして。名作アクションゲームの必須要件、「動かすこと自体に爽快感がある」という部分を完全に満たしています。序盤は難易度が低いということもあって、ハーンの大振りでがががーーっと雑魚的をなぎ倒すのも、ランディのコンボでぽこぽこぽこっと敵にコンボを叩き込むのも、もう思う存分楽しむことが出来ます。

そのうえで、ゲームが大味かというとそんなことは決してなく、(少なくとも主要キャラクターに関しては)「考えて連続技を組み立てる」「間合いを考慮して戦略的に動く」ということに、非常に大きなリターンがあります。最初の内はとっつきやすく、掘り下げていくと奥が深い。この振れ幅が絶妙という他ないんですね。


ストーリー自体も、90年代前半によくあった「剣と魔法の世界観」に拒否感がない人であれば、合間合間に入る掛け合いも含めて、十分に楽しめる内容かと思います。伝説の剣を手に入れて喜んでいる冒険者4人を、突如襲う王国の兵たち。そして一行の前に現れる不死英雄戦士(アンデッドヒーロー)。ところどころで発生するNPCとの協力や会話、あるいは戦闘も含めて、盛り上がる要素満載です。



と。勿論、ここまでのストーリーモードだけでもガーディアンヒーローズは十分に面白い訳なんですが、実はまだこのゲームの面白さの3割でしかありません。

残りの7割は、「VSモード」に集約されているのです。



・天上神3人が余りにもカオスなんですが。

断言しますが、このゲームのキモはVSモードです。

VSモードにおいて、プレイヤーは、ストーリーモードで現れたキャラ殆ど全員を縦横無尽に操って、白熱バトルを繰り広げることが出来ます。しかも、参加可能人数は最大6人、HD版ではなんと倍の12人(オンライン対戦も可能)。

使用可能キャラクターがほぼ全員ですので、例えばNPCの不死英雄戦士、あるいは何度も手合わせする中ボスから、ストーリー上の最終ボスであるデカキャラを使うことも出来れば、果てはストーリーにはほとんど無関係な町民まで使うことが可能です。


これがもう超カオス。

ラスボスが1,2人でも混じっていれば、3ラインの内のいくつかのラインが極太ビームに埋め尽くされる、などということもふつうに起こりえます。一方、ラインを無視出来る町民などの一部キャラクターは、攻撃を受けないように受けないように、こそこそと逃げ回りつつ漁夫の利を狙うことも可能。そんな中でも、ランディやニコのような小柄なキャラクターも、どさくさに紛れて大ダメージコンボを決めることも出来ます。


カオスだからといって、ゲームが成立していない訳では決してなく。1〜200レベルまでの細かいハンデ付けを設定することも出来る他、強いキャラ程早く狙われたりといった要素もある為、「カオスなのにどういう訳か全体としてはバランスがとれている」という摩訶不思議の対戦ゲームを存分に楽しむことが出来ます。

ストーリー中ハーンのように正面から奮戦するも良し。圧倒的な必殺技を主軸に暴れまわるも良し。慎重に機会を伺いながら蜂の一刺しを狙うも良し。逃げ回りながら漁夫の利を狙うも良し。


そこにあったのは、圧倒的な自由度と爽快感の共存。3ラインという限定された戦場でありながら、ありとあらゆる楽しみ方をプレイヤーに許すその懐の深さが、ガーディアンヒーローズの最大の特長だといえるでしょう。


以前とある電源ゲーム会で、ガーヒー12人対戦をオール人間でプレイしたことがあるのですが、そりゃもう超絶楽しかったですよ。今からでも楽しめることは私が保証します。


ということで、長々と書いてまいりましたが、

・格ゲーが好きな人
・ベルトスクロールアクションが好きな人
・XBOX360を持っている人
・剣と魔法の世界観に拒否感がない人

上記に2つ以上当てはまる人の中で、万一まだガーディアンヒーローズをプレイしていない人がいれば、それは明確に人生を損していると思うので、ぜひともamazon辺りでポチることをお勧めします。

今日書きたいことはそれくらいです。
posted by しんざき at 19:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | レトロゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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