※この記事は、今までカルドセプトシリーズのタイトルを遊んだことがあまりない、興味はあるけれどカルドセプトってどんなゲームなのかよくわからん、という人向けの記事です。ご承知おきください。
カードゲーム、好きですか?
ボードゲーム、好きですか?
特に、「マジック:ザ・ギャザリング」や「ハースストーン」「シャドウバース」のようなトレーディングカードゲームが好きな方。あるいは「モノポリー」や「いただきストリート」のようなボードゲームが好きな方。このどちらかに当てはまる方は、間違いなく「カルドセプト」にハマる素質がある、とまずは断言してしまいます。
何故なら、「カルドセプト」は、これらトレーディングカードゲームと、ボードゲームのいわば「いいとこどり」をしたタイトルだからです。
ということで、前回のエントリーが我ながら興奮しすぎていて全くまとまってないので、今回の記事からは、もう少しいろいろと整理して「カルドセプト」の魅力について書いていきたいと思います。
ちなみに、カルドセプトの基本的なルールについては、こちらを見て頂いた方がよろしいかと思います。
この記事では、あくまで「どんなゲームか」から一歩踏み込んだ、「じゃあそれ何が面白いの?」というテーマを扱います。
本エントリーは、以下のようなおしながきになっております。
○「ボードゲーム」としてのカルドセプトの面白さ
○「カードゲーム」としてのカルドセプトの面白さ
○初心者の方に「カルドセプトリボルト」をおすすめする理由
順番にいきます。
○「ボードゲーム」としてのカルドセプトの面白さ
「カルドセプト」というゲームの目的は、要するに「ありとあらゆる手段を用いて、マップごとに決められた目標資産を達成すること」です。とてもシンプル。
マップというのは、要はボードゲームのボードのことです。カルドセプトのボードは、↓のような感じになっています。
これらボードの上を、2つのダイスを振ってプレイヤーたちは移動していきます。
プレイヤーは、このボードにクリーチャーを配置することで、その土地を自分のものにすることが出来ます。他人の土地に立ち入ったら、その土地の所有者に通行料を払わなくてはいけません。モノポリーのアレです。
自分のクリーチャーを他人の土地に攻めこませることでその土地を奪い取ることも出来ますし、土地に魔力を投資することで土地のレベルを上げ、とれる通行料をデカくすることも出来ます。
ボードを一周すると報酬に魔力がもらえる他、「リボルト」から各ターンごとに、各プレイヤーはちょっとずつ「魔力」をもらえます。それらの「魔力」を元手に更に魔力を増やしていって、プレイヤーは「目標魔力」を達成しようと頑張ることになります。
この「目標達成の為の手段」にもいろいろとありまして、代表的なところだけでも
・同じ属性の土地を集めて、それらの土地に投資して土地レベルを上げることによって魔力を高める
・レベルを上げた土地を使って相手から高額な通行料をせしめる
・逆に、高いレベルの土地を奪い取って一気に相手を蹴落とす
・一切土地を持たずに、周回ボーナスとスペルを使って目標魔力を達成する
この辺は全部成立します。更に、後述する「ブック(いわゆるデッキ)」の組み方によって、これらの中でも無数に達成プランは枝分かれします。
ボードゲームとしてのカルドセプトの最大の楽しさは、「自分の魔力獲得がうまくいった時の快感」「自分の描いたプランが成功した時の達成感」です。
高レベル領地にうまく相手を止めて、相手の侵略を防ぐと、相手からどばっと大量の魔力を奪い取ることが出来ます。これがうまくいくとひじょーーに気持ちいい。奪いとった魔力をつぎ込んで、更に他の領地のレベルをどかっと上げる好循環を作ることも出来ます。
とはいえ、高レベル領地は相手のターゲットにもなります。高レベル領地を奪い取る事ができれば、相手が投資した魔力ごとまとめて自分のものにすることが出来ますし、更にそこに止まった通行料を期待することも出来ます。高レベル領地をうまく奪いとった時の快感、逆に奪い取られた時の血反吐はくくらいの精神的ダメージも、カルドセプトの楽しさの重要なエッセンスの一つです。
画像は、しんざきのキャラ「カルチャキス」が、テネットさんが何故か風地形においたオウムガイを強打でぶった切るところです。
