わたし、あんまり「苦手な物」ってない方だと思ってるんですけど、一つ妙な物が苦手なんですよ。
それはキューピー人形。昔この記事でもちらっと書いたんですけど。
皆さんご存知ですよね。これ。正直私、キューピー人形については「見るだけでも苦手」というレベルの苦手さであって、実は今、これのリンク貼っただけでかなり苦手感がぶり返していて若干くらくらしてるんですけど。
日本だとマヨネーズのパッケージによく使われてますけど、実はこの人形、アメリカのイラストレーターの手による世界的なデザインだったらしいですね。今初めて知りました。アメリカでは、ハンバーガーチェーンのパッケージデザインにも使われているとか。
で、これ、何で苦手かっていいますと。
私の子ども時代、といっても幼稚園から小学生くらいまででしょうか。毎年夏休みになると、東北の母方祖父母のうちに遊びにいっていたんですよ。車文化だったもので、当時住んでいた名古屋から数時間かけて、高速道路で車に乗ってですね。
で、その祖父母のうちでさんざん遊ばせてもらって、プールにいって、自転車であちこち駆けずり回って、近くにある超でっかい木がある公園に遊びにいってと、毎年夏休みを満喫していたんですけれど。
そのうちの寝室に、あったんですよ。キューピー人形。化粧台みたいなところにちょこんと置いてありまして、部屋一面を睥睨しているわけなんですが、夜寝てる時にふと起きて、ちょっと上を見上げると、ばっちりそのキューピー人形と目が合ってしまうという絶妙なポジションなわけですよ。
いかにキューピー人形がかわいらしいデザインだからといって、祖母宅の豆電球の中、薄明りにほのかに浮かび上がるキューピー人形の姿に、子どもが恐怖しないわけがありません。
で、毎晩夜中に、やや下45度くらいという絶妙な角度でキューピー人形と目を合わせていた私は、その度に泣きだしてすっかりキューピー人形が苦手になってしまった、という話なんですが。
最近、私の母にこの話したんです。ばあちゃんの内の寝室に、キューピー人形あったよねー。あれ怖くってさー。
すると、私の母、こう言いました。
「え?キューピー人形なんてなかったよ?」
え。
なにせ母は毎年一緒にその実家に行っておりましたし、当然大人になってからの記憶の方が明確な筈なので、どうも母の記憶の方が正しそうなのです。その後、父に聞いても、全然別の機会に私の兄に聞いても、「いや、キューピー人形なんてあったっけ?」という意見で一致しています。
考えてみると当たり前ですよね。仮に毎晩子どもが泣いて、その原因がキューピー人形だとしたら、そんなもの部屋の中に置きっぱなしにするわけがないじゃないですか。あっさり撤去されてどこかに放擲されるに決まっているんです。
けど、じゃあ、この脳みその中の、えらいはっきりとしたキューピー人形の記憶は一体なんなのか。毎晩キューピー人形と目があって、ぎゃんぎゃん泣いた記憶はなんなのか。この記憶に基づいて、今でも私の中に残存している、キューピー人形に対する苦手意識は一体なんなのか?
思い込みだとしたら、一体いつから、何が原因で私はそんな思い込みをしたのか?それが私には、今でもさっぱりわからないままなのです。
これが、私にとっての、多分唯一の「ねつ造記憶」の話です。謎ですよね。すっげえ謎。むしろ、「なんでこんな記憶をねつ造するに至ったか」の方が意味不明過ぎます。
ただ、記憶がねつ造だったとして、私の苦手意識の方は残念ながら本物のままなので、私は今でもキューピー人形を見ると避けて歩きます。皆さんも、しんざきに近づいて欲しくないところがあれば、そこにキューピー人形を一つ、ぽんっと置いておくことをお勧め致します。
今日書きたいことはそれくらい。
昔の記憶だし、複数のイメージが混ざっちゃったのでは。
なにせ人形と言えば、怪談やホラー映画の定番ですからね。夜髪が伸びるとか、目を離してるうちに勝手に移動するとか、一人になると襲ってくるとか。
自分の場合キューピーちゃんで連想するのが、ホラー映画だったりする。
タイトルとか全然わかんないけど、たとえば「チャイルド・プレイ」シリーズとかたぶんそんな奴。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00JPZNW1K/
http://matome.naver.jp/odai/2136972360229738601