バイキンマンの本体がその名の通りばい菌、つまり雑菌であるとすれば、アンパンチやアンキック、アンチョップなどの物理攻撃が通用するような相手ではない。微生物をいくらぶったたいても殺し尽くすことは出来ない。むしろ、普段アンパンチで吹っ飛ばされて「ばいばいきーーん!」とか言っているバイキンマンの方が、アンパンマンに気をつかってやられてあげているのだと判断出来る。
雑菌を殺す方法は勿論数多あるが、その種別は物理的方法と化学的な方法に大別出来る。
【物理的方法】
・高温処理/焼却
・紫外線殺菌
・パルス光殺菌
・高圧殺菌/真空殺菌(真空パックなど)
・超音波殺菌
など
【化学的方法】
・ガス滅菌
・酸化剤、エタノール、抗菌薬などによる薬物殺菌
・酸/アルカリ殺菌
など
たとえばパン工場の面々にペニシリンマンやクレゾールマンがいたとしたら、彼らにはバイキンマンを殺せる可能性があるが、当然そんな人材はいないのであって、せいぜいカレーパンマンに含まれているであろうスパイスの抗菌作用に期待するのが関の山だ。食料品畑のアンパンマンやメロンパンナちゃん、食パンマンでは菌の苗床になって終わりである。(実際に、彼らは何度もカビルンルンの跋扈を許している)
舐めプをしているのはアンパンマンたちではない。バイキンマンの方なのだ。
ジャムおじさんの勢力で唯一バイキンマンを殺せる可能性があるとしたら、それはパン工場の窯による高温処理に他ならない。
最終兵器、窯。敵のラスボスに唯一対抗できるのは、パン工場のボスであるジャムおじさんその人であった!!!!そう考えると、アンパンマンのラストシーンがバイキンマンを道連れに親指立てながらパン窯に沈んでいくジャムおじさんの姿になることは全く想像に難くなく、考えるだけで目から流れ落ちる涙を止めることが出来ない。
こう考えると、アンパンマン陣営の首領にこそバイキンマンを殺せる可能性を託した、やなせ先生の深慮遠望には感嘆せざるを得ない。これに感動するのは一人私のみであろうか。
全然関係ないのだが、うちにあるアンパンマンの絵本で、「おやつの前に手を石鹸で洗わなかったバイキンマンを皆で非難して、バイキンマンだけお腹を壊す」という筋書きのものがあるんだけど、多分バイキンマン石鹸で手を洗ったりしたら死ぬし、あれ極めて悪質ないじめだと思う。
一言で言いたいことをまとめると、
パン工場陣営は、バイキンマンと本気で戦う気があるならクレゾールマンや次亜塩素酸ナトリウムマンを招聘しろ
という一言だけであって、他にいいたいことは特にない、ということを最後に申し添えておく。
今日書きたいことはそれくらい。
部下が謀反を起こしてレッツ本能寺じゃないですか。