逆に、こうした「通行料と領土の奪い合い」を回避して、争いを起こさずにすぱすぱすぱっと魔力を達成する方法もいろいろとあります。移動カードをふんだんに入れて、辺鄙な地形もさくさくっと自領土にして奪われない内に大量投資する、であるとか。クリーチャーを一切入れずに移動と全体攻撃だけで目標魔力を達成し切ったり、であるとか。
これらのプランは、相手の出方によっても変わってきますし、マップによっても強いプラン、弱いプランが変わってきます。どんなプランで、どんなマップでの目標達成を目指すか。これをこねくり回してうまく実行するのが、カルドセプトプレイヤー、通称「セプター」の腕の見せ所。
まずは、
・「シンプルな目標を達成する為に、やたらたくさんのプランがある」
・「そのプランがうまく図に当って、大量の魔力をゲットしたり、独走していた相手を差し切ったり、さくさくっと魔力を達成したりといった目標達成の瞬間が超絶気持ちいい」
という二点が、ボードゲームとしてのカルドセプトのシンプルな魅力の一つだとお考えください。
○「カードゲーム」としてのカルドセプトの面白さ
カルドセプトにおいて、プレイヤーは50枚のカードを組み合わせた「ブック(いわゆるデッキ)」を作って、そのブックで戦うことになります。
カードには、「地・水・風・火」の4つと無属性のグループにわけられた「クリーチャーカード」と、様々な効果をもった「スペルカード」、戦闘を補助してくれる「アイテムカード」の、大きく分けて3種類があります。この3種類のカードを使い分けて、プレイヤーはバランスの良いブック、あるいは尖りまくったブックを構築します。
この時、上で書いた「勝つためのプラン」をあーだこーだと練って、その為の「最適なブック」をこねくり回すのが、とにかく楽しいわけです。
これはデッキ構築性のカードゲームの共通の楽しみだと思うんですが、「あ、このカード強いかも!」「このカードはあんまり使えないな…」「このカードも入れとかないとデッキが回らないな」「このカード、こんな使い方も出来るのでは?」と、様々に自分のブックを編集する時間は、カルドセプトの楽しさの4割くらいを占めているといっても過言ではないと思います。
上はしんざきの風ブックの一部。はやくガルーダさん欲しい。
クリーチャーカードには「ST(攻撃力)」と「HP(生命力)」がそれぞれ設定されており、また召喚する時にも魔力が必要な為、「安くてバラマキやすいやつ」「高いけど特殊な能力を持ってる奴」「強くて侵略に向いてる奴」「やたら硬くて防御に向いてる奴」などなど、普通のTCGと同様、えれーーバラエティ豊富です。
今回はカードパックをゲーム内通貨で購入・開封してカードを集めていくシステムであることもあり、強くてレアリティの高いクリーチャーカードが手に入った時、思わずガッツポーズをしてしまう楽しさもTCGと同質。美麗なカードグラフィックも合わせ、「集めゲー」としてのカルドセプトの楽しさももちろん大きいです。
ただ、カルドセプトが通常のTCGと違うところは、「ボードゲームでもある」ところです。ただ戦闘のことだけを考えても、プレイヤーは勝つことは出来ません。
例えば、高額領地を守る相手を叩き切る為のコンボカード。例えば、侵略能力はないけれど、拠点を守る力を持ったクリーチャーカード。連鎖を形成する為の安くて場持ちがいい安価カード。
例えば、自分のダイス目を操るスペル。例えば、クリーチャーを移動させるスペル。例えば、ボード上の地形を変えるスペル。例えば、敵のスペルを封じるスペル。
これら、「ボードゲームパートを勝ち抜く為の戦略とブック構築」を、プレイヤーは全力で考え抜くことになります。
移動スペルの有用性はマップによっても違いますし、どんな地形を領地にして、どんなプランで勝ちを目指すのか?によってもブックの有用性は変わってきます。
スペルカードや特殊な能力を持ったクリーチャーも使いこなして、「ボードゲームパートで勝ち抜く為のブック」を組み上げること。それがカルドセプトのもう一方の魅力であり、「自分だけのデッキ」を使いこなして魔力達成を目指すことが、カルドセプトの底抜けの楽しさの重大極まるエッセンスの一つなのです。
・色んなカードを集めて、あーでもないこーでもないとブックを構築する楽しさ
・「ボードゲーム」でもあるが故の、ブック構築のバラエティ
・上記を合わせて「強いブック」が組めた時の嬉しさ
これらも、同じくカルドセプトの魔的な魅力の源泉です。一度味わってみませんか?
○初心者の方に「カルドセプトリボルト」をおすすめする理由
大きくわけて4点くらいあります。
・「おすすめ行動」のバランスが絶妙
・過去作より遥かにゲームのテンポがよくなっていて、1プレイがダレにくしい数をこなせる
・手札が完全公開情報になり、頑張って相手の手札を覚える必要がなくなった
・連鎖の概念がわかりやすくなった
この辺が、上で書いた面白さとは別に、今回の「カルドセプトリボルト」をおすすめ出来る主要な理由です。
まず、以前3DS版「カルドセプト」の時にも書いたんですが、ゲーム中「こうするのはどう?」とCPUがおすすめしてくれる、「おすすめ行動」のバランスがとにかく絶妙。
カルドセプトには結構いろんなコツやセオリーがありまして、ただチュートリアルをクリアするだけだと、なかなかそれを身につけるには至りません。
が、オススメ行動ではそれら「最低限のセオリー」は抑えたオススメをしてくれるので、プレイヤーはごく自然と、「あ、そうすればいいんだ」という大雑把なコツを学ぶことが出来ます。ただ「オススメ行動」にしたがっているだけで、「中級者一歩手前」くらいの挙動は簡単に出来るようになるのです。
しかし、ここがすごいところなんですが、「オススメ行動」は決して「最適行動」ではありません。一体どういう作りになっているのか、オススメ行動を見ていると、「いや、それも悪くはないけど、本当はこうした方がもっといいんじゃない?」という疑問が、慣れてくるとどんどん湧いてくるようになっているのです。
オススメ行動は「基本は抑えているけれど、そこまで最高効率は出してくれない」くらいの絶妙なチューニングになっていて、あまり有効でない提案も結構ぽんぽんしてきます。最初は感じ取れなかった疑問が、ゲームに慣れるごとにどんどん浮かんでくる。「あれ?」と思った頻度が、すなわちそのプレイヤーの熟練度になるわけです。
オススメ行動を見ているだけで、だんだんと自分の上達ぶりを感じ取れるようになる。チュートリアルが親切なゲームは珍しくありませんが、ゲームシステム上に、プレイヤーを自然と上達する仕組みが組み込まれているゲームは、そうそうザラにはないと思います。
一方、「リボルト」では、ゲームのテンポを向上させる仕組みが山程盛り込まれています。
・単純に操作の反応が良い
・ダイスが2つに増えていて移動が速い
・離れた領地も一周した後は操作が出来るようになる為展開のテンポがやたらいい
・一定ターン後、「もう無理」となったら降参することも出来るようになっている
・演出のテンポもよくなっている
などなど、かつてのカルドセプトで「ちょっともっさりしてるかなー」と思われていたところが軒並み改善されまくっています。昔は1ゲーム4〜50分くらいかかることもあったところ、今回は長くても30分、ヘタすると20分未満で終わったりすることも珍しくないんじゃないでしょうか?
当然、テンポがいいということは「場数を踏みやすい」ということでもあるわけで、プレイヤーは気楽なゲームプレイでどんどん経験値を積むことが出来ます。初心者さんが「リボルト」をプレイするべき理由の一つです。
更に、前回エントリーで「手札が完全公開情報になった」ということを書きました。これはこれで、カードゲームとしてはものすげー大冒険だと思うんですが。
「上級者と初心者の決定的な差だった、「相手の手札を把握しているかどうか」という決定的な壁が無くなった」というのは、今回大きく大きく特筆すべきところだと思います。もちろん、相手の手札を把握したうえでの駆け引きとか、そもそも名前を見ただけでカードの効果を把握しているかどうかとか、そういう点でのハードルはもちろんあるわけですが、それでも以前のカルドセプトよりは余程壁が低くなっていると考えていいでしょう。
カルドセプトの最も熱く、楽しい遊び方が対人戦であることはいうまでもないところだと思いますが、その対人戦のハードルが下がっていることは、リボルトを初心者さんにオススメする最大の理由になりえます。
他にも、以前は「エリア」という概念があって連鎖(同じ色の土地をたくさん集める)の判断がわかりにくくなっているところがシンプル化されているであるとか、数え上げれば細かいところまで山程あるんですが、まあキリがないのでこの辺にしておきます。
あと、ついでというには重要な要素過ぎるんですが、伊藤賢治先生の作曲がかっこ良すぎることも書いておきたいです。序盤の戦闘シーンで既に名曲が山程出てきてるんですが。ナイスト戦超かっこいい。
なにはともあれ、私が言いたいことは
・今回「カルドセプトリボルト」は初心者さんにもやたらオススメですし超面白いのでみんな買うといいと思います
という一点であり、他に言いたいことは特にないわけです。皆さんセプトりましょう。対戦しましょう。
次回エントリーでは、更に「カルドセプトリボルトの歩き方」として初心者さんガイドっぽいことも書いていきたいと思います。よろしくお願いします。
理由は、プレイヤーへの攻撃が、相手のサイコロ依存なところがもどかしく、カードゲームと比べてテンポが悪く、サイコロの分だけ運の比重が高いところが理不尽だったから。
あなたのようにカードゲーム好きがハマるとおすすめされたけれど、自分のように全くダメだと思う人もいるので、ブログ上の「絶対にハマる素質がある」という記述は過大広告。
だからカードゲームとボードゲームの良いところどりというのも納得できない。ボードゲームのようなテンポの悪さと運要素を混ぜてしまったカードゲームの劣化版という印象でした。
ドラクエでもFFでも「たたかう」しか選んでなきゃ遠からず詰まりますがそれで合わないと言われても……と同じです。
話を戻すと初期ブックにもダイス操作のホーリーワードは入ってますし、ストーリーの最序盤はNPCもかなり手加減してますので「ばら撒きからの移動」で「連鎖を作る」ことで「少ない種類のダイス捜査でもヒットさせる環境を作る」練習は比較的容易です。
ま、合わないなら仕方ないけど。
リボルトは【ほぼ全作手を出してる初心者】の私にも良さげなので当然プレイ。
初の3人マップで案の定連敗中…サイコロが悪すぎて1ばっかりでまさかの二周の周回遅れとかザラなんですけど…
あと1日やってダメならやめそうw
サイコロの目押しってあるんですかねぇ
あったとしても目が悪いので厳しいかなw
フライ使ってもこっちが4マスとか5マスしか動けないのにNPCは10マス平気でかっとんで行く、なんてのはまあよく見る光景ではありますが。
ちまちまとカードを買ってる内に便利なカードを入手し突破出来ました。
なんとかストーリークリア目指して頑張ります
(瞬間記憶や全カードの絵柄暗記も、技術のうちだろ!というのが彼等の主張)
難しい決断だったと思いますが、
手札公開化で未プレイ者参入の敷居を下げたのは英断だったと思います。
これからいろいろ勉強させていただきます。
絶対にハマる、は言いすぎだとしてもカードゲームの劣化版、も言いすぎかなと。